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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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82話 いや、俺たちまだ数回話した程度だし…

まだ、デパート終わりません。

俺、そして美月はできるだけ見つからないように物陰と物陰の間を縫うようにして、無駄に異様な速さで走っていた。

知らない人が見ても不自然にならない程度、しかし確実に見つからない…そんな感じの動きで出来るだけ移動していたわけである。

正直慣れないけど、頑張れ俺。


そして、俺の背におんぶする形で担がれている真くん。

俺がさっきまで隠れていた場所に真君に待つように言ったのだが、どうしても聞いてくれず、しょうがないので担ぐことにした。

何故か、異様に真くんは頑固だった。

普段ならば考えられない事だ。

もしかしたら、青い壁の近くにいることや、この青い世界のこともあり恐かったのかもしれない。

まぁ、青い壁の近くにいれば間違って触れた場合は真くんに危険が及ぶのである意味では最初の選択も間違いだった気がする。

今の選択が正解なのかどうかは知らないが。


「ん~、それらしいものはあるか? 美月」


「ごめん、わからないや」

俺の質問に答える美月。

ああ、今更気づいたのだが栞にコアとやらの形を聞いていおけばよかったかな? でも、さすがにそのままポンと置いておく訳が無いので、あまり関係ないかもしれない。


背中には闇でグルグル巻きにされ、俺から絶対に離れられないようになってる真くんは俺が静かにするようにといったせいか、まるで死人の真似をしているように動くことは無い。

さすがに息はしているし体温も暖かいので死人と間違えないのだが、俺が動いても止まっても自分の力で動かない真くんは他の人から見たら死人のように見えるだろう。

そんな死人をおんぶしている俺は、他の人からはどう見えるのだろうか…。


そんなどうでもいい事は置いておこう。



「さて、だいたいこの4階は見たけど…全然、わからないな」

ちなみに、このデパートは5階建てで結構大きいほうだと思う。


「見て分かるようなものじゃないのかな、やっぱり」

俺も美月もはっきり言ってどうしたらいいのかわからない。

真くんの死人は健在ですね。


「「ッ!?」」


「ぐにゅっ!!?」

俺と美月が何かにハッと気づくと、すぐさま退避する。

俺が思いっきり後ろに跳んだせいで、死人の真くんにとっては、おもいっきり不意のことだったのでカエルが潰れた時の様な声を口から漏らしていた。


そして、先ほどまで俺達が立っていたところには老人の雑魚人形の腕が突き刺さっていた。


「せぇいッ!!」

それを理解した瞬間にその人形の横っ面に思い切り蹴りを突き刺し、吹き飛ばした。

ぐるりと回転しながら吹き飛んでいった人形は、ぐじゅあっ…という生々しい音を立てながら商品をのせた棚へ……ああ、俺は知らないぞ。絶対に知らないぞ。

俺は何も悪くないぞッ!! 弁償なんてしたくないんですけど……いやマジで。

幸いなことに普通の関係のない人はここら辺にはいなかったので一安心だ。


その騒音に釣られるように周りにシュタッ…という複数の着地音が聞こえた。

何故、棚が倒れて商品が落ちたせいでうるさかったのに足音はきれいに聞こえたし。


「…発見」

そんな声。

多分それは日本刀を片手に持った少女…葵サンの口から漏れた言葉だった。

他にもワラワラ沸き始めている。


「いやぁ…一人ぶちのめしただけなんだから、そんなにワラワラ沸かなくても」


「そう言われても、あんなに騒がしい物音がしたら来てしまうだろ。

徹夜」

これは美咲の言葉だ。


「いや、俺とお前は少し話した程度じゃん? いきなり呼びつけはちょっと…」


「………そうだな。ごめん」

やべえ、美咲で遊ぶの楽しい。

絶対、狼の姿だったら耳が真下に力無く垂れてるしょんぼり具合だよ。

というか、面白そうだから一回狼の姿になれよ。


「クソ犬、面倒だから無駄に話すな」


「あ? なんでお前にそんなこと言われなくちゃいけないんだよ!」

元から仲が悪いのか、葵の言葉に美咲が怒り気味に返答した。


「お前のせいで襲い掛かるタイミングを逃した。

最初の一言目のあとに、ホントは斬りかかるつもりだった」


「……すまん」

美咲さんって口喧嘩の類では圧倒的に弱いですよね、絶対。

口喧嘩の末、負けてしょんぼりする典型的な妻の尻にしかれるお父さんパターンですよね。


あえていうならタイミングを潰してくれた美咲さんに感謝。


「…うぉあッ!?」

こんな状況で変な考え事をしていたせいで、目の前に迫っていた雑魚人形に、先程まで気づかなかった。


さすがにいつまでも遊んでいるわけにはいかないか。


「美月、こっちに行くぞ。

真くん、舌を噛まないようにしっかり口を閉じておけよ」


「オッケー」


「んんっ!!」

俺の言葉に美月と俺の指示通りにして口を開けようとせずに答えようとしたせいで曇った呻き声のような返事をした真くん。


このデパートは大きい。

俺達が今居る場所を詳しく説明するならば、ここは他の場所よりも広く幅を取り、二階から五階までの床の中央は円上に切り取られ、その回りは色々な店と人があるく通路が円周上にある。


なんか自分でも何をいってるのかわからなくなってきた。



まあ、とりあえずなにが言いたいのかというと……チマチマと階段で降りる必要はなく、飛び降りれば一気に何階も飛ばして降りれるということである。


「「おわあああああああッ」」

さすがに、これはビビる。

だって初めてですよ。命綱なしのバンジージャンプ。

バンジージャンプ自体やったことはないけどね。


「んんんんんんんんんんんんんんんんんん~ッ!!」

後ろでは真くんが曇った呻き声で悲鳴をあげているが、気にしなくて良いだろう。


そして落下しているのだから当然なのだが、それなりの速度で床が迫ってくる。

俺の服の中から、闇でできた鎖がいくつも取び出し、周りの通過していく壁などに突き刺さっていった。

そんな事をして居る最中には美月が俺の体に抱きつくようにすると、ソレと共に落下の速度か減少し、タンッ…という軽い音と共に着地した。


「よし、行くぞ!」

目指すわ、コア。

頑張って逃げながら探します。

ホントは今回で終わらせたかったんですけどね。

満足いくとこまで書くか、それとも投稿するのを優先するかで考えた結果、区切りが良いところで切りました。



誤字・脱字があれば御報告よろしくお願いします。

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