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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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81話 ヂュウッ!?

前回よりはよっぽどマシなケガでしたが…前方不注意でガードレールに激突、再び自転車で跳ぶハメになった。

気をつけなければ…(´・ω・`)

周りは青に染まった世界。


「……なんだ、こりゃ?」

俺がそんな事を呟いてしまうのも無理は無い、

本来ならこの世界で起こるはずが無い、異常な現象が目の前で起こっているのだか。

実際、魔法がこの世で使えないという事はありえない。何故なら、魔法が使えないのならば他の世界から干渉する召喚の魔法も作動はしないのだろう。

俺がそう思うのは、どう言えば良いのかわからないが…うん、わからない。

忘れてくれ(別に逃げてない)


「いや、私にもわからないかな」

美月の言葉。


「まぁ、あまり期待はしていないから大丈夫だ」


「それはそれでひどくない?」

美月が怒ったような口調でそんな事を言ってくるが、俺はとりあえずこの状況で多分結構な必要性の高いであろうことをする事にした。

俺の靴と靴の間、つまり影の中から真っ黒なネズミ(約200匹)が美月以外の誰にも気づかれないようにトタトタと音を立てながら周りに散るように何十匹ずつ走っていった。


「どう? 徹夜」


「ん~、少し待ってくれ」

ジーと眼を瞑って集中している俺を見ている美月と、真くんは俺が何をしているのか分からないので首を傾げながら俺を見上げている。

俺は眼を瞑っているはずなのに、その眼にはいくつもの低い所から見た視界が広がっている。

低い視点……これは、もしかして…うん、邪念(今回は邪な念)は放り投げよう。


「見えたっ」

何が?


そんな事はさておいて、俺は美月に見えた内容を教えることにした。


「あれだ、あのくそな御老人含め例の怖い方々がおられる。

しかも、何かを探すようにキョロキョロと周りを見回しているんだよ…来ているやつは『妖刀』『魔眼』『狼王』『竜人』あと、知らない雑魚共数名と御老人の雑魚バージョンの人形が五体って所だな。

正直、これはきついとしか言いようが無いな」


「うわぁ…何のためにこんなことがおこってるのかわからないけど、とりあえず隠れておこっか?」


「そうだな。

触らぬなんとかに、なんとやらだからな」


「徹夜、微妙にその言葉忘れてるでしょ?」

『なんと』が二回も入っちゃあ、言われるのはしょうがない。


「じゃ、隠れられる所捜してみるか」

よいしょ、という声と共に真くんを抱え上げ美月とともに走り出す。


「美月、予想外のことで仕方が無いんだがスカートで来たの失敗したな」


「ああ、私の久々のスカートがぁぁ…」

悲しそうに呟いた美月は、今は特に大した意味もないのにスカートを抑えている。

別に見えそうなわけじゃないだろうし、というか俺に見せてくre……ゲフンゲフン、なんでもない忘れてくれ。


「徹夜、さすがにズボンとか持ってないよね?」


「いや、さすがに持って……るね、うん。

汚れたら取り替える専用に一着ズボン持ってたね、なんか都合の良いようなことだけど俺だから仕方が無い」

闇は便利だから、色々突っ込んじゃうんですよ。

なんか、うん。誰に対してかは分からないけど一言だけ…ごめんなさい。


「とりあえず、そのまま外に出れるかもしれないから外に面してる非常階段の方にいこうぜ」


「うん」

俺たちは行く方向を決めつけ、その方向へと走る。

真くんは今まで以上の速さで走っているので周りの商品をのせている棚などが相当な速さで視界を通過していくのを楽しそうにみていた。


もし、相手が俺たちを狙っているのならば真くんを巻き込むわけにはいかないのだ。


今までこのデパートには何回も来ており身の回りのものではそれなりにお世話になってきた。

なので、大体の内装などは覚えており子供の頃はしゃいでいたせいでウロチョロ走り回ったせいで普段ならいかない場所もわかる。

だからわかっているのだが、目的の場所は近い。


意外と早くついた。

外にはデパートをおおう形で先を透かしてみることができるぐらいの青い壁があった。

たぶん壁の外側で上空からみた場合、立体の長方形であろう。


「徹夜、ズボンplease…あと、できたら着替えるときに体隠せるやつ」


「ん、どうぞ」

俺のズボンとサイズが合うかわからないのでベルト。

あとは、俺が異様に長年使っているコートを渡す。

真くんに手で目隠しをして、俺と共に美月ではない方を向くのだ。

俺が渡したコートもあるし、別に美月の方を向いていてもいいんだが、なんか気が引ける。


正直ぶっちゃけると、覗きたi……


「徹夜、覗きたい?」


「いあ、じぇんぜん」

…ゲフンゲフンなんでもない忘れてくれ。


「それにしては、動揺かどうかわからないけど言葉がおかしくなってるよ」

たぶん、俺の背後では美月はいたずら小僧のようにわらっているのだろう。

…というか、笑っていてくれ。


「おし、着替え終わったよ。こっち向いても大丈夫」


「……そか」

俺の言葉にはガッカリした様子なんてモノはいっさいない。

絶対に。


「あー、上の服はスカートにあわせてきたからズボンにしちゃうと微妙だな。

ホント、残念」


「どんまい」

そんなことを話ながら、俺はケータイを取りだしある電話番号へとかけた。

だが、相手が通話ちゃうのときのようにかかることはない。


「この壁を壊さないとな」

拳を振りかぶり壁を思い切り殴り付ける…の前に美月に止められた。


「敵さんが居るんだから一応慎重にいこ?

