69話 文字数多い!?
今回文字数多いので、誤字・脱字が多いと思います。
本当にごめんなさい。
これは…三日後。
つまり泰斗が最初に和国の王に会ってから7日目……その日、泰斗は和国の王に呼び出され…グレモアからの命令を、今ここで終わりにする時だった。
和国の王の答えは、グレモアにとっての良い様に進んで行く。
つまりは『YES』…別にYESと王が言ったわけではないが、簡単に言ってしまえば、この三文字で終わる。
そんな時である。
……そんな時に、城を守る城壁の一部が、詳しく言ってしまえば正面の門が轟音と共に爆破された。
兵士が慌てて扉を開け、敵からの攻撃を報告する。
それは内部の敵からの攻撃……つまり反乱。
「……あのクソガキか」
和国の王の呟きに泰斗は特に反応することなく、王を見ている。
「この国がお前らに協力する代わりにお前に力を見せてもらわねばな、堕勇のガキ」
「…お任せください」
和国の王の言葉に、泰斗は静かに返答する。
「アレも私から自分の妹を守るために十数年の間訓練し続けていたからな。
そこらの兵士では太刀打ちできないほどに腕を上げた……お前が、私に力を見せるための相手としては十分だろう」
そんな事を言う和国の王。
その間にも爆発音が響き、兵士があわただしく動き回る音が聞こえ、剣と剣のぶつかり合う音と兵士と兵士の戦う怒声が聞こえている。
そして、その慌しい音が段々と近づいてきていた。
一瞬だけ静かになった……次の瞬間には和国の王と泰斗、そして数名の兵士やお偉いさんが居る…この部屋の分厚い扉が切り裂かれ、吹き飛ばされた。
それは和国の王を狙うような軌道だったのだが、その間には泰斗が居り……泰斗にぶつかる前に床から相当大きい水晶が扉(欠片)を貫き、扉(欠片)が砕けると共に水晶も澄んだ音ともに砕け散った。
「さっきのでそこに居るクソ野朗を潰すつもりだったんだがな……泰斗、そこに居て欲しくなかったんだが?」
現れたのはナツメとイブキと数名の兵士。
数名の兵士は後ろから追いかけてきた兵士を足止めにかかり、イブキはナツメの後ろに居る。
「…知るか」
「じゃあ、そこをどく気はないのか?」
「一応、堕勇の仕事なんでな……どく気はない」
その言葉を聞くとナツメは刀に手をかけ、泰斗は自分の腰に下げていた刀を掴むと力を込めて引き、刀を抜いた。
「……ふぅん、友人に刀を向けたくないんだけどな」
「何回も言っているが……いつから俺がお前の友人になった!!」
その言葉と共に泰斗がナツメに急接近し、泰斗の刀とナツメの刀がぶつかり合った。
ナツメの刀はただの刀ではないようで、赤いラインが入っており…強力な魔力が刀に秘められていることを、一目で泰斗は理解した。
「イブキ!! あのクソ野朗は俺が捕まえる……俺が泰斗を行動不能にするまで待ってろ」
「…了解です」
ナツメの指示に従うイブキ。
これは単に後ろから兵士が来ておりナツメ達と共に居た兵士たちは、その足止めのせいで動けないため自然とイブキ一人になってしまう。
そのための指示である。
「……城の中じゃあ面倒だ。外に出ようか」
泰斗がナツメへと手を向け、そこからキラリと何かが光る。
「…っ!!」
それに反応してナツメが刀で防御すると、それごとナツメが吹き飛ばされた。
ナツメは壁に背中からぶつかり壁に亀裂が走り始める……それと共にナツメの口から小さな呻き声が漏れ、壁が砕け散り外に放り出された。
それを追う様に泰斗も外へと飛び出す。
「……本当に残念だ、泰斗」
「今まで本当にしつこかったよ、ナツメ……でも、今日で終わりだな」
「…っ!?」
ナツメの周りには細かい水晶が浮いていた。
それこそ目を凝らさないと見えないほどに細かな水晶……それが小さくメキメキと音を立てながら膨張した。
空中でナツメは身を捻る。
…すると、水晶が膨張した結果鋭いトゲがいくつも生え、そのトゲがナツメの体に触れるか触れないかのギリギリの所を通過していった。
それは夏目の動きを邪魔する役目もあり、そこを泰斗が手に持っている刀で狙う。
「…甘く見るなよ」
次の瞬間には水晶が全て砕け散った。
「…くっ!?」
泰斗が驚くと共に何かに対して防御する。
その瞬間に泰斗の刀に強い衝撃が襲い、地面に向かっておもいっきり吹き飛ばされた。
地面にぶつかる前に泰斗は地面に手をつき、どうにかダメージを食らうことなく地面に着地した。
「本当に…見えるか見えないかのギリギリな所だな」
さっきのはナツメの抜刀術。
泰斗に動きを封じられながらも、どうやら手を動かすスペースはあったようで一瞬の内に泰斗の能力である水晶を砕き、泰斗を狙ったのである。
普通の人から見たら突然勝手に水晶が砕け散り、泰斗が吹き飛んだように見える…だが、泰斗はギリギリで、その剣の動きを見ることができていた。
「そのギリギリな所で防御されたのは、本当に驚きしかないな」
