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俺は闇、幼馴染みは光の勇者様  作者: 焼き芋(ちーず味)
第三章 セカンドワールド 堕勇と勇者の戦争
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45話 やっと終わった

この頃、中学生の受験関係で休みが多かった件。


この頃、より一層グダッてる気がして嫌だ。

そこはただの戦場である。

二足歩行の猫が人間を吹き飛ばしながら進み、人を吹き飛ばす程の衝撃がいくつも発生し、風が竜巻のように渦巻き、人だけではなく近くにある周囲のモノを全て吹き飛ばす。

その猫のあとを特に何も考えずに普通に歩いている俺と美月がいるわけだが…同じ獣人のことなのでめっちゃ張り切っているタベに任せている。


「徹夜殿と美月殿もやってくれないと、今日ここに来てもらった意味がないですニャ…ッ!!」

タベが振り向きながら、俺と美月にそんな事を言ってきた。

…んな事知るか、ボケ。


「面倒じゃん…」


「いや、私はタベが張り切ってるからやらなくていいかな、と……」


「ここは戦ってくれていいですニャ!!」


そんな感じで会話している俺達。

まぁ、とりあえずはやってやらなくも、ないだろう……というより、やりたい。

少し暇なんだよ。


「んじゃあ…行くかな~」


「派手にやっちゃってくださいニャ!!」


そんな感じで闇を掌に集める。

一応、放つ先には獣人サマを巻き込むのは嫌なので目に見えないほどの小ささの闇を霧状に散布し、細かい隙間を通していくつもの壁の向こうを確認する。

そして、獣人サマが居ない事を確認して闇を放った。


次の瞬間には、闇が壁を何枚もぶち抜いた。


「ニャ~ッ!? 攻撃を放った先に獣人が居たらどうするんですかニャ~!!」


「ん…大丈夫、獣人サマが居ない事は確認したから」


「ニャ……?」


そこで何故か素っ頓狂な声をあげて、ジッと見てくるタベ。

何…? 俺の顔に何かついてる感じですかね?

ちょっと顔をゴシゴシしている俺に向かって、タベが何かを言いたそうな顔をしているわけだ。


「……タベ、何?」


「いや、獣人が居ニャい事がわかるんだったら…獣人がどこに居るかもわかるのではニャいのですかニャ?」


「ん、わかるねぇ…」


「徹夜の闇って本当に便利だよね~」

結構、便利だよね…俺の闇って。

でも、俺の闇って美月の光を一発でも食らうと全部吹き飛ぶんだよね…だから、美月とは勝負にならないんだ。


「まぁ、美月には使えないけどな」

まぁ、その場合はこの頃使っていない魔法を使えば良いだけである。

まぁ、魔法だけで美月を倒せる気がしないんだが……というか、戦う機会すらないので問題はないはずだ。


「話すのも良いけど、獣人を捜してくれないかニャ?」


「……む、良いけど」

俺と美月が話している所に遮るようにして俺に頼んできたタベ。

ごめん、美月と話すのはハッキリ言って場違いだったよね…本当にごめんなさい、反省はしていない。

……うん、言葉だけの謝罪って一番厄介だよね。


「あっちだな…」

まぁ、とりあえずは俺の邪念の間にも闇で探索した結果、俺が指差している方向…まぁ、方角がわからないのでどっちとは言えないのだが、あえて言えばタベに吹き飛ばされて白目むいて倒れているおじさんの方向だと言っておこう(全然わからない)


「じゃあ、行きますニャ」

そう言ったタベは四足歩行で走り出し、それに俺も美月も付いて行く。

少しばかり走っている間にも、無駄に兵士だと思われる人間達がゾロゾロと沸いてきて、美月が「なにもしてないから」という理由で、蹴散らす役目をしていた。

美月の場合は蹴散らすときに光が視界を埋め尽くすので、ちょっと目が痛いわ。

こういうときにサングラスを買っておけば良かったと後悔する俺である。


まぁ、そんな感じで走り続けて1つの牢屋に辿り着いた。

その中には、獣人の女性が大勢居て、少ないが男性も居た。

完全に趣味に走ってるよな……。


「た、タベ様!?」

その中の一人が、こちらを見ると何故か驚いていた。

タベ、様…? 何、この猫偉いの………??


