19話 サバイバルファイト。俺の疑問は捨てておこう
前回のあらすじ
おれは美月とかに追われ、逃げまくった。
とりあえずラウを引き離したものの、まだ追ってきそうなのでジョイツさんとかに連絡する。
そして美月とカイラを撃退した。
今日は大会二日目(休みを入れたら三日目)
今日はサバイバルファイトみたいな感じ(サバイバルとはいえないかもしれない)
広いフィールドで3組のギルドが遭遇したら戦えって感じだ。
まぁ、ずっと隠れてるのもアリらしい。
隠れてたら10分隠れる毎にポイントが消されていくという感じだ。
ポイントが一番多ければ決勝、または他全員を倒せれば決勝進出だ。
二試合あり俺達は二番目だ。
だから午後になるというわけで俺はこんな考え事をしながら、ぼーっとすごしたりしている。
ラルドさんとかは素振りをしたりしているが、基本的におれって素手のほうがやりやすい。
「ひど」「すぎ」「「ないか?」」
こんな事を考えると剣の中の双子さんさんが、こんな感じの事を言ってくるのだが気にしない。
気にしたくないし気にするわけがない。
まぁ、そんな感じでいこうじゃないか。
前の世界では素手で全滅(主にチンピラとファンクラブ一同)させてきたから、一番やりやすいのはこれなのだ。
というかさ、さっきの剣の中の双子さんさぁ~……喋り方めんどくさくね…?
「・・・」「・・・」「「・・・・・」」
ほら、この通り・・・めんどくさいよね、なんか。
まぁ、癖なのだろうからしょうがないんだろうけど。
ちなみにこの世界にはSランクは総合で150人。
Sランク内でも力の差はあるが(土人形とラルドさんを比べればわかる。ラルドさんは土人形の50倍以上の強さだ)、全体から比べると少ない。
そしてその上にはSSランクというものがあるらしく。
現在では5人しかない、しかもその全員が戦争には興味がないというものばかり。
というか、こういうギルドに入ってるものは全員といっていいほど戦争には興味がない。
ちなみに俺もその一人だ。
うん、まぁ。考え事も終ったし・・・。
寝るか!!
─ 午後 試合2分前 ─
という事でこの時間になった。
寝るのは得意だ。
横になれば0,1秒もしないはずだ。
のび多くん(『多』は一応漢字をちがくしました)にも勝つ自信があるからな。
たしかあいつは0,8秒程度で眠るはずだ。
「いつまでボーっとしてんの!早く行くよ~」
エミリィが声をかけてきた。
正直眠いがとりあえず行くかな。
どうやら試合も終ったらしく、もうウジャウジャと観客が次の試合を待っている。
『さぁて、始まりました!本日二試合目です!
今回は~!『空を飛ぶ鳥』・・・『青い剣』…
『疾風の翼』という、有力だけのバトルです!これは期待が高まります!!』
…と、こんな感じのことを司会が言っている。
『今回では、Sランクが多く出場する中、Cランクの選手が目立っています!
インタビューをうけてくれないので、調べてみたところ、え~、名前は「通行人A」さん!・・・これは偽名ですね~!なんとも腹立つ名前をつけたのでしょうか!
モンスター映画でモンスターに食われてしまうような通行人Aになればいいのにッ!!』
なんか微妙な事いってるよ、この人。
ん・・・?悪口かッ!!悪口なのかッ!?
悪口だったら殺してやんよ?
