75話 戦い途中
途中からスマホで書いたので誤字が多いかもしれません。
「いや~、囲まれたな」
「ああ、俺はあのメイドさんを倒そうと思っていたんだが、奈菜にとられちまったし…」
「私は、誰を相手にすれば良いのかももう分からなくなってきたから別にいいんだけどもね」
瑞穂、和馬、そして要の順番ずつのコメント。
その周りには六人の堕勇(雑魚バージョン)がおり、それぞれが魔法を発動させ瑞穂と和馬と要に向かって攻撃をするために待機している。
それに対して瑞穂たちは余裕の表情であり、和馬は拳銃を少し眺めた後にちゃんと弾が入ってるかなどを確認していて、要は自分が乗っている白い虎…つまり虎光の頭を撫で、肩に乗っている黄色い鳥のサンの喉辺りをくすぐっている。
虎光もサンも気持ちよさそうに目を細めた。
その余裕そうな三人に対して舐められたと判断した堕勇の何人かは不機嫌になったようで、すぐさま攻撃の魔法を放ってきた。
それを三人はそれぞれ勝手な方向に飛ぶことで避けた。
「じゃあ、相手六人だけど殺さずに保護した数で勝負しようよ」
「お、いいね。それ」
「それほど強い相手でもないし、それぐらいの余裕はあるからな。俺もそれはやりたいな」
要の提案に瑞穂と和馬が返答する。
「よし、じゃあ始め!」
要の掛け声と共に嬉々として襲い掛かる三人。
堕勇六人vs瑞穂vs和馬vs要という意味のわからない図がここに完成した。
─ ─
「お前、よくわからないヤツだな…」
「ん? そうか……お前にそう言われようと、俺はあまり気にするつもりは無いけどな」
『魔眼』こと唯時にそんな事を言われた炎は、それに返答する。
唯時が特に何もされていないのに後ろへと跳び退く、すると次の瞬間には足元の地面から溶岩でできた竜が飛び出し唯時を呑みこもうとしたが、それは空をきった。
これは唯時の能力の特徴である特殊な目。
それは数秒先の未来なら見通すことができ、美月の攻撃でさえも回避する。
なので、炎の攻撃ならば美月よりも容易く避ける事は可能だ。
炎の攻撃は避けられたが、炎の作り出した竜は、それだけでは終わらずに跳んだせいで空中にいる唯時に向けて口からいくつもの火球を放つ。
それはやはり予知されていたみたいで、唯時は焦らずに体を捻り全ての攻撃を避ける。
「…うぅむ、やはりその力の相手するのは面倒そうだな」
あからさまに嫌そうな表情の炎。
それに対して唯時は反応せずに、なにかすっきりとしていないような表情を炎と戦い始めたときから、ずっとしているわけである。
それに炎は相手が何かたくらんでるか、それとも単純に気分が良くないかの二つを考えており、炎が軽い気持ちで考えているのがよく分かる。
相手が何でそんな顔をしているのかも分からないので、予想する事も不可能なのだが。
「……お前、見えないな」
「は? 何の話だ?」
訝しげに唯時を見る炎。
「お前には普通ならあるべき物が無い……だから、何にも見えないんだよ」
「……」
唯時の言葉に炎は黙る。
表情は唯時の言葉の意味が理解できないというかおをしているが、その目にはなんの感情も込もっておらずギャップが激しいことになっている。
それは唯時の目にはどう見えるのかはわからない。
だが、唯時の表情は炎と同じもので理解できないものを見たり聞いたりしたときのようなもの。
「なんだ、それは俺が普通の人よりも劣ってると言いたいのか?」
「いや、そういうことじゃない。
だが、俺の瞳が何まで見えるかは俺自身よくわかってないからソレが何かははっきりしてないがあるはずのものが無いように見えるんだよ」
この会話をしている間も戦闘は続いており、やはり能力の特徴上、唯時が避けまくる形となっている。
「……そういえばお前はあの老いぼれに、一番扱いにくいと言われてたな」
「なんで、お前がそんなことを知ってるのか気になるな」
炎は完全に唯時との会話を違うものとし、唯時の言葉は完全に無視する。
この場合、唯時の眼で相手の思考もわかる可能性があり、少しでも考えればなにかを読み取られるからだ。
それは炎の予想なのだが正解だったらしく、なにも読み取れなかった唯時は舌打ちをした。
「確か命令を下していないときはもちろんの事、命令の範囲内のできる限りの事で邪魔してるんだったな」
「それがどうした」
「だったら、今回も邪魔しにいった方がいいんじゃないか?」
「……何をだ?」
「この頃、あの老人が欲しがっているものを知っているか?
