17話 大会 一日目午後
前回のあらすじ
大会の午前
ゴーレムをぶっ壊して
レースでてバナナの皮みたいなのをばらまいて
とてもおもしろかった
けど、めんどくさくもあった
今日は大会最初の日の午後。
俺達は一着で進み、次はギルド同士での1 vs 1。
そしてそれで勝てれば3組のギルドのサバイバルファイトとかいうらしい。
要するに遭遇したら殺しあえという事だ。
ちなみに一対一の勝負では『戦場を生きる者達』というギルドが相手らしい。
なんか長い名前のギルドのような気がするけど、それを言ったらうちのギルドも一緒だろうし…30文字を超える名前のギルドもあるそうだ。
もう、三十文字を超えるギルドとか読むほうがめんどくさいったらありゃしないよ。
そういえば午後の部は3:00からなんだけど、俺はその前に12:00~1:00までめちゃくちゃ追われた。
誰が追ってきたかって・・・そりゃ勇者様――つまり美月ですよ。
まさか追ってくるとは思わなかった。
とにかく頑張って逃げ切ったのだが、最後の言葉がちょっとビビッた。
『助っ人も呼んでまた追うからね―――ッ!!』だそうだ。
助っ人って誰だよ…もう追ってくんなよ。
もうめんどくせぇ~…って感じだ。
そういえば…
疑問に思っていたのだが、ライルは仮面はずしちゃったけど大丈夫なのかという事だ。
それをライルに聞いてみるとギルドカードを持っていれば大丈夫だそうだ。
ギルドに入ってるだけで国に貢献してる事となり、それだけで信頼されるそうだ。
そういえば、この大会は三日間行う。
三日といっても連続というわけではない…一日一日の間に一日だけ休みがあるのだ。
殺してはダメだが相手は場合によるとAランクの魔物を相手するのよりもきついらしい……だから休みがあるというわけだ。
二日目はサバイバル……三日目は決勝。
たぶん場合というのは相手がSランクあたりだった場合だろう。
それはラルドさんにまわすつもりだ。
だってめんどくさいじゃん・・・。
ラウは大会の間はカイラのほうに預かってもらってるから美月ともあっているはずだ。
そういえばこの頃訓練やら闇ギルドのことやらでラウの相手ができていない。
あの癒し系はめんどくさがり屋の俺にとって必須ともいえよう。
まぁ、そんな感じで俺はもう精神的に体力が尽きてきてるというわけだ。
ちなみに今までしていなかったこの世界の魔法の属性を紹介しようと思う。
属性では、三段のピラミッドの図として考えてくれ。
一番下が火、水、風、土、雷。
これは結構人が多い。
中ぐらいが光、闇。
これはあまりいない。俺は徹底的に闇だが微量になら普通の人でも闇は使えるらしい。
基本的に闇は魔族が使うといっていい。
一番上が創造、時空。
これは下位の神の領域といっていいものらしい。俺は試した事が無いが今度試そうと思う
まぁ、俺が使えた場合あまり使わないことは眼に見えている。
…てな感じだ。
むっ・・・俺がよく使う重力を操る魔法は一体どれだ・・・。
・・・創造かもしれない。
(創造は世界を作る事もできると考え、重力を操るということは世界のルールを変えるということだろうから一番創造に近いかもしれない)
まぁそんなことはほっといて(ポイッ ←どっかに投げました)
そして午後のギルドファイトの時間だ。
大会、大会って連発してたけど他の人は『ギルドファイト』ていうらしい。
むぅ~。
それでおれは6個ある試合のうち二つ目。
1時間でタイムアップらしい……六つある試合だが有力とされていたギルド同士では一個も当っていない。
試合側が意図してやってるんだろうけど有力といわれてないほうでは迷惑な話だろう。
少しでも有力といわれてるところが潰れてくれば決勝に行きやすくなるのに…と思うこと当たり前だ。
こんな事を考えてる間にも試合は始まりもう30分は経過している。
そういえばラルドさんが言っていたのだが、俺達が戦うギルドのリーダーはSランクらしい。
策士・・・というより単純な手を使う卑怯な奴らしい。
まぁ、俺には興味がありませんが。
・・・ということで試合も終ったらしいので俺達の番だ・・・。
─ ─
『さぁ!始まりますよ。午後の2試合目です!
今回気になるのは、聖剣エクスカリバーを扱うラルドさんです
そして最初から登場してきた新人。彼はCランクと聞いてはいるのですが、あまりにも反則的な性能をしています!そして─』
とこんな感じに司会が言っている。
反則、反則ってお前失礼だぞ!!
