第四十四話 『禁忌の守護者《ガーゴイル》討伐戦』──核を砕け、第二の器官《セカンドオーガン》!
「......というわけですわ」
2人が帰ってくると、研究所の全容がわかった。
「なるほど、ほとんど人がいないのか」
「まあ国家の機密の研究をしているから、限られたものしか入れないようだな。 好都合だ。 それで最下層は」
「ああ、生物のようなうなり声がする大きな部屋が奥にあったな」
「そこからかなり大きな魔力もかんじるですわ」
「間違いない。 まだ倒されてはいないようですね」
「じゃあいこう。 あまり遅くなると外の衛兵に気づかれる」
おれたちは一応姿を消したディムリアを先頭に研究所をすすむ。 長い通路の左右に部屋があり、なにかの実験器具がならんでいる。
「おお! なんだろ! あれ」
ギガルトが興奮している。
「おい、ギガルト間違っても入るなよ。 なんか罠か警報装置でもあったらことだ」
「ちぇ......」
おれたちはまっすぐ最下層に向かう。
「ここか」
最下層奥につくと巨大な部屋があり、そこには分厚そうな鉄の扉がある。 中から何かの鳴き声のようなものが聞こえる。
「それで話のとおり額にある宝石が弱点か」
「ああ、ミルミナさまがそういわれた」
そういってワイズは扉の解錠をギガルトとしている。
「我の黄金竜も同じだった。 魔力の結晶だ」
(なら、まえと同じ手法だな。 それに新しく考えた方法もある。 今なら可能なはず......)
「よし、開いた」
「いこう」
部屋へとはいる。
「グオオオオ!!」
衝撃波がこちらにむかう。
そこには悪魔のような姿をした巨大な石像が鎖に繋がれていて咆哮していた。
「こいつかガーゴイルか」
「ああ、あの額に宝石がある。 どうやら傷がついている、激しく戦ったようだな」
ワイズのいうようにガーゴイルの額には傷ついた宝石が輝く。
「動けないなら余裕じゃ。 シュンよ、さっさと射ぬいてしまえ」
「そうだな。 第二の器官、腕!」
おれは弓を四分の腕でもち、二本の腕で矢をひくと狙いをすまして宝石に放った。
ガキッ!!
矢は宝石にあたりかけた。
「固い!! だがもう一発......」
「グオオオオオオオ!!」
宝石が光ると、咆哮したガーゴイルは暴れだし鎖を引きちぎった。
「どうやら、宝石にダメージがあったから、魔力が増したみたいじゃ!」
「くそっ! くるぞ! ワイズとセリエスはなるだけ足の関節をねらって戦ってくれ! ディムリアは融合魔法の用意、ミリアは蒸気の魔法を!」
みんなが動き、ガーゴイルと戦いはじめる。
「ギガルト、宝石以外にこいつに弱点はないのか。 おれの弓ではあと何発か当てなきゃならない」
「そうだね...... あの宝石は魔力を供給するから魔法でまもられてるけど、多分核のようなものが体内にあるはず、それはあれほどの強度はないはず、ただどこにあるかわからない」
「核か...... 場所がわかれば、だがどこに核がある。 頭か胸、腹......」
セリエスとワイズの剣が右の足の関節をきりさいた。 ガーゴイルはその巨体を揺らし大きな音をたてたおれた。
「さすがだ二人とも!」
「いや、ダメだ!」
「ええ、これは!」
ガーゴイルの足が再生を始めた。 すぐに立ち上がりその巨大な腕で二人を吹き飛ばした。
「ぐはっ!」
「がっ!!」
「セリエス、ワイズ! ミリア回復を! くそっ! 頭は宝石でまもられてるか! 仕方ない、ディムリア胸を吹き飛ばしてくれ!」
「わかった!」
ディムリアの魔法が光りとなってガーゴイルの胸に大きな穴をあけた。 だが穴はすぐに再生をはじめている。
「くそっ、胸じゃない! やはり頭か!」
「次の融合魔法をためるのに時間がかかるぞ!」
「わかった! おれがいく!」
おれは見えない腕二本で剣をふるい攻撃を後ろからおこないつつ、弓を腕の四本で宝石をねらう。
ガキッ!!!
放った矢は宝石に当たったがすこしだけ砕けただけだった。
「ダメか、弓は四本じゃ、宝石はすこししか削れん! もう首を切るしかない!」
腕を増やし剣の威力をあげる。
「おおお!!!」
ザシュ!!
なんとか首を切り落とした。 ガーゴイルの首が地面に転がった。
「よし!! なっ!!」
落ちた首をガーゴイルはつかむ。
「頭じゃないのか!? ならどこだ!」
「俺たちが!!」
「はい!!」
回復したセリエスとワイズがガーゴイルの足をねらう。
(くそっ! セリエス達もそうもたん! 場所さえわかれば骨を直接ぶちこめるのに! 核は一体どこにある......)
「シュン! 核は多分左の上腕部だ! ガーゴイルの首が落ちたとき、すこしだけ遅かった。 魔力供給の宝石が遠くなったからだ!」
そうギガルトが叫んだ。
「わかった!! 第二の器官、第二層、骨!」
おれは大腿骨を左の上腕部に叩き込んだ。
パキンッ
そう音が響くと、ガーゴイルは一瞬で砕けちった。




