102話 拉致るとか言わないで下さい
番外編アイディア募集中です(以下省略)
スマホで書きやすいモノを順に書いております。
今回書いたのは『インタビュー』1600文字(読者様のアイディア)『ワタシ メリィ イマ…』1800文字(俺のアイディア)
どなたでも、何回でも、どんなときでも…活動報告『俺闇番外編の予定なんちゃら』にご応募ください。
「……用事があって連れてくる、というだけのことに何故あなたはその行動を実行に移したのかが分かりません。馬鹿なんですか? 馬鹿なんですよね? もう馬鹿は決定だと思いますが? 問題ありませんよね?」
「え、あ、はい…サーセン」
ラルチは美月にだきつきながら、振り返り睨むような体勢でそのなことを言われた。
闇の中から肩を掴んで『拉致って来たぞォ!』という感じで嬉々として飛び出してきた俺と、途中で悲鳴が遮られた結果美月達が居る場所で思いっきり悲鳴を上げたラルチ。
さすがのこれには美月、奈菜…二人とも見事に引いてくれた。
「なんだよ…俺は言われたことを実行に移しただけだぞ?」
「…徹夜に連れてきてとは言ったけど、まさかこんな方法でつれてくるとは思わないよ」
「女の子に、おもいっきり悲鳴を上げさせるのはないと思うよ…徹夜くん」
美月も奈菜も俺にキツイ評価を下してきております。
いや、やはり終わってしまった気がしていたが……問題なく終わっていたわけですね。
そして、ラルチよ……こっちに視線が集まってるからと言って美月に抱きついたまま顔をスリスリしてるのは俺にとっては丸見えなんだぞ?
内心どん引きなんだぞ?
「まぁ、ソレは置いといて私を拉致るまでの用事とはなんなんですか?」
拉致るとか言わないで下さい。
「徹夜がラルチの事を拉致ったのは、ラルチだけにしか分からない事があるからソレを聞きに来たんだ」
拉致るとか言わないで下さい。
「私にしかわからないこと、ですか? 私にしかわからい事なんて色々と限定されますけど、誰かに拉致られたのは一旦忘れて…美月お姉様のためなら何でも答えますよっ!!」
その言葉と共にラルチが美月にぐいぐりと寄っている。
というか、拉致るとか言わないで下さい。
「徹夜くんに拉致られるのもどうかと思うけど…それ以上にこの子のキャラも十分濃いね」
拉致るとか言わないで下さい。
今までの三回か四回で、精神的ダメージ大! ……も、やだ。
「というより、この新しく加わっている方は誰なんですか?」
「あ、この人は帰った後に新しく出会った友達。
私達と同じで他の世界に召喚されたことのある人なんだ」
「つまり、勇者というわけですか……ラルチです。宜しくお願いします」
「よろしく。ナナって呼んで良いよっ」
ラルチが伸ばした手を奈菜は笑いながら握り返す。
よく『ナナって呼んで良いよ』と言うけど、大体の人には呼ばれないよね。
何か俺だけアウェー感が……いや、さっきのラルチを拉致るという行動が悪かったんだけどもね。あれ? 『ラルチ』を並び替えると『拉致る』ってなるな、今気づいた。
ま、そんな事は置いといていい加減に話を進ませなくちゃいけないな。
「『魔剣』というモノについてなんだが、ある場所を知ってるだろ? ラルドさんの妹なんだから」
「……なんで、あなたが『魔剣』について知ってるんですか? というより、その『魔剣』の在り処を聞いてどうするつもりなんですか?
あとラルド姉さんは? ラルド姉さんの剣をそこのハーフの少女が大事そうに抱えて眠ってますが…」
俺が切り出した言葉。
その瞬間にラルチがこちらを睨むようにしながら問いかけてくる。
先ほどの俺が拉致った後の睨みとかいうモノではなく、おふざけも何にもない答える内容によっては、ただ純粋に殺す気でいる目だ。
そしてラルチが言うようにライルは疲れてしまっていたので眠っている。
ラルドが捕まってから体が疲れているのに全然眠ったりなどの休憩を入れてなかったので、さすがにずっと起きている事は不可能だった。
ラルドさんと長い間一緒にいるであろうライル。俺なんかよりはラルドのことを心配なのは絶対に当たり前だ。
「魔族の資料で見たんだよ、ラルチ」
それをなだめるようにしながら美月が答えた。
おい、すぐにデレデレするな……先ほどのまともと思えた雰囲気が一気に台無しだぞ。
「ボク達が魔剣をどうかしようとしてるんじゃなくて、ボク達が相手している人間が魔剣に何かしようとしているからボク達はソレを阻止したいだけだよ。
その敵にラルドさんとやらも捕まってしまったし、ほっておくと無駄に厄介なことになりそうだしね」
「ま、そんなわけ」
俺が説明しようと思ったのに奈菜に取られた。おい、コラ奈菜…その勝ち誇ったような顔は何だ? さすがにその顔はうざ過ぎるぞオイ。
「…そういう事ですか。ラルド姉さんが捕まるだなんて私に想像できませんが…まぁ、黒いヤツやら美月お姉様の相手をするようなヤツラなのでしょうから、ありえるのかもしれませんね…」
そんな事を短く呟きました。
「…ですが、すみませんね…あいにく私は場所は覚えてないんです。
私はラルチ姉さんに光属性の魔力の所有量でも剣術の才能でも負けています。当然、剣が受け継がれるのはラルド姉さんだったわけですが、私は剣を受け継がれない代わりに安定収入である王城などへの侍女として入ることを前提に育てられました。
なので『魔剣』についてのことは1つも教えられていません」
「…そうか。完全にわからなくなったな」
ラルドさんの妹であるラルチがわからないのであれば、完全に行けばいい場所が分からなくなる。
しょうがないから闇をできるだけ広く飛ばして、堕勇もしくはラルドさんの捜索のために動かすしかないのだろうか? 全然効率が良くないな。
「…ですけど、分かる方法はあります」
「それは何なの?」
「私とラルド姉さんが育った村に、たぶん資料があるはずです……結構な距離を移動しないといけませんが」
「「……」」
奈菜と美月。何故こっちを見る。
「移動しないといけませんが…」
ラルチ。なんで二回言って、俺のほうを見てるんだ?
え……また移動ですか? 完全に俺を使おうとしていますよね?
『インタビュー』はインタビューなのですが、『ワタシ メリィ イマ…』は都市伝説のモノを参考にしています。
まぁ「メリィ」ではなく「メリー」ですけどね。
誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。