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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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51話 『冥土』ことメイド

久しぶりに…結構、文字数増えた。

スタッという軽い音をたてて着地した俺…毎度おなじみ景山 徹夜である。

いい加減俺だけだと、駄目な気がしなくも無いが主人公の俺だからしょうがないだろう……。

うん、主人公ってなんだ?


「ふぅ…」


「やっと着いたね~」

まぁ、とりあえず横には美月。

この頃、名前でしか呼ばず苗字を忘れ気味であるが、そこは気にしない。

多分アレだ、俺の苗字もそうなのだが…俺の剣の双子の精霊並の存在感の薄さだろう。


「あら…こんな所で会うなんて偶然ですね」

俺達二人に向かって、そんな事をいってきたのは『冥土』ことメイドの風間 明である。

メイド服はAボォイさんが好むようなフリフリの物ではなく、普通に侍女さんが着る様な実用的なもので、長いスカートには砂埃がついており、明はそれを気にする様子が無い。


「いや~、本当に偶然だな~……」


「偶然じゃないと思うけど……」

俺と美月の正反対のコメント。

いや、一応こいつのいる方角は分からなかったから、少しだけ偶然なんだよね。


そんな軽い会話をしながら美月は剣を抜き、俺は腕を回したり指をポキポキと鳴らしたりしている。


「…あなた方はズタズタに引き裂かれるのと潰されるの、どっちが良いですか?」

いきなりそんな事を聞いてきた明。


「…どっちだろうな」


「いや、そこは真剣に考えないでよ…徹夜。

ここはあえて潰れる方でしょ」

…美月、答えるなよ。


「では潰れる方ですね。分かりました」

そんな事をいいながら取り出したのは、金属の棒の先に金属の球体がついているもの。

あえて言うならモーニングスターというところだが、あまり大きくは無くそれほど重量感のある攻撃を出せるような武器には見えない。


「…では、行きますよ」

その言葉と共に、飛び出してくる明。


「わざわざ合図をしてくれるなんて、ご親切なこった…ッ!!」

次の瞬間には、俺の拳と明の持っているモーニングスター(?)がぶつかり合い、俺も明も吹き飛ばされた。


「ぬぅ…ッ!?」

思い切り力を込めたのに弾かれた事に驚きつつも、体勢を建て直し着地する。


「無駄にパワーがありますね」

同様に体勢を立て直して着地する明。

そして、そんな軽い会話をしている間にも後ろから美月が切りかかっていた。


「ふッ!!」


「…ッ!? こっちは異様に速い!!」

美月の剣をモーニングスターで受け止め、弾きながら後ろにさがる明。


「ですが…そう簡単に負けるはずがありません!!」

後ろに下がった明は、すぐに美月めがけて飛び出し上から下へとモーニングスターを振るう。

それを横に避けた美月。


「…ッ!?」

避けたのだが、何かに弾かれたように美月が横に吹っ飛んだ。

美月は慌てて体勢を建て直し、砂を舞い上げながら着地する。


「この鈍器は一応、魔法具です。

まぁ、衝撃を発生させる簡単なものですが…これを真正面から受け止めた徹夜さんにはビックリしました」


「ずいぶんご親切ですねぇ…」


「メイドの6割は親切心で出来ているものですから」


「……」

そんな感じで何で俺や美月が吹き飛ばされたのかを知りました。

衝撃を発生させるから『潰れる』のか…。


「あなた方がどんな感じの性能スペックなのかも、わかったので…そろそろ本気で行かせていただきますね」

その言葉と共に、明の姿が消えた。


「…ッ!?」

俺は、つい驚いてしまう。


「ハッ!!」


「ぐっ!!」

それに続いて明と美月の言葉が続いた。

それは俺の後ろから聞こえ、明がモーニングスターを俺に向けて振るい、それを美月が防いでいたが衝撃を発生させる魔法具だったので弾き飛ばされる。

それを慌てて俺が受け止めた。


「…ッ!!」

美月は受け止められた状態から、剣を持っていないほうの手に光の剣を発生させて明へと投げる。

それは当然のように避けられ地面に刺さり、明は後ろへと下がる。


「…さっきまで、そんなに速くなかっただろ」

俺は明を睨むように観察しながら、そんな事を呟く。

さっきまでは十分俺の目でも追えるような速さだったが、これには全然反応できなかった。


「私の能力は『複写コピー』です。

私を中心に一定範囲内に居る敵意を向けてくる者の性能スペック、能力を一時的にコピーし私自身が使うというものです」


「…ということは、さっきのは私のコピーした結果っていう事?」


「そういうことです。

徹夜さんの能力は形などを変えたりできる『闇』、あと美月さんの能力は…具体的な名前はわかりませんが『魔力から物理への変換能力』ですね」


「へ?」

美月が変な声をあげた。

いや、美月にそんな能力があるのか分からなかったから、俺も驚いているけど。


「……自分の能力について知らなかったんですか?」


「え、あ、うん…まぁ、そうだけど」


「あなたのこの光の剣は、元は魔法で発生させたものですが……基本的にコレは光の塊のはずなので、せいぜい闇を消滅させるか、光の熱量で焼き斬るか…の二択ですが、美月さんの場合は普通の剣と変わりなく使えます。

これが『魔力から物理への変化能力』ですね……まぁ、本人は無意識にやっていたらしいですが」


「「ほぉ~」

メイド講座。


と言うことは、やろうと思えばだが俺の闇と同様に物を作れるから便利ですよね。



「……本当に、知らなかったんですね」

なんか呆れられてる。

しょうがないじゃん…美月自然に使ってたから、あれが普通かな…って思っていたんだもの。

俺が、そんなのわかるわけないやん。


「まぁ、とりあえずはメイド講座も終了させていただきます」

あ、俺の心読んだ?

