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第五十二話 『ディムリア奪還計画、始動』──魔力の封印を断つ剣、完成!

「ふざけるなよ」  


 おれは剣をぬいた。


「まつですわ! ここで皇帝を打ち倒せば、帝国と全面戦争になりますわ!」


「ふん、わかってはおらぬな...... もはや我はこの世界を統べるべく兵をはなった。 貴様たちがどう動こうとも無駄なことだ」


「兵を放っただと...... 戦争を仕掛けたのか」


「そうだ。 すべての国、人が余のまえにひれ伏すのだ」


「全ての国と戦ったら帝国といえど無事ではすまないはずです!」


「ふっ、かまわぬ。 兵などいくらでも作れる余さえいればな」


「それならなおのことお前を倒すしかなさそうだ...... なんだ、体が」


 体が剣を握ったまま動けない。


「シュン、そいつを攻撃しようとすると体がうごなくなるんだ......」


「......無駄だともうしたはずだ」 


 皇帝は冷たい表情すらかえずそういうと、ディムリアのほうをみた。


「貴様...... 魔王か」


 ディムリアは皇帝をにらむ。


「なっ、魔王!?」


「いかにもそうだ。 余は魅了の魔王。 貴様を吸収し更なる力をうる」


(魅了...... それで体が動かないのか!) 


「ディストラクションエクスプロージョン!」


 ディムリアの魔法が皇帝を爆炎に包んだ。 しかし炎から皇帝は何事もなかったようにでてきた。


(あれで無傷なのか! 魔法の魔王がいっていた、残り二つの魔王はとてつもない力をもつと......)


「ほう、さすが腐っても魔王...... 余の魅了がきかぬか。 しかし貴様の魔力出力では余を倒すことはかなわぬ」


(くそっ! ディムリアの魔法でも倒せないのか。 だがなんとかしないと取り込まれてしまう)


「......お前は魔鉱宝石オリハルコンジェムを取り込んでどうするつもりだ? 一人の魔王に戻るつもりか」


「......戻る、ありえぬわ。 この世界に余はただ一人、他のものになるなど余の誇りが許さぬ」


「だが魔王を取り込めば、その影響がお前に及ぶぞ」


「なんだと......」


「魔法の魔王がいっていた。 ディムリアの理性によってかつての魔王は力をだせなかったと......」


「魔法の魔王...... なるほどな。 嘘ではなさそうだ。 だが取り込まずともよい。 この力でモンスターを作り出せば、世界を統べる力が容易くえられよう」


「なっ......」


 皇帝が腕を伸ばすと、ディムリアは光りその姿を宝石へとかえた。


「これでもうここには用はない......」


 皇帝はそう呟くと、こちらをみずにその場から姿を消した。



「どうしようもなかった...... 体が動かないのではな」


 ワイズが肩を落としている。


「仕方がない。 あの力は抗うこともできないのだから」


 ルードリヒがそういうとセリエスが拳を握る。


「でも、このままだとディムリアさんが!」

 

「シュンどうするのですわ......」


「どうするもなにも、おれたちはもうなにもできないだろ......」


 みんなが沈黙する。


「......まあ、おれには分不相応なところにきた。 これで満足すべきだったんだ。 世界を守るなんて柄じゃないしな......」


「何て言うと思うか!」


「シュンさん!」


「どうせこのままだと世界を支配されるんだ! 向こう側につければ受け入れる用意はあるがな!」


「ことごとくサイテーですわ......」


「だがその望みもない! あいつに一泡ふかせてやる!! みんななにかないか!」


「......そうね。 皇帝はあの力をもってるから自信がある。 だけどそれは大きな隙でもあるわ」


 シェリガがそういった。


「やはり、あの力をふせければ...... か」


「だが、あの力を常に使えるとは思えない」


 ルードリヒはそういうと、傷口をさすりながらワイズはうなづいた。


「ああ、やつの目をみたら体が動かなくなった。 おそらくやつにみられると動きがとめられる。 もし万能ならば我々を傷つける必要はないはずだからな」


「となると目をみないといいのか。 それなら姿を消せるディムリアが適任なのにな。 だがそこはおれがなんとかできるかもしれん。 それでギガルト、ディムリアをもとに戻す方法はあるか」


「そうだね。 皇帝に奪われた魔鉱宝石オリハルコンジェムを調べたとき、封印は魔力で周りを包んで行っているのがわかったよ」


「それをはずせるのか」


「まって、パニエ、メイシァル」


「あたしたちで作った未完成品の魔鉱宝石オリハルコンジェムからつくったものだよ」 


 そうパニエが短い棒もってきた。


「なんだ? これは」


「それは柄だ。 魔力を込めてみな」


 メイシァルにいわれスキルを使う要領で力を込めると剣のような赤い光がでた。


「これは」

 

「それは魔力の剣だよ」


 ギガルトが胸を張る。


「ぼくのリアベールの剣と同じですか?」


「いいや、それは物質も切れるけど、こいつは魔力しか切れない」


「これなら宝石を割らずに封印だけを切り裂けるのか! よし、ディムリアを取り戻すぞ!」


 みんなから声があがった。



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