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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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87話 本

なにか、どんちゃか楽しみたいです

─ こんにちは、どうでした? ─


─ いきなり話しかけるなよ、ビックリするだろ…見事に捕まって連行中だよ ─


─ ……むむ、失敗したんですか。捕まるのも仕方が無いですね ─


─ うるさい。まさか自分の魔力が残ってるなんて思うわけが無いだろ ─


─ 完全に自分のヘマという事ですね。逃げるという選択肢は無かったんですか? ─


─ 周りには自分と同じ、またはそれ以上の実力を持ったヤツラが七人だぞ? そんな所で逃げるなんて事をしたとして成功すると思うか? ─


─ 基本的にあなた達は『甘ちゃん』でしょ? 友達だなんだで信じて、追ってこないかもしれませんよ? ─


─ まぁ、大体はそうだろうが…例外も存在している、正直俺が取り押さえられたときには既に動きを牽制するためか殺す気でこっちを見ている植物女が居たしな ─


─ 『世界樹』ですか…確かにアレは周りとは違いますからね。あとは『武器庫』も追って来そうではありますね ─


─ 『武器庫』はあの老いぼれの仲間…まぁ、無理矢理操られてるのは除外してだが…とりあえず、その仲間には本気で手加減なしで来そうだわ。それに俺のやったことがやったことだしな ─


─ 確かにそうですね。それで、どうするんですか? ─


─ 話しておいた作戦でプランAからプランBに移ろう ─


─ いつも思いますけどプランAとかプランBとか言う名前で覚える必要ないですよね。別にこれが誰かに聞かれているわけでもありませんし ─


─ プランAとかの方が夢があるだろ、男のロマンだよ ─


─ めんどくさいですね、男って ─


─ …まぁ、とりあえず話を戻そうか ─


─ じゃあ、確認しますが合流する場所は話し合っていた通りの所でいいんですよね ─


─ 問題ない。この都市を出る前にあの本を適当なヤツに渡しといてくれ……渡しちゃいけないヤツとかはわかってるだろ? 一応尋ねるが、この都市からは無事に出られるよな? 魔王が死んだばかりだし出入り禁止とかになってるわけじゃないだろ?  ─


─ ええ、渡していい人間はわかってます。それに、出入りが禁止になるという事は絶対にありません。魔王が死んだというのは隠されてるんですよ? それなのにいきなりそんな事をしたらそれなりに頭の使える者なら怪しがるでしょう。なので、特に何も無く素通りできます ─


─ わかった。じゃあ、宜しく ─


─ では、さようなら。また後で会いましょう ─





プツリという小さな音と共に、その話は途切れた。

その会話は頭の中で行われていたもの。

別にその人の頭の中の人物と会話するというある道を極めた変な人とかではなく、魔法を利用した会話…つまり念話というものである。

その念話をしていた人物は両手首に枷をはめられている。

その枷は魔力を封じる魔法と身体能力を下げる魔法が付加されており、その枷をはめられれば『勇者』であろう者でも魔力はいっさい無くなり魔法は使えず、身体能力は並の人間よりもひどいものとなる。

そして、その魔法具である枷をはめられているのは炎だ。


一応補足だが先程の念話は、炎が魔法を使ったのではなく他の人物が念話で炎と話していたため枷に魔力を封じる効果があっても無意味だ。


「……」

その枷を見ながら、ずっと黙っている炎。

そんな炎をはやし立てるように周りの騎士が背を押すと、炎は鬱陶しそうに息を吐いて何も言わずに足を進める速度を今までよりも速めた。





  ─ ※場面変えです ─


「はぁ…帰れもしないし、本当に面倒だな」

そう呟いてしまった景山 徹夜こと俺は仕方が無いと思う。

今は炎が捕まり、そして炎が逃げた場合でもこの都市を出る前に確実に捕まえるために俺達全員とも帰ってはならないと言われ、数時間前に親にまた数日の間帰れなくなりそうだ、と伝えたばかりである。


「この頃、異世界のほうに泊まって家に帰れない日が多いから、どうも父さんと母さんと冬日に心配されちゃうんだよね」

これは当然、美月。


「そういえば美月。お前が俺の家に泊まったとき栞とどんな話をしたんだ?」


「んぅ? 珍しいね、徹夜。私が泊まったときに話したことを聞くなんて」


「俺がフユと栞をあわせたから気になるんだよぉ~」

なんかいきなり俺の話し方が変になったな。

うん、直そう。


「私がいくら詮索しても全然話さなかったよ。

『特に何もありません』『全然そういう事は無いです』『あの人とそういう関係でもないです』ってさ…どうやら栞ちゃん学校でもそういう事聞かれるらしくて本当に疲れてたよ。

私あまり知らなかったけど冬日って人気者なんだね」

冬日が人気者なのは知っている。


「おお、俺が招いた事とは言え…南無」

ごめん、栞。

あまり謝罪の気持ちは存在しないけど、世の中上っ面だけの偽者の姿勢というものは大事だと思うんだ。

だから、偽りの謝罪を言ってみたよ。


俺達はこんな会話をしながらも、歩いている。

城の捉えた人間を入れておく専用の部屋へと入れる途中に逃げられては迷惑なので、真ん中の城に一人、そして周りの都市に一人か二人で散らばっていた。

逃げられた場合、逃げた方向にいる一番近い者に連絡をして逃がさないようにするという事だ。



「すみません」


「はい?」

いきなり話しかけられて、俺はソレに反射的に返事をした。

その話しかけた人は少し大目の荷物を持ち、どこかに出かけるのではないかという格好の少女だった。

俺が美月に目線を向けるが知り合いではないらしく何も言わない。


「すみません、コレどうぞ」


「はい?」

それは本だった。

見た目は薄くも分厚くもなく、読みにくくも読みやすくもないと言うモノだ。


「私が魔法を解くまで開かないようになっておりますので、できれば開くようになったら読んでくださいね。

では渡しましたので、さようなら」

俺がよく理解できない間に少女は早めの口調で、そんな事を言うとすぐに踵を返して歩き出した。


「はい?」

この頃、理解しきれないものが多くて困る。


「徹夜、どうしたの? それ」


「…さ、さぁ?」




そんな感じで俺と美月はやっぱり何も理解できなかった。

徹夜くん、この頃消化不良になりやすいですね。

もともと頭よく書いてないので問題ないです…それに、この小説で頭良いキャラはいませんけどね(作者が頭悪いので無理)




誤字・脱字があればご報告宜しくお願いします。


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