74話 戦闘始まりましたよ?
本当はテスト最終日前日なのですが、書いてしまいました。
まぁ、テスト期間は午前中に終わるので勉強する時間もあるんですけどね。
葵さんについてのニュースで娘二人の設定なのに一人消えていたので死んでた人に長女も付け足しました。
響き渡るのは竜の咆哮。
それは、いきなり吠えると思わなかったらしく堕勇たちの不意を着き、ほぼ全員が硬直し…意外と近くに居た勇者たち、つまり徹夜達が、それに驚きつつも反応し堕勇たちの居場所を確認した。
最初に動いたのは楓。
人の姿で竜の咆哮を放った楓の背中では、一部の服が破れたが背中から竜の翼が飛び出し、それをすぐさま羽ばたかせ、空へと飛び立った。
その行き先はさっきまで見ていた都市。
そして次に動いたのは『妖刀』こと葵さんである。
その手には霧のような物が集まり一本の刀へと変化した。
「勝手な行動を…」
するな! と、言うつもりであったろう。
だが、葵の視界の横から靴底が飛び込んできて、それを咄嗟にガードした結果数㍍吹き飛ばされ、地面をガリガリと削りながら葵はやっとの事で、吹き飛ばされた勢いを全て殺した。
そして葵は自分を蹴った人間を睨みつけた。
「…殺してやろうか? クソ犬」
「悪いが、楓の邪魔はさせないさ。
……俺がお前に殺されるわけがないだろ? あの老人に好きで従っているイカれた女なんかにな」
いつものように二人の間でピリピリとした空気が流れ、周りにいる者は面倒な事に巻き込まれないようにすぐさま二人から離れるように動いていた。
「なんでこう、無駄に戦うのかのぅ…」
うんざりとしたように呟いた老人だが、その口からは美咲たちを止めようとして命令を下すのではなく、ただ楽しそうに嫌な笑みを浮かべている。
そこで横…詳しく言ってしまえば、堕勇達は知らないが徹夜たちが居た方向から巨大な光の球とも言える魔力の砲弾が飛んできて、それに反応した堕勇(戦闘状態に入っている美咲と葵に当たる軌道ではないので、二人とも無視しているが)たちは横に跳ぶようにして避けた。
その攻撃を放ったのは銃の銃口を堕勇たちのほうへ構えている和馬。
相当な量の魔力を消費したはずだが、和馬にとっては減っても簡単に増やすことができ、魔力の事を考える必要は一切無い。
「一発行きますかァ!!」
堕勇の上空では、そんな言葉と共に輝いている3方向に刃が別れている槍を、逆さまの状態で下へと向けて構えている奈菜が居る。
その足には空を飛ぶための魔法具を履いており、その手には『聖槍ロザリオ』
「…『天国の十字架』」
放たれた光の塊の突き。
それはピンポイントに老人を狙っていたが、老人の影から飛び出した人形が老人を抱えて横に跳んだ事で回避した。
そして老人は、そのまま楓を追うように方向を変え、跳んでいった。
避けられた事を確認した奈菜は思わず舌打ちをしてしまう。
「奈菜様は女性なのですから、舌打ちなどはやめたほうが良いのでは?」
上空に居るはずの奈菜の上…奈菜は逆さまになっている状態なので、この場合だと足の上と言った方が良いのだろう。
足の上から声が聞こえた。
「ッ!?」
咄嗟に身を翻して手に持っていた槍で防御するために構えると、そこに凄まじい衝撃が走り地面まで思い切り吹き飛ばされた。
魔法具に魔力をさらに込め、風を発生させた勢いで体勢を建て直し無事に着地する。
「……明か」
「いきなり後ろから攻撃して申し訳ありませんが、多分あなたはあの老人を追うでしょうから邪魔させていただきました」
フワリという感じで明が奈菜の前に着地した。
手に持っているモーニングスター(?)を懐にしまうと、明はすぐにチェーンソーを取り出しエンジンをかける。
チェーンソーの無駄にうるさい雑音が、その場に響く。
「老人を追うに決まってるでしょ。絶対にあいつはボクが殺すんだからさ……だから、これ以上邪魔しないでくれる?」