ナツメも、やっと着地した。
なんか俺が書いたにしては空中に投げ出されてから着地までが異様に長く感じたが……まぁ、気にしないで置こう。気にしてはダメだ。
着地した場所は、それなり広く周りを囲む城壁と…さっき落ちてきた城以外には何も無い広場。
兵士達が訓練をするための場所なのだろうと泰斗は考えた。
「……さっきも言ったが、本当に友達とは戦いたくないんだがな」
「悪いが、お前がどう思おうと…俺はお前を絶対に倒す……堕勇だからな。
それに、もう俺を一回は斬りつけようとしただろう……もう割り切れ、面倒だ。それに割り切らないと死ぬぞ?」
「俺を殺そうとしているにしては、優しい事に忠告してくれるんだな泰斗」
「……」
そんな事を喋っている二人だが、その目はふざけては居らず睨みあいが続く。
その手に持った刀が鋭く光を反射している。
「っ!!」
「ふっ!!」
次の瞬間には二人ともダッシュしており、刀がぶつかりあった。
すぐさま刀が動き、さらに何回も何回もぶつかり合う。
「……くっ」
ナツメがバックステップで泰斗から一回離れ、それを追いかけるように泰斗が動くが…いつの間にかナツメは刀を鞘へと納めていた。
そして、ナツメの腕が異様な速さで動いた。
「…ッ!!?」
泰斗がそれに反応して刀を構えるが、一瞬の内に放たれた斬撃一度や二度じゃない。
それらを防ぐために泰斗は自分の周りに水晶を発生させる……それらの水晶が砕けたり、ナツメの刀を弾いて澄んだ綺麗な音を立てたりなどをした。
泰斗が後ろに顔を下げると首の皮が浅く切り裂かれ、ほんの少しだけ血が飛び出した。
それを泰斗は気にせずに刀を飢えへ振り上げ、上段の構えになった。
「……ふッ!!」
刀を振り下ろす泰斗。
その刀の軌道に合わせて水晶が発生し、それこそ刀の軌道にそって尾を引くように水晶の蛇がナツメに向かって放たれた。
「…ッ!?」
それに驚いたナツメは一旦後ろに大きく下がり、それでも居ってくる水晶の蛇を見たナツメは再び静かに刀を鞘に納め、水晶の蛇がナツメに当たる……という瞬間に蛇が砕け散り、細かい破片となって空中を舞った。
空中で光を反射してキラキラと光る様子は、相当綺麗なものだ。
「…綺麗だな」
それに対してナツメはただ単純に感想をのべる。
泰斗は返答することは無く、首についている血を一旦手で拭っている。
それに対してナツメだが、細かく砕いた水晶だが、それでも鋭い水晶の破片は人を傷つけるものでナツメの頬が浅く切れた。
「この刀は祖父から譲ってもらったものだ。俺の身体能力を強化し数段上に無理矢理押し上げる……祖父は俺に譲ったのは、母が遺したアキを守るための力として、だ。
俺は祖父を、最高の人間だと思っている……だが、あのクソ野朗のやろうとしている事は愚かとしか言いようが無い」
「どうした、戦闘中に……」
「過去、他の国で堕勇と勇者の争いに首を突っ込んだ馬鹿共は多いが…そのほとんどが大損害を与えられ、赤っ恥をかく国がほとんどだ」
泰斗の言葉に、いつものように無視するナツメ。
「俺は空気を読んで、黙って聞いといたほうが良いのか? それとも斬りかかろうか?」
「……まぁ、聞いておいてくれ。
まぁ、とりあえずは俺のいいたいことに戻るが……その赤っ恥をかく馬鹿の中に、この国の名前を入れたくは無い……それに、もし堕勇に強力した結果勇者達の国を滅ぼせたとしよう。
その結果はどうなるか……どうせ、堕勇側にうまく使われた後は捨てられるだけだ。
その戦いのせいで、この国の戦力は大きく削られることは当然の事で…そこを他の国に攻め入られる可能性だってある……堕勇が我々を助けるという可能性は低いのに」
「……」
空気…読むよ。
「あの野郎は母が死んでから可笑しくなった……それこそ全てを破壊したがるように、母が最後に残した最高の宝物までも壊そうとした。
だから、俺は絶対に許さない。アキも、この国も、母の人生の一部だというのに……それを壊そうとしている、あのクソ野朗を」
「………」
泰斗は何もいう事は無く、ただナツメを見つめている。
「俺は話したぞ」
「……?」
「お前も話せ」
「………何をだ?」
ナツメの言葉にいぶかしげな顔をしながら、ナツメに尋ねる。
「お前、わざと死ぬか死なないかの所で防御しているだろ? 正直、堕勇というのは性能が凄まじいか先頭では素人だ……つまりは、そういう相手の攻撃に対しての感知などが高い事でもあるんだろうが……。
なんでお前はギリギリまで気づかない? それこそ死のうとしているみたいに…な」
「……」
「黙ったままとかやめろよ、時間の無駄だ」
時間の無駄なら話をするなといいたいところだが……俺は言えないので、どうにもすることはできない。
「………」
そして、わざわざ話のヤツでやるのも面倒になってきてしまったので、これで説明しよう。
徹夜に気絶させられて、泰斗が目覚めたのはグレモアに回収されて、元の世界に連れ戻された後だった。
