49話 …うん、考えておく
いや~、マジで文字数少なすぎだわ(汗
まぁ、俺の目標の2000文字は過ぎてますが、ギリギリです。
「…おし。瑞穂、和馬、炎……誰が行く?」
俺の言葉である。
「何で俺なんだよ…嫌に決まってんだろ」
「嫌な予感しかしないな……」
これは瑞穂と和馬のコメント。
うん、俺をちゃんと知っている人物であるならここで断るべきだろう。
「ん、俺が行く!!
なんか美少女に会えそうな予感がするんだよね~!!」
嬉々として、そちらに向かおうとする炎だが俺が炎の首根っこを掴んだことで邪魔が入った。
「え、何?」
「いや、行くんだろ?」
「え、あ…何、どういう事なん~~~~~ッ!!?」
言葉の途中で目を見開き、最後の言葉が悲鳴のように伸びる。
それは当然だ。
何故なら俺が炎を振り回す形で思い切り引っ張り、そして投げるために準備をしているのだから。
「よぉし、炎…では、良い旅をッ!!」
炎の襟首を掴んだ腕に力を込める。
「ぅあ~~~ッ!?」
思い切り、ぶん投げた。
「我ながらよく飛ぶな~」
目の上辺りに手をかざして、おぉ~…という感じで見ている俺。
「…瑞穂、断っといて良かったな」
「………ああ、そうだな」
そんな事をいいながら、炎を可愛そうなヤツを見た…という感じの顔の瑞穂と和馬。
ちなみに他の人は里稲は特に気にした様子が無かったのだが、美月や奈菜、そして要も俺と同じような感じで炎を見ている。
この里稲を除く女性三人は自分達は投げられないと思っているので、楽しそうに出来るのだ、
まぁ、俺が美月とかを投げるわけないけども(投げた事はなくても美月を剣として振り回したことはある ※一章最終回参照)
「さて、俺達も向かうぞ~」
俺の足元から闇が吹き出し、それが定番の竜の形へと変化していく。
「炎くんを投げた意味あったの?」
美月の言葉は無視しておくか。
そんな感じの俺達だ。
「いあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~ッ!!」
そして一方では。地面スレスレで一直線に飛んでいく炎。
その飛んで行く先には、ちょうどよく調節したらしく馬車を追っている魔物。
魔物の脳天目掛けて放たれた炎なのだが…
やっぱり現実ってうまく行かないらしい。
何故か丁度よく、こっちに大きな口をあけて振り向いちゃうんだもんね。
「ちょ、ちょちょちょッ!? ちょっと待って!!」
地面スレスレだったおかげで、炎は手で地面を叩いて上手く体の体勢を変える。
ギリギリで魔物の口の上をクルリと体を回転させながら通過した後に、地面に上手く着地する。
「…ビックリしたけど、頑張れ俺!!」
髪の毛に赤いラインが入ると同時に、炎の足元の地面から赤い竜が飛び出した。
「砂で作れるかどうか知らんかったけど…とりあえず殺れ、サラ!!」
炎が作った竜が火の球を吐き、魔物にぶつけた。
すると魔物は悲鳴のような人を苛立たせる甲高い泣き声を上げると土の中に潜って逃げていった。
そしてサラサラの砂で無理矢理作ったせいか、すぐに竜は崩れて消えていった。
「ふぅ…食べられると思った」
さっき俺に投げられて凄い勢いがついており、その時に地面に手を叩きつけたせいで、掌が少しばかり細かく切れて赤くなっている。
その手をブラブラと振りながら上…つまり、こちらを見る。
「オ~ス、大丈夫だったか~?」
そこには俺達が闇でできた竜から、見下ろしており、もう着地する姿勢へとなっている。
「徹夜君、もう俺を投げるのはやめてくれない?」
「ん、考えておく」
俺達は真っ黒な竜から降り、そこに炎が話しかけてきた。
「いや、考える必要ないでしょ」
「とりあえず、考えておく」
「……………うん、考えといて」
根負けだね。
「んで、さっきのには?」
「いや、わざわざ土の中まで追いかけっこはしたくなかったから、普通に逃がしたけど」
「ふぅむ」
まぁ、俺の場合だと…ただ単純に闇を砂の中に蜘蛛の巣状に張り巡らせれば簡単なんだが、炎の力では追いかけっこになってしまうだろう。
まぁ、そんな感じでつい各自でだべってしまっている俺達。
……何か忘れているような?
「あなた方は誰ですか?」
突然聞こえた声。
それは少女のような声で、そちらを見ると当然少女が居た(ここでマッチョなおじさんが居たら怖い)
まぁ、やっぱり定番のようにその姿には欠点があまり見当たらず、美少女というべき少女。
まぁ、ここでぽっちゃりな人が出てきたら、炎辺りが多分ガッカリするだろうけど。
「……美少女だ、美少女」
ポツリと何かを呟いている炎は無視しよう。
まぁ、とりあえず…その少女はさっき追われていた馬車から降りてきた。
その馬車の業者のような人は、それなりに豪華な服を着ており、馬車に乗っていた少女が、それなりの身分であろうことは明白である。
うぅむ…なんか貴族のお嬢様的な感じかな?
「私は今、故郷の国に戻ろうとしていたのです。
どうかお礼をさせていただきたいので、一緒に来てくれませんか?」
「ちなみに、あなたはどちら様?」
「申し遅れました。
今私が帰ろうとしていた『ケイド』という国の王様の娘…よくいうお姫様、というやつです」
うん…本当にフラグとしては申し分なかったらしい。
誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします。