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2話 幼馴染と湿度高めクラスメイト

 告白された翌日、僕は今困惑している。部室で僕に膝枕されているシオンが険しい顔をしながら対面にいる子に威嚇していた。


「ぐるるるるる……!!」


「何だろう、幸せと怒りの境界線にシオンがいる。」


「シオンちゃん、随分とご機嫌斜めだねぇ。」


「うん、口を開くな花楓かえで。紛らわしいことになるし、余計に部屋の湿度を上げようとしないでくれ。」


「でもぉ、そんな花楓ちゃんのことが好きな腐れ縁さん。」


「ね、ねぇ……ねね。この子、裏山に逆さにして埋めてきてもいい?じっくりと頭に血を上らせてフフフフ♪。」


 僕は、今とっても肩身が狭い思いでいっぱいです。どうしてこんな不憫枠になっているんでしょうか?仮にも主人公なんですよ。2話目から湿度たっぷりでお送りしますなんて嫌ですよ。放棄だ放棄!一人称の語り放棄してバカンスに行きたい。できれば北海道。海鮮食べたい。


 ……取り乱しました。そう言えば、昨日の告白の件ですね。忘れてました。結論だけ言いましょう。保留しました。


 振ってないんですよ。何でかって?正確には断る前にこの花楓……秋田花楓あきたかえでという私の幼馴染が抱き着き特攻してきて、話がややこしくなったからだ。

 あの時のシオンの顔は怖かった。世の中でヤンデレとメンヘラと付き合うなと言われる理由が分かった気がする。恋人なんてできたこと無いけど。


------------------------


 「はぁ、今日も災難だった。お茶を啜ってのんびりと過ごしていた春夏秋はどこに行ったんだろうか。」


 クリスマスが怖いと思った。何かそんな気がしている僕の耳に息が入ってくる。


「ひゃんっ!?」


「おぉ~、可愛い声が出た。えっちだ。」


「も、もう。何すんだよ花楓。」


「むふふぅ~。」


 花楓は満足げに僕のことを見ると同時に、抱き着いてきた。お風呂上りなのか、すっぽりと僕の身体にうずまる身体からいい匂いが漂ってきた。少しだけ……えっちな気分に…って、何言わせてるんですか!?


「ねぇ、ねね。」


「どしたの?花楓。」


「告白、されたの?シオンちゃんに。」


「されたねぇ。いやぁ、びっくりだよ。僕のことが好きだなんて。何処が良いのだか。お茶を啜って平穏な生活を好む人間のこと。」


(……この無自覚さんが。)


「ん?花楓何か、言った?」


「なんにも。それよりも、ねね。週末、暇?」


「暇だけど。どうしたの?」


「焼き芋、作らない?枯れ葉で。」


「……いいね。やろっか。マシュマロもいい?」


「もち。」


「じゃあ、楽しみにしてるよ。花楓。」


「うん、ねね。」


 そんな僕の家に入り浸る彼女は、表情には余りでないが微笑んで家から出ていき、隣の家に戻っていった。一応記載しておくと、花楓の家は農家で僕の家の隣に大きな土地を持っている。米や野菜などをメインに育てている。とても美味しく、よく一緒に収穫したこともある。

 閑話休題。


 さて、状況を今に戻すとこんな感じ。よろず部の部室でお茶を啜る。そうしたら、シオンが入部すると高らか宣言して、何故か僕の膝で膝枕される。撫でてと懇願されたから撫でる。

 そうしたら、花楓が入ってくる。結果、冒頭に戻る。


「ねぇ、ねね。花楓ちゃんとはどういう関係なの?」


「えっ?幼馴染だけど。」


「んゅ?ちがうけど。恋人だけど。」


 無表情で花楓が言う。僕は有無を言えず絶句する。と言うか、呆れてるの方が正解かもしれない。

 シオンが、僕の太腿に爪をねじ込ませてくる。痛いよ。ついでに、噛むな。本格的にヤンデレ大型犬にクラスアップするの?まだ、2話目だよ?いくら何でも早すぎるよ。


「ねね。どういう事なのかな??」


「……さて~、何のことなんでしょうね。」


「しらばっくれないでよ。告白の返事も貰わないで別の女に手籠めにされてたのっ!?」


「人聞きが悪いッ!」


「むふぅ~!!ねねは、私のモノ。恋人なのだよ、小娘。」


「自分よりも身長低い人にだけは言われたくないわっ!!」


「ぐはっ!!」


 ぎゃーぎゃー、びーびー!!と2人の痴話げんかになった。僕は、空気になってお茶菓子をぱくり。今日もおいしいお煎餅。あぁ、夕焼け空綺麗だなぁ。


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