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第四十五話 『帝国の罠と、逃走の馬車』──グアレナの追撃を突破せよ!

「ふぅ...... 助かったぞギガルト。 なんとか時間に間に合いそうだな」 


「ふひょひょ!」 

 

 ギガルトは嬉々として転がった宝石を拾い見ている。


「......聞いちゃいないな」  


「こいつだ......」


 ワイズが一冊の書物をもってきた。 


「それか」


「......ああ」


「じゃあ、さっさと燃やすですわ」


「そうじゃな」


「皆さん!!」


 セリエスが声をはっすると同時に衝撃で吹き飛ばされた。


「くっ...... なんだ」


 部屋の上部に兵士たちがいる。 扉のほうからも大勢の兵士たちがはいってきた。


「罠か......」


「ありがとう、あのガーゴイルには手を焼いていてね」


 みたことのある仮面のものがいった。


「あれは! グアレナですわ! あのガストリオの錬金術師!」


「ああ、どうやら帝国に鞍替えか」


「ちがいますよ」


 グアレナは仮面のしたの口元に笑みを浮かべた。


「元から帝国の......」


「それで、その書とディムリアを渡してもらえますか」


「書とディムリア......」


(書はわかるがディムリア...... こいつ魔王のことをしっているのか? ただ、いまは時間をかせぐ)


「書はダメだ。 ディムリアならいい」


「おおーい!!! 逆じゃろーが!!」


「両方です......」


 そうグアレナが合図すると兵士たちが弓や杖を構える。


「死にたいならかまわない。 殺してから奪うとしましょう」


「ギガルト......」


「ああ」


「いいのか。 この書もディムリアもふきとぶぞ」


「......そんな脅しには乗りません。 普通に兵士たちがとらえられますから、あなた達はどうせ逃げられないでしょう? 仮に逃げても馬車も店も押さえていますからね」


 扉からでてきた兵士たちが俺たちの周りをかこむ。


「そうだな。 そろそろか」


「......なにを」


 部屋が揺れる。


「......なんだ」


「グアレナさま! 帝都中で光が空に向かって放たれ、音と爆発で市民が混乱しています!」


 走ってきた兵士が焦ったようにグアレナにいう。


「これをあなたたちがしたのですか?」


「そう私の花火だよ」


 ギガルトが笑っていった。


「だが店から誰もでていないはず...... ディムリアはどこにいきました」


 揺れに乗じてディムリアが姿をけしていた。


「......隠蔽の魔法。 それで都市にこんな仕掛けを、だがこの部屋からはでられませんよ」


「そうだが、不用意に攻撃するとディムリアにあたるぞ」


「......その書とディムリアを渡せば命は助けましょう。 殺すか価値もないので、それとも別に何か他に策があるのですか?」


「町に仕掛けたんだ。 ばれることを想定してな。 それならここにおいた馬車にも......」


「扉を閉めなさい!!」


 ワイズの言葉にグアレナがいうと、同時に建物が大きく揺れ衝撃がはしる。 


「ミリア、ディムリアセリエス、ワイズ!」


 ミリアが魔法で蒸気を発生させ、セリエスとワイズが扉のほうに向かい兵士を叩き伏せた。 おれは手、肺、口、耳をつくり、ディムリア、ミリア、ギガルトを抱えると扉をぬける。


「最悪の想定があたったな。 やはり発覚していたか」  


「ああ、やはり検査も甘かったからな」


 ワイズがいった。 おれたちは店などがむこうの諜報にばれていたことを想定して、店はもぬけの殻、馬車にはギガルトの煙幕を仕掛けていた。


 通路に煙が充満して兵士たちが咳き込んでいる。


(耳で兵士達の位置はわかる......)


 兵士たちに感づかれず、煙のなかみんなを抱えて兵士たちの間を抜ける。 


(ワイズにこの城にある馬出うまだしという馬を繋いでいる場所をしらべていてくれた。 そこにいけば馬車がある)


「ミリアは蒸気を、ギガルトは煙幕を」


「わかったですわ」 

 

「うむ」


「わかったよ」


 上階にも蒸気で煙幕をはる。


「ごほっ! ごほっ!」


「くそっ! 見えない! 侵入者はどこだ!」


「わからん! まだしたにいるかもしれん!」


「したにいたぞ!」


 おれがそう叫ぶ。 兵士たちが右往左往するなか城内部に煙幕と煙がはると、そこをすすみそとにでると馬出をみつける。 

 

「よし! 馬出だ」 


 その瞬間爆破でふきとばされた。


「ぐあっ!」


 目を開けると、そこには一人グアレナがいる。 そのそばには三体のキメラがいた。


「やはりここにきましたね」


「くっ......」


「さあ、ディムリアと書を渡してください」


「さっきから、そばにいるよ」


「なっ......」

 

 キメラ達は氷に包まれ結晶化した。 姿を消したディムリアが魔法を使ったからだ。


「ディムリアか......」


「オオオ!!」 


「うああ!!」


 セリエスとワイズが突っ込みグアレナを剣で殴り付けた。 


「ぐはっ!」


 グアレナは吹き飛び転がる。


「みんな、いくぞ!!」


 おれたちは馬車に乗り込むと、兵士たちを蹴散らし城外へと走り出した。


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