『というわけではじめていきましょう!』
説明を終えたらしく、次の瞬間ピ――――――――ッという耳に響く音が鳴った。
どうやら始まったらしい。
その瞬間目の前でキラッと光が見えた。
俺がとっさにそれを掴むと矢だった。
・・・あぶねぇ~。
そして視界の隅ではもうラルドさんが動いている
剣を空に向けるように構え、せえぇぇぇいっ!というあまりかわいらしくない声とともに振り下ろす。その瞬間に剣から光の斬撃が一直線に切り裂いていった。
それをギルギリのとこで真ん中にいた人が避けていた。
「あれがSランクだそうだよ」
というラルドさんの声。
ちなみに俺とラルドさんは微妙にまったりしているが、もうエミリィとライルは戦闘に入っている。
「私の・・・『雷拳』のエミリィといわれる力を見せてあげるわッ!」
そしてエミリィが空に突き出した右の拳には白いナックル。
その手の甲には黄色い宝石のようなものがくっついている。
もしかしたら雷属性の精霊入りかもしれない。
ん~、精霊多いなぁ~・・・。
そんな事を思っていると空には雲ひとつないはずなのに雷が、そのナックルに落ちてきた。
エミリィの右手が雷の光で見えなくなっている。
そしてそれで敵に向かって殴りかかっている。
敵はそれを交わすが地面にぶつかった拳からは周りにいくつもの雷撃が飛んで行き、相手に攻撃を加えている。
ライルの方ではすごい速さで攻撃を加え、相手は二人掛かりでそれをうけとめていた。
「ん~、どうすればいいのかな~」
…と思ってちょっと前に歩いていると足元がいきなり光だし、魔法陣のようなものが浮かび上がった。
「むぉッ!?」
驚いただけで何もする事もせず地面からなにか板のようなものが出てきて俺を閉じ込めた。
・・・うわ~、罠だぁ。
ちょっと振り返ってみるとラルドさんも俺と同じ状態になっていた。
むぅ~、眠い……あ、眠いのは今関係ないか。
「ククク、これで主力はおさえたと思える。あとは二人を倒しタイムアップを待つだけだ」
そんな声が聞こえた。
それは、さっき見た一応Sランクの男だった。
むぅ~、策士ともいえないただの卑怯者だね~。
そしてその男が何かをとつぶやくと同時に地面が盛り上がり鎧のようにくっついていく、すごい力の土がついていき巨人みたいな感じになっている。
「私を倒すということ自体で無理な話だけどねッ!!」
いつの間にかきていたエミリィがもう拳を振りかぶり飛び込んでいっている。
エミリィの一撃で鎧は壊れるが、すぐにまた土を吸収し再生していく。
むぅ~、俺はどうすれば・・・? とりあえずパンチをくり出してみた。
・・・・痛かった、壊れそうにない。
「地属性の上位の結界だから絶対に壊せないよ」
その声が聞こえた、前を見てみると知らない人がいた。
「当然君たちを退屈なんてさせないさ」
その男がパチンッと指を鳴らすと俺がいる結界の中から『グルルルッ』という声が聞こえはじめる。
そちらを向いてみるとめんどくせいことに黒い狼がいた。
そして、そいつが俺に向かって飛び掛ってきた………ものの。
「ぐはっ!!なめんな!!ペッペ」
じゃれ付かれてるだけだった。
「・・・」
男は黙ったままボーっとしていた。
…と、そのとき。
「ね、ねねね。ネコォ―――――!!!」
ラルドさんの意味不明な声。
苦手な感じだったのか?と思ったがどうやら違うらしい。
猫みたいなでかいまじゅうにめちゃくちゃだきついている。
どうやら猫がすきだったらしい・・・男もそれをみて呆然としている。
「きゃあッ!」
そんなエミリィの悲鳴が聞こえた。
どうやら相手の攻撃を少し食らったみたいだ。
ちょっと勢いがあり過ぎる気もするけど、落下しつつも体勢をどうにか立て直して上手く着地できた。
エミリィは気づいてないみたいだが足元に変なものが見えた。
ふむ、そろそろ俺も本気で動こうかな。
─ ─
「まず最初は『雷拳』ですか。」
そういって鎧というより土の人形が腕を振り上げた。
「ッ!?」
エミリィは気づいていなかったが足元では相手がセットした罠で、動きを封じられている。
そこに土人形の拳が迫ってくる。
「ヤバ―ッ!!」
思わず目を閉じてしまう。
だがいつまでたっても攻撃は来なかった。
「くあ~ッ!!腕が痛いなぁ!!もうッ!!」
その声がエミリィの前方から聞こえ…目を開けると、テツヤが自分の数倍ある大きさの土の巨人のパンチを片手でとめている。
「何故ここにいるのですかッ!?」
土人形が驚いている。
「左手が少しの間、使い物にならなくなったけど…素手で脱出完了でぇ~す」
ふざけた調子で左手をプランプランしているが、その手は血まみれだった。
「あんたホントにSランク? なんか弱い気がするけど」
それはテツヤがおかしいだけな気がする。
「なっ!?おまえ!!」
怒っている土人形。
「まぁ、そろそろ閉幕致しましょうじゃぁ~あぁりませんか!」
ふざけた調子でそういいながらクルッっとまわったかと思うと強烈な蹴りが土人形の手にあたった。
ピシッっと音をたてひびが入るとそのひびが全体に広がっていき全体が粉々になっていく、中の人間が見えた。
「では、エミリィ。閉幕よろしく」
いつの間にか足の拘束が解かれてうごけるようになっていた。
「りょーかいッ!!」
そういってエミリィが思いっきり斜めに飛び、拳を構えるその先にはSランクの男。
「なッ!!????」
その言葉を最後に男はまともに顔面に拳を受け・・・気絶した。
こんな事であせるのだからSランクとは思えない。
それともSランクの最下位ってかんじかな。
「ふむ、これで閉幕だ」
そういった徹夜の声で周りを見てみるといつのまにか出たのか。
ラルドさんとライルの周りには気絶してる男達。
そしてラルドさんの手の中では首を絞められ(多分ラルドさんは抱きしめていると思っている)気絶している猫。
ちなみに黒い狼は俺の闇の中。その狼はもともと影とかに入れるらしく俺の闇とすごく相性が良かった。
そのおかげかとても仲良くなれた気がする。
『しゅ~りょぉー!!勝者『大空を飛ぶ鳥』!』
その声とともに今日の大会は終った。
2012/06/04 訂正しました