23話 騎士団長とSSランカー
知ってる方もいるかもしれませんが、一話の前書きに2011 7/29に読むに当たっての注意、と一話の後書きに2011 12/13に後書きを読むにあたっての注意を更新させていただいています。
自転車で一メートルぐらい飛びました。(作者の自業自得な小規模事故報告)
俺は、奈菜と美月と共に、美月と奈菜が貸された部屋でテーブルに座り…話し合っていた。
ちなみに、虫で攻撃してくる女(?)と戦ったのは昨日のことになったわけである。
「それは堕勇の一人の『蟲女』だと思うよ…まさか、もうこの城まで来てるなんて」
それは奈菜の言葉である。
奈菜は、相当苦い顔をしているので…ここまで早く現れるとは予想外だったのだろうと、俺は思うわけであり、俺が思ってることなのであまり正確ではないので信じないで欲しいと、言っておこう。
誰に言ってるのかはわからないが……。
「んで…どうするの?」
「ボクがやることは変わらないよ…コアを破壊する、それだけの事なんだけど…絶対に邪魔してくるからね、堕勇は」
美月の質問に奈菜が答える。
俺は闇で食らい尽くしたために、闇の中で死ぬ事もなくずっと居続ける虫の一匹を闇から取り出して、モギュモギュと力を込めてみたり、込めてみなかったりしているわけだ。
この虫は、あの女(異名により女と断定)が居なくなると同時に好戦的な態度ではなくなったのだが、基本的に操られている感じなのだろうと思うわけだ……まぁ、油断はできないが。
「さて…じゃあ、どうしようかねぇ」
俺のそんな呟き…もう、面倒な事が多い。
正直、鬱になる。
「まぁ、何回も言ってるとおり…注意をしないといけないのは確かなんだけど……さすがに、相手がどう動いてくるかもわからないし…こっちは守りに徹するしかなさそうなんだよねぇ…」
ブレスレットが一瞬光ると同時に、鉄の棒が現れ、それでツンツンとテーブルを突いている。
その棒に何か能力があるのかも、もしくはただの棒かもわからないわけだが…なんかこっちとしてはハラハラするのでやめていただきたいわけである。(ただの棒である)
「だから、やっぱりコアを破壊するのは早めたほうがいいと思うよ?」
美月が、そんなことを提案をする。
俺もできるだけ早いほうがいいと思うわけである…面倒な事は早々と終らせる事が一番だと思うわけでして、ね……。
「じゃあ…一週間もしないうちに行って見ようか…? 勝てるかどうかなんてわからないけど………」
「それが良いだろ…長い間異世界に居るのも、あまり良い事じゃないからな……」
「オケ…女王様に言っとくわ」
そんな感じで、俺達の話し合いは終わったわけである。
─ ─
「そんな事が許されるわけがないっ!!」
最初に反論をしたのは金髪の男性…つまりミサイドであった。
「あの時に、敵わなかったのに……勇者と言っても、昔は五人も居て…そして前騎士団長も含め、相当強い人たちが集まって戦った結果、大勢の人が死んでいったのに…なんで生き残った奈菜殿が再び戦わなければならないのか、分からないっ!!」
ミサイドは、大声で反論する。
…というか、意外とこのミサイドって人は奈菜の事は嫌いではないよな? 絶対に仲良いよな……。
「昔巻き込んだのは私達だけど…わざわざ奈菜が終らせようとしなくても良いのよ…? この世界の生き物が全滅したら、それは最後まで抵抗しての結果でしょうし…奈菜はそこまで頑張らなくて良いんですよ」
ミサイドに同意するようにケイアさんが、そんな言葉を言った。
「ボクにとったら、先生の仇をとることでもあるし…本当に危なくなったら逃げるから大丈夫。
幸い逃げるのに適した魔法具もあるわけでして……」
「僕的には、奈菜さん達にわざわざ命の危険を犯してまで、戦ってもらう必要はないと思っています」
そこにコードが口を挟む。
何この人たち、めっちゃいい人やん…なんで主人公みたいな感じになるような人は、こう…周りにいい人が集まるのかね~…俺とは大違いさっ!!