まぁ、ここまで俺が言っても走り出さないという事は知らないのだろうな……言ってしまえば俺ら勇者の中のある一人の能力を欲している」
「……」
炎の言葉に唯時の表情が急激に変わる。
「すべてに干渉をすることができ、あの老いぼれは騙されたらしいがほぼ永遠に使えるであろう能力。
お前も知ってるだろ? お前はあのナイフの詳細を老人に命令されて、その眼で見たんだから」
炎の言ってることを本当で闇が混ぜ込まれたナイフを唯時は眼せられていた。
そして老人が騙されたという事がわかったのは明がコピーした能力はそれなりにできることがわかってしまう。
だから、バレた。
「お前、今まで近くで見てきたような言い方なのはどういう事だ…」
唯時は、その眼で炎を睨み付ける。
「さあな、お前が知る必要もない。
それで、良いのか? 徹夜と美月は楓を追って都市に向かったぞ……老人は何処へ行った?」
「っ!!」
息を飲むと同時に唯時は走り出し、都市に向かうために走った結果、炎の横を通ることになったが炎は邪魔をせず、そのまま通過していった。
「あ~あ…対戦相手様は、行っちまったから暇だな」
炎はそんなことを言いつつも、その表情は不適な笑みへと変わる。
相変わらず眼には感情はこもっておらず、それが異様に不気味さを与えるだろう。
ー ー
都市を目指して行った楓を追って徹夜達が都市へと入る。
楓の咆哮と実際に完全に龍の姿へと変化した楓が都市の空を飛んでいるせいか、都市は兵士達が忙しく動いている。
その混乱にうまく混ざって徹夜達は都市に入ったわけである。
詳しく言えば、長い間使っていなかった闇をまとわせたコートを闇から取りだし、それを着た徹夜は、コートのなかに美月を入らせて影の闇に紛れて潜入した。
美月は自然と徹夜にくっつく形になったせいかとても嬉しそうで、徹夜は恥ずかしそうにしていたが誰にも見られてはいない。
「確か、こっちの方に飛んでいったな」
「うん」
徹夜の言葉に美月が返答する。
竜、つまり楓はまるで目的のものが、この混乱の中でどう行動するかを確信している様に迷いなく進んでいった。
楓は城の中に入っていき、徹夜達もそれを追って闇に紛れながら城に入っていった。
城の小さい通路などを通ったりしているせいで楓が通ったあとは壁などが傷つき追うのも容易だ。
その結果、階段を下り大きな鉄の扉が見えた。
「うわあ、なんか異様なほど固いであろう結界が張られてるぞこれ」
「しかも、固さ以外にすべてを拒絶するような効果も加えられてるね」
徹夜も美月も壁を触りながらそれぞれ、できる限りの分析をしている。
ちなみに美月は固さ補強に加え拒絶の効果がわかったわけだが、徹夜はわからなかったので内心苦笑い気味だったりもする。
それも美月にはお見通しなわけだが…。
「私じゃあ、破壊はできそうにないなー」
「そういえは楓は結局見つかってないけど、この扉の先なのか?」
「さあ?」
ここまで来て、このグダリ。
「とりあえず、この扉の先に行ってみればわかるんじゃない?」
「そうだろうが、これ開けるの大変じゃないか?」
このグダリ!
「わちっ……私は無理だけど、徹夜はできる?」
美月さん、今噛みましたね(※元は純粋な誤字です)
「闇を使わないでは無理だが、闇を使えばできることはできるな」
徹夜くん、噛んだことには触れないんだね。
「闇だったら干渉できるから開けられないものはほとんどないだろ。
ただ普通にやるのも嫌だし、ちょうどこの頃考えてた新しい闇の使い方試しをしてみるか」
徹夜はそんなことをいいながら左腕の服を大きくまくる。
この場合、徹夜が考えただけで、できるかどうかもわからず出来たとしてもそのあと動かせなくなったりしたら大変なので、利き腕を残した感じだ。
その左腕に複雑に絡み合った3つの黒い線が肩から手首に向かって現れる。
それはいつものように闇を腕に巻き付かせたりしているわけではなく、闇を混ぜ込まれているのだ。
自分の細胞の中に。
徹夜は少し痛そうに顔を歪めるが、闇の場合すべてに干渉する能力もあり、自分の細胞に結び付かせる程度ならば軽い痛みである。
その結果、黒い上気のようなモノを纏っている闇の模様が浮かび上がっている左腕。
「よし、行くぞ」
その次の瞬間には、放たれる拳。
それは結界で固く閉ざされた分厚い扉に当たった瞬間に、すべてが粉々に砕け散った。
「おお、凄いよ徹夜!」
声をあげる美月。
この徹夜のやったことは、最初の世界のミルリアを思い出し考えたことだ。
ミルリアの右腕には闇が混ざりミルリアの魔力を数倍にもあげ、攻撃力をあげていた。
だが、あれはそれこそ一つの米粒よりも少ない量なのだ。
つまり、がっつり闇を混ぜ込んだらどうなるかを考えた末であり、その結果実際徹夜の腕力は普段より二桁に近いほどの数で倍になっている。
すると後ろでなにかが動いた。
「ありがとう徹夜くん美月ちゃん、ソレめんどくさいから陰で見守ってたんよー!」
それは蛇のような竜、つまり楓だ。
徹夜が壊したおかげで通れるようになり、そこを楓は通過していく。
「あっ!? 待てッ!!」
それを追おうとするが、なにかに気づきすぐさま足を止める。
「大丈夫!? 徹夜」
「……もんだ、いない」
途切れ途切れの徹夜の声。
この表情は辛そうで汗が異様に多く、息も荒い。
つまり、徹夜の使った闇の使い方では異様に体力などがなくなるのかもしれない、
「これはこれは偶然じゃな、影山 徹夜に内藤 美月」
それは、あの老人の声だった。
もうここまで来ると完結に近づいてきたな~て、思いました。
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