67話 合計200話突破
今回は201部…つまり第1~3章あわせて200話を突破しました。
途中で番外は入れることは考えておりませんが、とりあえずはここまで続けたのは、あなた方がお気に入りに入れてくださり、俺が調子に乗った結果です。
ありがとうございます!
「ふッ!!」
泰斗が刀を横一線に振るうと、それと同時に目の前に居た一人の敵の体が上下に裂け、少しの間浮遊したあとドサリと音を出しながら地面に落ちた。
そしてナツメのほうでは、ナツメは刀を抜いておらず次の瞬間には三人程度のヤツラが一斉に襲い掛かっていくのだが、次の瞬間には一斉に襲い掛かっていた全員が体を切り裂かれ力なく倒れていった。
そして襲い掛かってきたヤツラが地面に落ちる音意外は静かなのだが、そこにキィン…という静かな金属音が響く。
それはナツメの腰に下げられている刀からなっていた。
「ギリギリで見えるか見えないかの速度だったが……抜刀術みたいなものか?」
「ん、そんな所だ。
……この国の先代、つまり祖父から教わったんだ。これでも一応強いんだぞ? まぁ、剣以外はそれなりに速いだけで、剣速が異常に速いだけなんだが」
そんな事を言っている間にも、襲い掛かってくるヤツラ。
どうやらイブキもこの程度のヤツラよりは強いらしく、アキをかばうようにヤツラの内の一人とアキの間に剣を構えて立ち、襲い掛かってきたヤツラの刀を自分の刀で受け止める。
相手の刀の刃の側面を自分の刀を流すようにして、自然な動きで次の瞬間には敵の首を飛ばしていた。
そして今気づいたのだが、アキは目隠しがされておりアキはこの光景が全然見えないようになっている……何故か異様に手馴れている。
それこそ、襲われるのが今まで異様に多いという事がわかるぐらいに……。
「ん?」
泰斗は周りの事を無駄に気にし過ぎたせいで後ろから襲い掛かってきたヤツラの内の一人に、今気づいたのだが…それは少し遅く、刃は目の前に迫ってくる。
それに対して泰斗は刀をそれに対して防御に使うのではなく、少しばかりの傷を負うのを考えずに相手の心臓を刀で確実に殺すために狙う。
「っと…」
だが、それは多分…良い意味で予想外のことがおきた。
それはナツメが横から泰斗を狙っていた相手の刃を上に跳ね上げた事で、次の瞬間には泰斗の刃が相手の胴を深く切り裂き、一瞬の内に命を奪う。
「……元勇者にしては警戒心が無いんだな」
「…お前もな」
泰斗が言うと同時に上からも含めてヤツラが数人、ナツメに向かって襲い掛かってきていたが次の瞬間にはナツメの周りの地面から生えた水晶がジグザクに進み、全てを貫いた。
「いや、これはお前を信じているからほっといただけだぞ?」
「……言い訳がましいな」
「そう思ってくれても構わないさ」
ナツメがニヤリと笑うが、その顔は嘘を言っているものではなく、泰斗に本当に信じていたのかもしれないと思わせるものである。
「……本当に嫌な意味でお前は最高なヤツだよ」
「そりゃ、どうも。 ……まぁ、話しているのも良いが…とりあえずはこれも終わらせようか。
どうせ、こいつらを送ってるのはあのクソ野朗だしな…」
─ ─
これは二日後である。
「……あの無駄な刺客はあなたの差し金ですか」
「質問ではないのだな」
泰斗の目の前に居るのは、今泰斗が居る国の王……そして、ナツメの父である。
「……ナツメが『あのクソ野朗』とか言ってたのであなたしか居ないのでは、と」
「ふむ」
泰斗もナツメのこと名前で呼ぶようになってきたな。
時間と共にどんどんと馴染んできたかな?
「あれは堕勇の力を試すのと…邪魔者を消す二つの意味で送った刺客だ」
「…邪魔者?」
泰斗は純粋な疑問の言葉を口にした。
「ふむ…お前はこの国の内部のことは知っているか?」
「……いいえ」
「では…一応教えておいてやるが、この国の内部は二つに分かれている。
他の国へと侵略などの攻撃的な事を優先的に考える私をはじめとする攻撃的な貴族達と、それらの攻撃的なものではなく今のままの現状維持を望むナツメをリーダーとしている貴族達。
つまり私たちは親子であっても親子ではなく、敵同士という事だ」
「……」
和国の王の目は、嘘を言っているものではなく完全に自分の息子を敵と言い切っている。
「つまり、あえて言ってしまえば……今のお前は微妙な立場に立っているという事だ。
お前達堕勇の提案は完全に私たちのほうへと入る。
だが、お前が今…この国で高確率で共に行動を一緒にしているのは誰だ?」
「……」
「つまりは、そういう事だ……行動するものは考えたほうがいい。
お前の行動で、この先どうなるかが決まるかもしれない」
この会話をしている二人の周りでは、兵士が刀に手をかけながら立っている。
やはり警戒されている。
「…そういう事はナツメとは一切話はしていませんので、あなた方の敵になる可能性は無いです。
俺は、あのご老人の命令に逆らえませんので…」
「……ふむ。それなら良いのだが」
「では…」
泰斗は和国の王の返答を待つわけではなく、すぐに振り返り部屋を出るために歩き出す。
そして何も言われるのでもなく、何もいう事は無く扉から部屋を出た泰斗。
「……なんか面倒な事になったな」
「悪いな。無駄なものに巻き込んでしまってな。
だが、最初から俺はお前を巻き込むつもりで話しかけたのではなく、本当に話を聞きたかっただけなんだがな」
泰斗の後ろからナツメの声が聞こえた。
「……知るか」
振り向かない泰斗は、相変わらずイラついたようにナツメへ返答した。
そろそろ話を進めてもいいかな…と。
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