「すみませんが、それには従えませんのでとりあえず一回戦っておきましょう。
その方が速く簡単に終わりますので」
「…いいね。
そのほうがホントに簡単に終わりそうだ」
次の瞬間には二人とも武器を構え、走り出し、ぶつかり合った。
─ ─
そして、葵と美咲。
ずっと徹夜たちが堕勇を襲っているのを無視して二人ともにらみ合っていたのだが、次の瞬間にはどちらも一瞬の内に距離を詰め、美咲の手だけ変化させた結果である鋭い爪の生えた手、そして葵の刀がぶつかり火花が散った。
ここで少し遅いが説明を入れるとして、葵の刀は基本的によく切れる刀という程度であり『意識すれば何でも斬れる』という能力は干渉できるようになっただけで、今回のように美咲の変化させた皮膚が刀で切れないほどの硬さならば受け止めることは可能である。
だが、魔法などは硬さの結界などではなく、攻撃を通過させないなどの効果を用いた結界などは葵の刀で簡単に切断できるのだ。
そして二人とも弾かれるように距離を開け、葵が距離を詰めようとした瞬間に美咲が口を開いた。
「あのニュース見たぞ」
「…」
美咲の言葉に黙ったまま葵は固まるように、動きを止めた。
「警察の方では誘拐されたとか色々考えてお前を探しているんだろうが……お前が自分の家族を殺したんだろ?
数ヶ月間も死体をほっといてばれないわけがないしな。
魔法で隠してたんだろうがソレも、もうばれちまったな」
美咲は続けて口を開くが、葵は口を開くことなく美咲の事を睨んでいる。
「自分の家族を殺すだなんて……お前、やっぱり狂ってるな」
美咲が、葵にそう言った次の瞬間に、美咲はゾワリと何かを感じ、咄嗟に後ろに下がった。
すると、美咲の体が浅く切り裂かれ血がブシャァ…という感じに表して良いほどの勢いで飛び散った。
「…少し反応が遅れたか」
美咲は、出血などの事は気にしていないのかポツリとそんな事を呟いた。
美咲の目の前に居る葵の手に持っている刀には、いつの間にか血が付着している。
「私が狂っている?
そんないわけない……私が狂ってるんじゃない、あの家族の方が私なんかよりも、もっと狂ってたに決まっている!!」
叫ぶように葵は、そんな事を言っているが美咲はそれを気にせずに体を横へとずらす、その瞬間に地面が切り裂かれる。
さっきの場所に居たら体を真っ二つに切り裂かれていただろう。
「無駄なスイッチが入ったな……自分で仕向けた事だが厄介だな」
「殺す!! 絶対にお前を殺す!」
さらに殺気が激しく渦巻いてきている。
だが、その周りでおそらく闇であろう真っ黒な霧が二人を囲むようにして動き、それに気づいた葵は冷静になり、美咲は葵の攻撃を避けるのに集中していたせいか驚いた。
「フハハハハハハハハハ!! なんだ、猿と犬の喧嘩か?」
そんな事を思いっきり叫びながら現れたのは、魔王サマであるルル。
そして、その横には無理矢理つれてこられたのか手を引っ張られている里稲が、嫌そうな顔でついてきていた。
ちなみにルルが言いたかったのは葵と美咲が犬猿の仲ということなのだろう。
「私は他の人と一緒に戦うなんて嫌なんだけども」
「その喧嘩、我らも混ぜてもらおうか!!」
里稲の呟きをルルは無視する。
葵&美咲vsルル&里稲なのか、それとも葵vs美咲vsルル&里稲なのかよく分からない戦いが始まった。
…そして最後に…
「よし、じゃあ俺らは楓を追うか」
「うん。なんか強い堕勇は抑えちゃってるし、弱い堕勇は六人ぐらい居たけど瑞穂くんと和馬くん、あと要ちゃんの三人を囲むように襲ってるけど、弱い堕勇相手なら負けなそうだしね」
そんな感じで一番出るべき人たちは、特に何もせずに都市に向かって走っていった。
俺のクラスメートがポケモン発売三日目の月曜の朝、既にプレイ時間が49時間……どういう事なんだ。
ちなみに俺はもうポケモンはやってません。
誤字・脱字があればご報告よろしくお願いします。