だが、徹夜と戦う前と戦った後では何かが違う……それこそ、いつもなら自分が殺すのではなく敵と戦っているときに他の人間が死ぬところを見ても何も思わなかった。
だが、自分が殺した結構な強さだった一人の騎士の…最期が目に染み付いてはなれない。
それこそ、徹夜の攻撃が泰斗にかかって勇者召喚の魔法陣の魔法が破壊されていたのだ。
別に意識してやったわけではない……だが、徹夜の闇は全てに干渉することができる。それが泰斗にかかっていた魔法を無意識に破壊したのだ。
別に魔法全体を破壊したのではないので、泰斗の能力や運動神経は元には戻らなかったが…壊れた魔法と共に、老人の支配の魔法も破壊され泰斗は老人の命令に従う必要は無い。
ただ…泰斗は自分で老人の命令に従う。
それは堕勇だから……堕勇だから人を殺したという事実から逃れるために。
「……壊れかけてるな」
「問題ない。自覚している」
改めて刀を構える二人。
「もう…俺から始めた事だが無駄話で、時間とったな次で決めようか……」
「ああ…まぁ、最後に言わせてもらうが……」
今まで、それこそ不機嫌そうにしたことがあったが特に大きな変化を見せることのなかったタイトの表情。
だが、そこで泰斗の顔が悲痛の表情に変わる。
「俺を……殺してくれ!!」
その言葉と共に駆け出した二人。
その切っ先はお互いの命を奪うために、その心臓へと向けられている。
老人のかけた支配の魔法は、ただ自分のいう事を聞かせるようなものだけではなく他にも色々と効果があり……その1つには…『自殺する事はできない』という物があった。
だから、どんなに泰斗が一人で苦しんでいても…それからは逃れることができなかったのだ。
交差する鋭い刃。
そして、それは二人……ではなく、一人だけを貫いていた。
「かは…っ」
口から血を吐いたのはナツメ。
その体には刀が突き刺さっていた。
「お前…わざと軌道をそらしただろ……?」
泰斗の言葉。
その言葉にナツメが辛そうにしながら口を開いた。
「……勝たないといけないと、分かっているが…どうにも刀が横に、ずれてしまった……。
初めての……友達だしな」
ナツメは王子という身分や、その父である王の敵という立場があったせいで城に来る同い年の貴族とは接する事もできず、接するとしてみ身分のせいで親しくすることは無い。
子供の頃から一緒に居るイブキなども地位のせいで、友達と言えるものではなかった。
そこに現れたのが地位なんて気にしない同い年の少年…つまり、泰斗である。
「……」
黙っている泰斗のすぐ近くで再びナツメが血をはいた。
その血が泰斗の服へと飛び散り、赤く染めた。
「ははは…狙ってる所は躊躇なしの刺されたら終わりの内臓を貫かれている……こりゃ、助からないな。
悪いが、最後に頼みがある」
「……なん、だ?」
やっとの事で泰斗の喉から言葉が出た。
「妹を…頼む。
あの、クソ野朗からは…どうにか、守って欲しいんだ。この国が滅んでも、アキに危険は内容に安全な所まで連れて行って欲しいんだ」
「……ああ、わかった」
その泰斗の言葉にナツメは少し笑った後…完全に力なく倒れた。
自然とナツメを貫いていた刀がなナツメの体から抜けた。
泰斗は…血に染まった刀を手に…ただ静かに立っていた。
─ ─
「今回はお前の力を十分に見せてもらったよ」
和国の王がタイトへと言葉をかける。
ナツメのおこした反乱はナツメが死んだことにより勢いが段々と無くなっていき、最期にはナツメを指示していた貴族やしたがっていた兵士なども含め、全てが処罰される事になった。
それこそ堕勇と互角に戦えていたナツメが死んだことは、反乱軍に対して相当大きかった。
「お前らに協力してやる事を決めた……これを報告に戻っても良いぞ」
「……いいえ、戻る必要はありません」
「…?」
「この話で、協力することが決まった場合は魔力を流すだけである信号を出す魔法具によって、今…既に知らせてあります。
ですので、問題はありません」
「……」
「今回の強力してくださる事ですが、念のためとして王族の一人……つまりはあなたの娘であるアキ様を人質としてこちらで預からせていただきます…」
「……お前」
泰斗の言葉に、王が何かを言おうとするが…その前に泰斗が口を開く。
「その代わり、こちらは数名の堕勇を、この国に滞在する事なり時が来るまであなたを守るでしょう。
これは老いぼれ…我々を纏めている老人が決めた事ですので…あくまで使われる側の俺には何もすることはできませんので」
泰斗は…ただ表情を込めることなく、そんな事を言った。
無理矢理すぎる気もしましたが…まぁ、俺の小説だから仕方が無いんじゃないでしょうか……。
文字数が多くても結局はぐだっています。
誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。