もし壁に触れたら敵がわらわらとわいてきたら嫌だし、少しなにかで試そうよ」


「わかった、一番遠くにいる闇のネズミで試そうか」

うん、と美月が俺の言葉に頷くと俺は目を閉じ集中する。

いくつもの視点の内、一つ選び操作する。


チョコチョコと小さな足を動かし、デパートの入り口から強引に出て、入り口から1㍍もしない場所にある青い壁の近くで止まった。

そして、ゆっくりと口を開き青い壁に噛みついた。

壁にぶつかったからなにかダメージを食らうということもなく、細かく作ったため闇で出来た小さな歯で、ただただカジカジする。


このネズミたちは最高傑作で、作る際に鳴き声や歩き方、動かしていないときの動物のような細かな動きをイメージすることでまるっきり動物そのままになっているのだ。

俺が操作していない場合は、じっとその場から動かず自動的に自分の毛をなめたりする。

凄いだろ? リヤナさんに習ったんだぜ。


そんなことを脳内で自画自賛していた瞬間にヂュウッ!?という短い悲鳴と共にネズミの視点が消滅した。

それを確認すると共に近くにいたネズミで、その場を観察すると一人の堕勇が居たので盗み聞きをした


「どうやら、わかりきってた事だが俺達を探してるみたいだな。

さっきのネズミはリアルにつくってあるから気づかれてないみたいだ。

来ていた堕勇が魔眼だったらバレてただろうが、雑魚の一匹だったから問題なし。

美月、どうする?」


「徹夜の闇ならもちろん、私の魔法でも力業でならこれを壊すことも簡単だろうけど、街中で鬼ごっこしたくないね」


「とりあえず、こんなときに頼れる人に電話しよう。

美月は菜奈な、俺は魔法の事ならなんでもござれの妹に電話するから」


「わかった。

でも、電話の電波も遮断されてるんじゃないの?」


「それは俺が闇で穴を開ければ問題ない」


「それじゃあ、私たちの居場所がバレるんじゃない?」

といか、真くんが話に混ざれなくて暇そうに俺の髪の毛で遊んでるよ。

まぁ、とりあえず目隠しして音楽でも聞いててもらおう。


「せっかく気合いいれて作ったのにもったいないんだけど、ネズミは約200匹。

それ全部を何匹かずつ順番に青い壁に突っ込ませるから、その間に電話だな。

ここにこられる可能性もあるが、こられない可能性も高いだろ。

電話して良い時間は約2分で」

一分間に約100匹も突っ込ませるわけだ。


「うん、わかった」


「よし、じゃあ行くぞ」

俺も美月もケータイを操作しすぐに電話を掛ける状態に持っていく。

そして、手に闇を発生させ青い壁に触れた。

すぐさま電話を掛け始める俺達。


『もしもし、テツ兄? どうしたの……?』


「友達と遊んでるのに悪い栞、少し質問があるんだ」


『別に大丈夫。それで、聞きたいことってなに?』


「ああ、堕勇が現れると同時に青い壁に囲まれて逃げれないんだけどどうすればいい?

二分しかないから早めにおねがいな」

そんなことをいうと電話をしてる相手側から驚いているような音が聞こえた。


『それ、魔道具で発動してる出れなくするための結界で、魔法ということを知ってないと無意識のうちに壁の近くによらないようになる効果と、それに触れたら居場所がわかっちゃうってやつ。

あれ、そういえば電波も遮断するばずだけど?』


「最後のは気にすんな。現に電話を切ることなく栞と会話してんだから」


『…まぁ、そうだね。

魔法具は設置するタイプで別に結界内の中心におかないといけないってやつじゃないから探すのは少し大変』

といか、顔をみないで電話だと栞はめっちゃ話すな。

俺が急いでと頼んだからもあるんだろうが。


「ふむ」


『外からの攻撃にたいしては異様に頑丈で私みたいに魔法を解析して穴を見つけて入るっていう方法ができなかったら…たぶん、誰も入れない。

だから、その結界のコアになってる魔法具を破壊しないと無理。

場所教えててくれれば行くよ?』


「いや、最初に言ったがせっかく友達と遊んでるんだから楽しんでこい。

仲良くなれたんだし」


『……ありがと』


「じゃ、そろそろだし切るな」

今、時計をみるとあと数秒だ。

美月ともアイコンタクトをとり、もうすぐこじあけている闇をやめるように伝える。

それがわかったようで美月は頷いてきた。


『あと最後にごめん』


「ん?」


『それ作ったの私』


「…そんなこ気にすんな。

じゃ、ありがとうな」

その言葉と共に通話を切った。


「菜奈ちゃんたちは来てくれるって」


「栞がいうにはコアとなってる魔法具を壊さないといけないらしいから、少し面倒だがやんなきゃいけないみたいだ」



さて、行きますか。

そういえば、真くんはどうすればいいんだろうか?

次でデパート事件終わりかな~?




誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。

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