そんなこんなで次の瞬間には、再び明が消えた。

周りで砂が舞い上がり、明がそこを通っているであろう事がわかるが俺の目では追えていない。

横にいる美月は目だけを動かし、完全に相手の動きについていけてる。

だが美月が防御しても吹き飛ばされてしまうので、あまり良い事ではない…なので、ここ俺が防御しなくてはならない。


「美月、指示しろ…」


「ん、了解」

俺は闇から紫色の刃の剣を2つ取り出し、剣の持ち手と持ち手を闇で繋ぐ。

あえて言うなら、1つの棒に二つの刃がくっついている感じだ。

美月は目で相手を追い、俺は目で追おうとしても無意味なので、ただ美月の声を聞く事だけに集中する。


「徹夜、上!!」


「…ッ!!」

さっき闇で作った武器で上を防御すると、すぐさま衝撃が襲った。

それを耐えた瞬間に武器を振るうが、それには手ごたえはなく、すぐさま逃げられたことを理解する。


「右」


「…ッ!!」

防御する。


「右、下から上に振り上げる形」


「…っと!!」

防御する。


「左…と思わせて、右」


「俺にまでフェイントを伝えるな!!」

一瞬だけ騙されそうになったが、ちゃんとガードする。

それからは攻撃のラッシュだ続き、美月の指示を頼りに全てをガードする。


そして13回目の防御の時だ。

右から向かってきた攻撃を防御したときに、美月が動いた。

今まで動かなかったのは、美月が攻撃に出たときに明が俺のパワー特化の性能スペックに移り、攻撃され美月がダメージを食らうことを恐れてのことだったが、さすがに長引いてるので俺的にも色々と焦ってきてる。


「ふッ!!」

美月が剣で突きを放つ。

そこで明が俺に追えるようなスピードに落ち、俺の性能スペックに移ったことが丸分かりだ。


「ッ!!」

明がモーニングスターを振るう。


「やらせませんよ~!!」

それにあわせて変なキャラになっている俺が、その攻撃を受けた。

それと同時に闇をひも状にして明の足を絡み取った。

コレは単純に相手の動きを封じるためだ。


「ッ!? では…これを食らってください!!」

明の右手には光で出来た剣、左手には闇で出来た剣が現れ…それが俺と美月を狙う。

俺達も同様に自分の使える属性の魔法で剣を作る。

美月の光の剣が闇の剣へ、俺の闇の剣が光の剣へとぶつかり合う。

相手にとって、これは多少の傷を負う可能性はあるが片方……つまり俺を潰せる攻撃に思えただろう。

美月の光は相手の闇を打ち消すが、相手の光は俺の闇を打ち消す…それが普通だ。


普通だが、俺の闇の剣は相手の光の剣を呑み込んだ。


「「ふッ!!!」」

俺と美月の声が重なり、お互いが相手に向けて剣を振るった。


「ッ!?」

それに、対して明は驚きつつも美月の速さで慌てて上に跳ぶ様にして避けた

俺と美月の剣を、避けた勢いのまま俺達と距離をとる。


「何故、徹夜さんの闇に美月さんの光が負けたんですか?」


「お前は美月の光なら俺の闇を消せると思っていたんだろうが…あくまでお前のはコピーなんだよ……所詮は偽物なわけだ。

美月本人の光には負けるが、お前がコピーした光程度じゃあ俺の闇は消せない」

あえて言うなら光に問答無用で負ける闇なら太陽の下で使うことは不可能だ。


俺達二人と自分自身の性能スペックを使い分ける明の戦い方は、色々と厄介だが…コピーしたとは言え能力自体は使い慣れていない。

だから、さっきのは押し勝てたわけだ。


「さすがに、付け焼刃の力じゃ無理という事ですね…。

では、あなた達の能力は使わずに行きましょう」

そんな事をいいながら明は、ポケットからゴツゴツとした機械を取り出した。

そのポケットは四次元ポケ○トか………。


その機械のある場所にあるフックを引っ張るとエンジンが動き、物凄いうるさい音と共に刃が高速で回転する。


まぁ、つまりは…チェーンソーだ。


「……な、なんかめっちゃ恐怖という感情を湧き出させる武器を取り出したんだけど。

美月はどう思う?」


「うん…あれは誰でも怖いと思うよ」

俺も美月もじゃっかん苦笑い気味に、そんな事を呟いた。


「私が故郷の世界で働いているときに、よく来るお客様…自称A-Boyさんが『メイドにはチェーンソー』と言っておりましたので、参考にさせていただきました」

何、変なこと教えてるんだ…このクソオタクめ。


「…では、行きますよ」

チェーンソーを構え、走り出そうとする明。

…だが、その前に横側から相当大きい魔力の砲撃が放たれ、それを避けるように明が跳んだ。




「ちょっと変わってくれ。徹夜に美月」

今まで明のほうに集中していて分からなかったが、そこには右手に持った銃を姪に向けた姿の和馬がいた。

『メイドにチェーンソー』は、あるノベルゲームを参考にしましたが、途中で忙しくなって、最後までは見てません。



誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。

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