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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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63話 HAHAHA!!

テスト期間だったのですが無駄に長く休んでいて、なんかサボったような気がします。

本当にすみません。

それは十二年前の魔界のことだった。


その頃のルルは……その前に、一応説明するとして現在のルルは偶然にも徹夜達と同い年である17歳なので、当時のルルは五歳。

そしてニィはルルの二つ下なので3歳である。

ルルの父は一応勇者、そして母は魔王であり…勇者様だった父は、説明はしてなかったが同じく勇者であった勘島 得ことカントクと仲が良く、親友とも呼べるような仲だった。


そして、その日はニィが三歳になる誕生日の時だった。

勇者父、魔王母…ルルの三人にカントクも合わせて、ニィの誕生日を祝うためにパーティーのようなものを開いていた…その代の魔王様はそれなりに評判はよく、その子供であるルルやニィも好かれ、その誕生日も祭りのような物が開かれていた。

その祭りの行事は昼の内に終わり、カントクも含めてパーティーのようなものを開いたのは夜だったわけである。


そんな夜。

変な老人こと(10年以上前でも、まだ老人と呼べる年である)グリモアが襲撃してきた。

『妖刀』こと葵などが言ったとおり、この老いぼれは勇者が数人いても、倒せるような力を持っている。

だが、『勇者』は強さの成長に上限が無い……つまり長く生きれば、その分だけ強くなるわけでもあり、当時のカントクと勇者父は20歳代。

それだけでも、相当な強さにはなっている。

そして魔王母も居るわけであり…当然、カントクと勇者父そして魔王母の三人は倒すことはできなくても、相手を逃亡するまでに追い込むことはできる。


そう考えていたのだが、ソレが全てひっくり返された。

戦闘の後に残ったのはルル達が居た城は半壊し、都市の中心としての機能を持っていた城だったが完全に使うことができなくなった。


そして片腕を失った勇者父と片足を引きずり気味の魔王母……そして何か特別な武器で攻撃された結果、莫大な量の魔力を使うことができなくなったカントク。

その三人とも全身ボロボロになっており、ルルとニィは戦闘の途中で何処かに隠していた。


だが、五歳のルルはともかく二歳のニィは隠れ続けることはできなかった。

飛び出したニィを追いかけルルも飛び出す。

その結果狙われたのは、最初に飛び出したニィで…ニィを狙った攻撃をルルがニィに飛びかかる形でニィを守る。

その時に回避しきれずにルルに攻撃がかすり…その攻撃の魔力がルルの体に入り、後々10年以上ルルを苦しめる『呪い』となる。


それを見たカントク達三人は焦った様子で何かを話し合い…カントクがルルとニィを抱えて城の外へと走り出す。

そして……次の瞬間には光が全てを覆いつくし……。


…光が収まった後には何も残らなかった。




 ─  ─


「…という事があったのだ」


「…はぁ、そうですか。

……でも、今こんな状況でソレを話す必要は無かったと思うんだけど」

俺はルルからそんな事を聞かされているが…状況は最悪。

俺の左腕からは血が滴り落ち、力を入れると少し辛いのでダラン…と、力なく垂らしている形である。


目の前には、さっきまで襲い掛かってきた10匹ぐらいのクソ猿共。

そのクソ猿どもは全員床にのびているか死んでおり、そいつらは全員無事に叩きのめしたのだが…問題なのは、新たに介入してきた少し大き目の白い毛の猿である。

クソ猿どものボスだったようで、俺がクソ猿どもを叩きのめしているときに近くで隠れており…俺が最後の猿を殴り殺そうと一発目を猿に入れた瞬間に後ろから不意打ち。

その結果、ビックリした俺は慌てて腕で防御をしたが鋭い爪が突き刺さり、その後噛み付かれて…肉を噛み千切られた。

相当痛い。

ルルが言うにはSSランク。

聞いた話ではいる魔物はAランクからSランクまでという事だったのが……なんで無駄に強い奴がいるんだよ、って話です。


しかも腕は使えなくなった左腕とルルを抱えている右腕…つまり腕が使えません!!

