20話 休日あり、乱入者あり
前回のあらすじ
罠に引っかかり
飛ばされ、戦い
一応勝利だ
今日は休日だった。
それはいろんなことが起こり、とても有意義だった。
当然あの追っ手もいて逃げまくった。
そしてトゥルスさんとトミーさんとも仲良くなった。
二人は大会が終ったから久しぶりのお酒だそうで俺はお茶を飲んでいた。
二人とは、こんな感じの会話をしていた。
「俺、ときどき思うんですよ」
「「なになに?」」
二人とも聞き上手だった。
「ラルドさんのにっこり笑顔が怖いって・・・」
「「・・・・がんばれ」」
二人ともなんともいえない顔だった。
そこでトミーさんが口を開き。
「じゃあ、今度息抜きにでも俺らと一緒に依頼でもするか」
「いいですね!それ!」
俺はとても大歓迎だ。
トゥルスさんは「じゃあ、今度こちらでもしよう」と誘ってくれた、
俺的に、これは結構嬉しいお誘いです。
そこでトゥルスさんとトミーさんが固まった。
恐怖にゆがんだ顔で・・・・・・。
「そこの二人~、さりげない勧誘はやめてくれないカナ~。こっちのメンバーだヨ~。
徹夜くんは悪い人が相手じゃなかったらガードが緩いんだからサ~・・・」
ラルドさんの声だった。
後ろを見なくてもわかるニッコリ笑顔のラルドさんがいるだろう。
「と、そこの一人~」
うわわわ!
背中に感じるヒシヒシとしたなにか・・・これは完全に脅威以外にほかはないだろう。
「さりげない勧誘にのせられたんじゃないんダヨ~・・・」
その言葉とともに俺の顔が両方からガッと掴まれた。
そしてすごい力で引っ張られていく。
「ひいぃぃっ!!助けて!二人とも!Sランクでしょオオォォ!!」
その言葉を聞いて二人は『まぁ・・・うん・・・がんばれ・・・』という視線を向けてきた。
ひどいよぉぉ!!
ひぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!
─ ─
うう・・・ひどい目にあった。
俺がなんとなく宿に戻ってきた。宿の食堂みたいなところでわいわい話している人は多く、そこにエミリィ、ラウ、ライル、ラルドさんがいた。
(ラルドさんは普通の顔で座っているけど、なんともいえない恐怖を感じる)
そしてエミリィがすごい勢いで笑っている。
「どうしたの?」
とりあえず尋ねてみた。
そしたら新聞のある部分を指差していた。
とりあえず読んでみよう。
『◎×新聞
今日も新しいニュースですよぉ~、のコーナです。
今回のニュースは大会に出てきたCランクの男です。
異名というのは目立ったことをすると勝手につけられるものですが、どうやら勝手につけられてしまったみたいです。
え~っとですね~。
聞いた話だと『黒の破壊者』(指差していたのはこれだ)というものですね。
(正直な話、とても恥ずかしい)
とてもおもしろい・・・はずかしいですね~。まぁ、異名というのは最初は恥ずかしいものです。誇って振り回す人もいますが(エミリィのことだろう)
まぁ、ゴーレムを片っ端から破壊したりしてれば当然とも言っていいんじゃないでしょうか。ストレス発散にも使ったんじゃないですかね?(否定は・・・できない)
まぁ、今回は他にはとくにはありませんね。
あとはいつも勇者様がある人物を追い回してるという噂がある程度でしょう。
では、バイなら~』
よし!穴に頭から入ってこよう!
ラルドさんに羽交い絞めにされてできなかったがとても恥ずかしかった。
ちなみにトゥルスさんは『雨水』という異名らしい。あの人の本領発揮は雨の日だというらしい。(または自分で雨を降らしてるとき)
たぶん俺が破ったあの技のほかにもっと強力なのがあるのは間違いないだろう。
あとトミーさん。
あの人は『斬風』と呼ばれているらしい。
風のように速く、鋭く斬られるらしいね。見てみたいなぁ…。
ああ、もうやだ・・・。
うん?てかさ
他の人ってほとんどが二文字なのになんで俺だけ五文字…?
─ 次の日 決勝 ─
ということで、次の日だ。
当然俺は眠いが引きずられて会場まで来ていた。
前みたいに『空間移動』せずにここの会場で行うようだ。
相手のギルドは『折ることのできない剣』らしい。
基本的に素手の俺にとって厳しいだろう。ん? そしたらトゥルスさんの時もそうか。
うん、問題なし。
ちなみにエミリィは今回出場しない。
原因は怪我だ。あしをくじいていたがどうやら骨折していたらしい。
魔法で治療をしたが数日間は激しい動きはしないほうがいいから決勝は断念したということだ。
まぁ、とりあえず決勝だ。
相手は五人。そのうち二人がSランクだそうだ。
という事で片方は俺に任されたわけだ。
相手の装備は剣一本にかるい服。俺と同じようなものだ。
まぁ、俺は剣二本だけど。
『はっじめ~ッ!!』
という事で開始しました。
ラルドさんはエクキャリバー・・・じゃなくてエクスカリバーを構え、ライルは相当の速さで移動してる。
俺はゆったり歩いている。
相手の五人も剣を構えこちらに走ってくる。
そして…
二チームの間で爆発が起きた。
「・・・?」
俺はただボ~っとしているだけだけどね。
そしてその爆発してるとこには二人の男が立っていた。
肌が黒かった…魔族だ。
そして遠いところでは金属のぶつかるような甲高い音が響いてきた。
そちらをみてみるとカイラを狙う女の魔族(前にお偉いさんを殺したやつだ)がいて…そいつは剣を握っていた。
その剣を折れてしまうんじゃないかと思うほどの細さ剣で受け止めている美月がいた。
「『古き剣』、世界の五本指に入る名剣の一つですな」
隣でラルドさんが美月の握る剣のことを言っていた。
そして魔族はあきらめたらしく後ろに跳んだ。一回跳んだだけで闘技場の真ん中までくるという凄さだ。
Sランクの上位あたり(またはそれ以上)の実力だろう。
「第一ターゲットは諦める。第二ターゲットに移るぞ」
魔族の女の声が聞こえた。
そして二人の男は「ハッ」という声を出していた。
女が口を開いた。
「・・・『闇』よ」
その声とともに魔族の女の足元から闇が広がり、俺達のギルドのチームともう一つのギルドのチームを飲み込んでいく。
「強者を狩る時間だ」
そんな女の声が聞こえた。
誤字、脱字があれば報告宜しくお願いします
2012/06/04 訂正しました