だって、皆俺のこと苛めるじゃんッ!!
「美月ちゃんや徹夜くんはどうするつもりなんですか…?」
ケイアさんが、奈菜たちとのやり取りを見てる美月と空を見つめてボーっとしている俺の方を向いて尋ねてきたわけである。
「俺達は奈菜を手伝う、って決めたからな……危なくなったら勝手に逃げるとしても、最初は手伝わなきゃ奈菜に期待させたのに申し訳ないだろう…?
まぁ、俺は美月に言われたからやるだけで…自分から手伝うつもりなんて無かったけどな……」
「まぁ、こんな事言ってるけど…絶対私が言わなくても、手伝ったと私は予想してるよ。徹夜」
「うっさいぞ…美月」
そんな感じで、美月の余計な言葉に一言だけ言って終らせる。
「…では、奈菜は絶対に自分が倒しに行くのと…徹夜くんも美月ちゃんも、奈菜に付いて行く、と……?」
「うん」
奈菜の返事に…。
「私は奈菜ちゃんを手伝う」
美月の言葉。
「まぁ、そんな感じなんじゃないか?? 死にたくねぇけども」
そして、俺の弱気な返事。
主人公が絶対に格好良い…? そんなわけないだろ…? 本当に勇敢な人なんて居ないんだよ、みんな少しは臆病な心があるほうが死ななくてすむだろうと俺は思うんだが、君はどう思う?
君って誰だ?
ちなみに、俺の心は7割が臆病精神であるからして、これぐらいが適度な臆病精神なのではないだろうか……まぁ、多すぎる気もするが、そこは気にしないで欲しい。
「では…どこまでやれるかわかりませんが、諦めてもらうために…コードとミサイドと戦ってもらいましょうじゃありませんか……。
あなたが負けたら元の世界に帰ってもらいます」
「…へ?」
奈菜がすっトンキョぅな声をあげているが、ケイアさんは気にせずに喋り続ける。
「奈菜は勇者…勇者という者は、成長が止まることのない者達です。それにどこまで通じるかはわかりませんが、コードもミサイドもあれからずっと特訓してきました。簡単には負けることはないでしょう…」
ケイアさんの言葉に、コードもミサイドも特にいやそうな反応することなく…反対にやってやろうじゃないか、というような態度でミサイドは腰に下げている剣に手をかける。
コードは、特に何かを用意するわけでなくただ楽しそうに笑っていた。
「いやぁ~、まさか王女様がこんな手に出るとは思わなかったな~」
コードが、やはり面白そうに口を開く。
「今まで特訓した結果が、コアを守るあの魔物ではなく…まさか仲間のはず奈菜殿相手に使うことになるとは思わなかったが…ケイア様の命令とあれば仕方がないだろう」
ミサイドはそんな事をいいながらあからさまな笑みを浮かべる。
面白そうにしているコードと同様に、この展開が相当面白いと思っているようだ。
「ん、じゃあ…ここは俺達二人が出ようかね」
「いやぁ、徹夜…私と同じ事考えてくれるなんて嬉しいよ」
それに対して、俺と美月が前に出る。
まぁ、相手が二人なわけだし…ここは俺と美月が出るのは妥当な線だと思うわけですよ…E? 別に退屈してたとか、そんなものじゃありませんよ?
俺ですもん、いろいろと退屈な事をなくしたいわけですよ……あ、さっき否定した事を完全に肯定してしまったよ。
「…奈菜殿ではありませんが、勇者なのですから相手としては不満はないでしょうね」
「いやぁ~…本当に面白そうで何より」
ミサイドとコードが俺達二人を見てそんな事を呟く。
……それじゃあ、やってやりますか。
前輪の急ブレーキにより飛びました。…左胸のほうが何かと痛いです。初めて自転車に恐怖を抱きました
飛んで落下の際に防御したのですが、腕をクロスしての防御だったので、中二病患ってるなぁ、と痛感しました。 ちなみに衝撃は防御を貫通しましたけど…
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