『まぁ、そんな事はおいときまして、試合を始めます。
試合の舞台は無人島。大きなスクリーンに戦いの様子が映し出されますよ~』
どうやら移動するらしい。
スクリーンといっても大きな鏡に映るという不思議なものだ。
『という事で各チームの前においてある水晶に手を乗せて下さい』
一つチームに一個ずつ水晶があった。
言うとおりに手を載せてみた。
司会が全員が乗せた事を確認すると…。
『では移動させていただきます。移動した瞬間に開始なのでお気をつけて
では~『空間移動』!!』
その声が響くと同時に青い光が俺達を包んだ。
次の瞬間には無人島らしきところにいた。
たびん相当の広さだろう。
「よし、いってみよ~」
俺がめずらしくやる気を出して一歩歩くとカチッという音が足元から聞こえた。
『ああ、島には罠があるのでお忘れなく~』
どこからかケラケラ笑うようにそんな声が聞こえた。
次の瞬間足元が爆発した。
そして俺達は空中に投げ出された。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」俺の叫び。
「ミョアアアアアアアアアアア!」エミリィ。
「たのしいかもしれませんな、これは」ラルドさん。
「・・・自分で体験してみるとなかなか恐ろしい」ライル。
なんかあとの二人だけ冷静だった・・・。
うあああ~~!!地面が迫ってくる。
ということでクルッと回って着地。
上を見てみると・・・。
「きゃああああああ!!」
エミリィが落ちてきた。
「あぶなッ!!」
とそんな感じの声をだしながらも、とりあえずキャッチ。
ありがとう、といいながら降りるエミリィ。
ふぅ~・・・エミリィの顔が赤くなってたけど、気にしねぇぜ・・・。
「どうやらラルドさんたちとは別れちゃったみたいだ」
「うん」
そんな感じの会話をしながらとりあえず歩く事に。
う~ん…普通あまり遭遇しないようにとか、先に見つけるとかそんなことは気にしないのかな~。
と、次の瞬間轟音が響き。
「キャフッ!!」
エミリィの変な悲鳴が聞こえた。
そちらをみてみるとエミリィが吹っ飛ばされ目を回している。
そしてその横には同じくたおれて気絶している男。
あれは、『疾風の翼』の俺とレースをしたNo,2だったやつだ。
捨て身の攻撃か・・・?と一瞬思ったが違うようだ。
「これはすまない、私が吹っ飛ばした先にまさか人がいるとは・・・」
その声が聞こえた。
そちらを見てみると青い鎧を着て剣を持っている男がいる。
顔には鎧を着ていないので顔が見えていた。
うん、ワイルドなかんじ。
「これはあんたが・・・?」
「ああ」
短く答えが返ってきた。
これは、やっぱり場面から考えるに・・・。
「ふむ、『青い剣』か・・・」
男は俺に向かって剣を構え口を開いた。
「チームリーダー、トゥルス・トーマンだ。
お相手しよう」
ふむ、雰囲気が違うね。
『お~っと、『青い剣』のチームリーダーと『空を飛ぶ鳥』のCランクの通行人A(とりあえずこれで呼ぶことにした)が勝負をするようだ!CランクはSランクに勝てるのか~ッ!!』
どうやらあいてはSランクのようだ。
場所が移って
「徹夜くんはトゥルス・トーマンと遭遇してしまったのか・・・」
ラルドさんはこんな感じのことを言っていた。
「あの人は強いからな!」
この声はラルドさんとレースをしていた『疾風の翼』のリーダー、トミー・キークソンだ。こちらもSランクである。
そして二人の周りでは金属のぶつかり合う音がすごく多い。
火花が何もないところで散ってるように見えている。
目に見えないほどの速さで攻防を繰り返しているのだ。
相手の速さでは相当のもので、速さだけの勝負ならラルドさんも負けているだろう。
だが、ラルドさんは先読みをして動いているため、その差を埋めているというわけだ。
そしてその周りでは他のB~Aランクの奴 3名ほどをライルが一人で相手をしている。
速さ優先のギルドだがなかなかライルの早さには追いつけていけていない。
場所が戻って
「では、いくぞ。」
その言葉とともにいくつもの突きが襲ってきた。
あのときの魔族の女と同じように早くて一瞬でいくつもの突きを繰り出されたように感じる…けど、それを一つ残らず防ぐ俺も俺でおかしい気がする。
たが頬にチッっとなにかがかすった。
そして。そこには傷ができ血が少し出ていた……相手の剣は全て俺の二つの剣ではじいてるはずなのに。
「なッ!?」
俺がおどいてる間にもそれが体中でおき、いくつもの小さな傷が増えていく。
なにかキラッとひかるものがいくつもみえた。
「むおッ!?」
足元の何かにつまずき倒れそうになるのを、倒れないようにふんばった。