…なので、慣れていないのでおぼつかない様子で足技で戦っております。

だけどねぇ…なんかフェイントをまぜた攻撃は余裕で避けてくるくせにフェイントなしでのストレートな攻撃をするとギリギリで避けるんだよ…あの猿。

俺的にこう思っちゃうわけだ…『お前の無い脳ミソで考えたフェイントなんて先読み余裕過ぎて当たらんわ~ッ!! HAHAHAHAHAHA!!』って感じで馬鹿にされてる気がするんですよ。

絶対、これは潰してやろうと思う……俺の勝手な被害妄想(?)な気がしたが何かイラッと来た。


「…ッ!! オラ!!」


「むぉうッ!!?」

俺の短い掛け声と共に、ルルの驚く声。

俺が思いっきり回転して回し蹴りをしたのだが、その結果背中の上に居るルルが振り回され声をあげたのだが…もうこれは何回も続いてることなので無視しようと思う。


とりあえずは、その回し蹴りを白猿はしゃがむ形で避け、俺の顔に向かって手を突き出してくる。

俺はソレを顔を横にずらすことで避け、白猿の足を払い転ばせて、相手の足を払ったときの足の勢いに乗せて、すぐに立ち上がった後足を振り下ろす。


「死ねぃ!!」

そんな物騒な事をいいながら振り下ろした足だが、白猿はギリギリの所で避けて、すぐに俺から離れていった。

無駄にすばしっこいから嫌だ。

猿は何かをぎゃあぎゃあと騒ぎながら再び接近してきて、俺の顔に向かって飛び蹴りを放ってくるのだが、当然ソレを俺は避けるわけである。


「ぐぅえッ!?」

避けたのだが…尻尾が俺の首に巻きついてきた。

後ろに引っ張られる形になり後ろに倒れそうになるが…


「おぅ!? そのまま倒れるなハゲヤマ!! 我が潰れる!!」

うん、ルルが居たんだったよね…今まで忘れそうになってたけどさ。

一応、病人だし潰すわけには行かないよね…まぁ『呪い』だけど。


「景山だ…ッ~!!」

潰すわけにはいきませんので、ここは無理して左腕で自分の体を支える。

そして力いっぱい腕で体を押し上げ、普通の体勢になったあとに…左手で尻尾を掴む。

もう傷の事を気にしていると面倒だ。


「せぇいッ!!」

掴んだ尻尾を思い切り引っ張り白猿を床に叩き付ける。

その後、左足を振り上げ踵を思い切り振り下げる…まぁ、つまりは踵落としなわけだが、ソレを当然しろざるはよけるわけであり、後ろに下がった猿のせいで俺のかかとは猿を砕くことなく床に激突する。


「…っと」

だが、床を砕きはしない…砕く前にスタッという音共に足が普通に床につき、俺はその足の重心を移して、さっきまで体を支えていた右足を振りぬいた。

白猿の横っ面を捉え、吹き飛ばされた猿は壁に激突する。


「どっせぃ!!」

そんな奇声を放ちながら壁に激突して壁に倒れ掛かっている白猿の顔に向かって…ドロップキックをおみまいした俺。

猿の後ろの壁を砕きながら猿の顔も砕く俺のドロップキック。

うむ、仮面ライダーにも負けるとも劣らない威力である。


「うおぉ…蹴られた後の猿がグロいな」

そんなルルの呟きが耳元で聞こえたが無視。

ちなみに、俺の脳内ペイントによって倒された魔物は目がバッテンかグルグル回っているかの二つで伸びている状態に修正されているが現実的には頭が潰れてグロいことになっている。


「さて…ルルの体のことを考えて速めに行くか」


「その割りには、カゲヤマは異様に体を動かしていたな」


「……しょうがないだろ、戦ってるんだから」

あれ…なんかちゃんと俺の名前が呼ばれた気がするんだが…?