「ふむ…とりあえず、鍵開けておくか」

牢屋の鍵である南京錠の鍵穴に、闇が入り込み内部で鍵を開けられる形へと闇が変化する…そして、俺が手を回すとカチリ…という音がして開いた。


「うし、これでこの人たちを無事に脱出させればオケだな?」


「そうですニャ…それで今回の勇者様への依頼は終了ですニャ」


「じゃあ、もうすぐ終わるね」

そんな感じで話している俺達。

すると、一人の獣人の女性が出てきて、慌てたように口を開く。



「子供達が捕まったままなんですッ!!」

うむ…うん? 子供か~…ということは、獣人の子供というわけだが……うん、癒しだねッ!!


「徹夜殿、獣人の子供達の事捜せますかニャ?」


「よし、任せろ」

即答である。


「とりあえず私達はこの人たちを無事に脱出させるから、タベだけで救出できる?」


「ニャ、余裕で出来ますニャ」


「うむ…あれだ、俺達が異様に派手に行ったから馬車で数十人の子供たちを連れて逃げようとしているな。

裏門のほうだ」


「ニャ、分かりましたニャ」

俺が教えた情報にタベが頷く。


「本気を出すために、少しだけいつもの姿に戻るかニャ~…」

そんな事を言ったタベの体から光が漏れ出し、小さな体が大きく変わっていく。

……それは人の姿。

20歳前半ぐらいの男性で、ちょっと美形なのがイラつくようなヤツだ。


「…この姿に戻るのも数年ぶりかな」

そんな事をいった人間(たぶん、タベだと思われる)は、次の瞬間には消えた。

多分、目的の者を確保しに行ったんだろう。


「あの姿…何だ? というか、タベだとしてなんで服着てんだよ」

俺の言葉。

変身(?)前は、普通の猫の姿だったから、多分裸だと思うんだが……。


「あの方は・・・─」

それに近くに居た獣人の女性が答え始めた。






 ─  ─



馬車が走っていた。

その馬車を操っているのは、獣人を売ろうとした組織の一番偉い人間である変なおじさんだ。

おじさんは眉間にしわを寄せながら馬車を操っている。


「くそっ…まさかバレているとは……」

そんな事を呟いたおじさんの後ろには、場所の屋根がついており外から南京錠で閉じている荷台があるのだが、その中には獣人の子供が何人もつめこまれており、窓とも呼べる鉄格子のハマっている場所から顔を覗かせている。


それを気にせずに馬車を走らせるおじさん。


「……お前が犯人か」

だが、その後ろの荷台に何かが軽い音と共に着地した音が響いた。


「…ッ!?」

その声に驚きつつも、振り返ると……そこにはおじさんと荷台の間に猫が立っていた(もちろん二足歩行で…)


「お前は……」

それにおじさんが言葉を漏らす。

獣人の子供達のほうでは、鉄格子のはまった窓から見た子供達が「タベ様だ~」と騒ぎ出している。


「…獣人を浚ったのだから、最期はわかっていますニャ?」

そんな感じの事を言っているタベだが、鉄格子の隙間から獣人の子供達の小さな手がタベまで伸び、タベをもみくちゃにしている。


「…『獣人の王』か」

そんな事を呟いたオジサン。


「僕の事を知っているのなら尚更早い話だニャ…」

そして、タベの小さな手(前足)から爪がシャキン…という『絶対ありえないだろ…』と思えるような鋭い金属音と共に飛び出した。

あの地震から一年が経ちました…地震が起きてから初めての投稿は予約投稿でしたが12日だったので、その日と同じ日に投稿してみました(時間までは分かりませんが)




誤字・脱字があれば御報告宜しくお願いします

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