次の瞬間に・・・。
「でぇいッ!!」
相手のそんな声を聞くとともに、俺の腹に衝撃が襲った。
青い鎧の手が見えた…相手の拳だ。
「ぐふっ!!」
それだけで吹っ飛び後ろの気にぶつかり木を2本程度なぎ倒しながら進み…やっと止まった。
相当痛かった。これがあの土人形と同じSランクなのだからビックリだ。
あの小さな傷を作ったものは何だったのだろうか。
するとトゥルスの周りにあったキラキラと光る小さなものを思い出し、『青い剣』が水属性の魔法が得意なのを思い出した。
「わかったッ!!この小さな傷は水滴のせいかッ!!」
俺が飛び起きながらそんな事を言うとトゥルスはすこし笑い。
「ほんの短時間でこれがわかるとは見事としか言えんな」
さっきの小さな傷は水滴が弾丸のように飛んできて俺につけたものだったのだ。
むぅ~、ほめられてるのはわかるんだけど・・・さっきの一撃で俺もやり返したくなったんだよなぁ(若者の性だ)
まぁ、数倍返しにさせてもらおう。
「相当痛かったよ・・・。さっきのパンチ・・・。
あんたには悪いが徹底的にやらせてもらうよ。プライドも体も再起不能にしてやんよ」
「ほほぅ、面白い」
またニヤッとわらうトゥルス。
ホントにやってやんよ。
一瞬でな~ッ!!(微妙に相当いらついています)
ダッという音を出しながらすごい勢いで走ってくるトゥルス。
「『火の球』」
俺は手の上に大きな火の球を造りそれを投げる。
「それごときで私がとまると思うかッ!!」
そんな事をいいながらそのまま突っ込んでくる。
でも、ちょっと違うんだな~。
俺は二本の剣を同時に投げる。
火の球に向かってだ。それは剣が刺さると同時に爆発する。
二本の剣は俺の横を通って飛ばされていった・・・あぶねぇ。
(自分の剣のせいで負けたとか言ったらシャレにならない)
俺の目的はプライドをまず壊す事だ。相手の技を潰す。
あいつの戦い方のあの水滴をさっきの爆発で吹き飛ばした。
「私の魔法攻撃を崩すのが目的だったか・・・」
それに気づいたらしく、そう言いながらもこっちに剣を構えせまってくる。
俺が攻撃範囲に入ると同時に相当の威力であろう突きをしてくる。
そして・・・
俺は、その剣をへし折ってやった。
「なッ―!?」
やった事は簡単で、まっすぐ迫ってくる剣にあわせるように手をクロスするように交差させて両側から強い力を加えへし折った。
これは相当難しいと思う。タイミングがずれると串刺しになってしまうしね。
ふむ、これでプライドをへし折ってやったかな。
そしておれは手をクロスした状態から裏拳を放つ体制に入った。
「・・・見事」
ふむ、どうやらプライドはおる事はできなかったらしい。
ちょっとショックだ。
まぁ、自分の技を破られたのだから相手もちょっとはショックだろう。
次の瞬間には俺の裏拳が顔目掛けてとび。トゥルスは横に吹っ飛んでいった。
「むぅ~。体は再起不能にできたんだけどな~・・・。」
そういって俺は動く事にした。
木に刺さっていた俺の二本の剣を木から抜いて鞘に収める。
そして、振り返ってみるといつのまにかエミリィはおきていた。
「んぁ~、大丈夫?」
俺が変な声を出しながらも尋ねてみた。
「・・・足をくじいたみたい」
そんな事をいいながら足を押さえていた。
うあ~、少し腫れてる……痛そうだな。
そういうことで…。
「え、わっ!なに!?」
俺はエミリィを抱えたから、いきなりの事にビックリしたようだ。
「いや、ここさっきのでもしかしたら近くに敵が来るかもしれないから移動しないといけないし、ここは俺が運ばせてもらうよ」
そいうと こくり とエミリィはうなずいたので俺は走る事にした。
そして少し走るとラルドさんが見えた。
そこにはレースをしていた人が気絶してたおれており横ではライルが息を切らして立っている。
遠くに3人ほど倒れていた。
「徹夜くん、トゥルスに勝てたのか。む?エミリィはどうしたんだ?」
足をくじいたらしくてというとラルドさんは ふむ というと包帯やら何やらの入った袋を取り出し応急手当をしていた。
そして…。
「じゃあ、またお願いするね徹夜くん」
また俺がかかえさせられていた。
はぁ、なんかもういやだ。
なんか、こういう何かを運ぶ仕事ばかり俺に押し付ける・・・。
そして時間がたち何人かと戦ったもののトゥルスさんとかラルドさんが戦った人とかほどのつわものがいないらしく。
簡単に倒す事はでき…結果、俺達が決勝に進む事になった。
ていうか、なりゆきでたたかってきたんだけどさ。
俺って戦ったりして頑張る必要なくね?
・・・そんな疑問は捨てておこう。
2012/06/04 訂正しました