……気のせいではないよな? まぁ、そこまで気にする必要はないことなんだけど……。


「ちゃんと俺の名前を正しく呼んだな…」


「…おお、我自身気づかなかった!!」


「………今までのハゲは素だったのか」

まぁ、そんな感じで走り出した俺である。




 ─ カット!! ─


「意外と速くついたな…」

なんか場面の変わりに余計な文字が見えた気がしたが無視…そしていつもの疑問だが『場面の変わり』とはなんなんだろうか?

いつも俺は変なことを考えている気がするが、これだけは何なのかが理解できない。


「やっと来た、徹夜~~……って、どうしたのルルちゃんは?」

ちなみに美月たちは先についてた。

美月たちが通ってきたであろう道には変なもの(徹夜は知らないが、あの骨の猿である)が異様な数で転がっている。



「ん~、なんか薬が必要だそうだ」


「薬?」

そんな俺たちの会話はともかく、ニィは慌ててルルに駆け寄りポッケから取り出したケースの中身をルルに飲ませている。



「ぬぅ…ナイトウにも結局、こんな姿を見られてしまったからな。

言うべきか?」


「別に悪い人ではないし…問題ないと思うけど?」

ルルとニィの会話である。


「いやぁ…こっち大変だったんだよ? 小さな猿が100匹以上追いかけてきて……」


「こっちは…」

美月と俺は無駄に今までの道のことで話しており……。


「あれ? 徹夜、髪の毛縛ってないけど……?」


「あ、忘れてた」

髪の毛縛ってないのは継続だったりします。


「カゲヤマ、ナイトウ…外を見てみるといいぞ」

そんな会話をしているときにニィの背負われているルルが外を見るように促してきて、俺と美月はそれに従って外を見ることにした。


「…綺麗だね~」

美月の言葉。


そこは城の一番上の場所で外を見渡せるようになっていたのだが、暗い雰囲気のはずの外の森は綺麗な光を放つ何かが何百、何千と空を飛び幻想的な風景が広がっていた。

俺ってこういうの苦手だから完璧には表せないが…まぁ、そこはイメージで……。


「あの光は蛍のような魔物が放つ光でな…一年に数回しか光らず…今日がその数回の日というわけだ。

この風景は母が好きで、何回か母が生きていたときも来ていたのでな…我とニィだけになっても、毎年来ていたんだよ…」

ルルが、そんな事を俺たちに向かって呟いた。


「……綺麗、だな」

まぁ、とりあえずは綺麗だったのだ。

というか、美月もニィも俺の左腕に怪我してるのに対しては何にも言わないんだ。

なんか目頭があつくなるね……いやマジで。




 = =


これは二日後である。

…だが、徹夜視点ではない。

それは徹夜が中継としルルや奈菜と会った世界でもある。

その世界には異様に日本に似た国が存在し、その国は軍事的に進歩し、徹夜達の居る国を除くほかの国などと比べると、ほぼトップに存在するような国…『シパング』である。


その国の王都となる都市。

その都市の中心には今までの洋風の城ではなく、やはり日本と同じく和風の城…木製だが、いくつもの魔法が積み重なり、石の城よりも何十倍も強固な城である。


そんな都市からはいくつもの煙が上がり、兵士達があわただしく動き騒がしいことになっている。

そして、その城の内部。



にらみ合う形で二人の少年が対峙している。

片方は堕勇…『水晶』である都堂 泰斗である。

そして片方は肩まで伸ばしてある赤い髪の毛を下ろし、やはり日本に似ているので持っているのは日本刀。


その二人の少年が何かを話した後に…両者とも一気に刀を構えて急接近した。





次の瞬間には片方に刀が突き刺さった。




誤字・脱字があればご報告よろしくお願いします

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