第四話 『金欠で働くしかなくなったので、弓と腕を増やしてみた』──結果:倒れました。
「ど、どういうことだ!」
おれは宿で驚愕の事実にうちふるえていた。
「どうしたのですわ」
「......も、もうほとんどお金がない。 あれだけあったのに、まさか盗まれたか!」
「なにいってるですわ。 この一ヶ月、食っちゃねして本呼んで宿にとまりっきりなんてしてればなくなるのは当たり前ですわ」
「そ、そんな! これでは働かなければならないではないか!」
「そうですわ。 さっさと命をかけた冒険の旅にレッツゴーですわ!」
「で、でも、お腹もいたいし、足も...... 膝に水とかたまってるかも」
「早くいくですわ!」
「いたたたたっ!」
ミリアに耳を引っ張はれ宿から連れ出された。
「なんか、楽してもうけられてモテるような仕事はないかな」
「そんなのがあったら他の人がとっくにやっているですわ」
「......まあな。 モンスターを倒す以外にこの世界に仕事ないのかよ」
「それが一番ここで需要があるですわ。 それ以外あなたができそうな仕事などなにもないですわ」
「......もとの世界に帰りたい。 くそっ、異世界だからこっちにないもので商売でもしようと思ってたのに、本をよむと大抵のものがこの世界にもあるだなんて......」
「素材があるのですわ。 あるなら誰でも試すですわ」
「それもそうか...... でもモンスターと戦ったら死ぬ可能性かあるしな」
「だからいったですわ。 お金があるうちに装備を整えるべきですわと......」
そういわれて一応武器屋を探す。
「......買うにしても武器だけしかかえないな」
「スキルの開発や使い方は考えてなかったですわ?」
「......なんにもしてない。 寝ながら本を読むのにみえない腕をだしてただけだ」
「神様から与えられた能力をそんなくだらないことにつかってるのですわ!」
パシパシッとミリアが叩いてくる。
「いてて、スキルの使い方か...... あっ! この世界って魔法があったよな!」
「ありますですわ。 あなたがどうしてとおっしゃるならお教えしますですわ」
「それって取得するの大変?」
「それはもう」
「じゃあやめた」
「なんでですわ!!」
「面倒なことをしたくない」
「わがままをいってる場合ではないですわ!」
武具屋をみつけてはいる。 さまざまな武具がところせましとおいてある。
「みえない器官をどうやって使えば楽に倒せるかな。 剣を三本の腕でもてば非力なおれでも...... でもうまくきれるかな。 ん?」
その時、たなに古びた弓をみつけた。
「これやすいな」
「ああ、そいつはかなりいい弓なんだが、ただ重くて扱うのは難しいぞ」
そう年老いた店主がいった。
持ってみると確かにけっこうなおもさだ。
(おれの筋力だと重くてふらふら安定しない。 でも三本の腕なら)
片手とみえない腕で弓をもつと安定した。
(やはりもう一方の腕は重さを感じないからもつのにいい)
「ほぉ、そいつを持って安定させるか」
感心するように店主がいう。
「これくれる」
おれは弓を買い店をでた。
「なんで弓ですわ? つかったことかあるですわ?」
「いや、ないけど遠くから戦えるだろ。 ミリアとおれで遠距離で攻撃すれば安全だ。 ただ弓をもてるけど弦を引くのがおぼつかないな」
「ほんとに非力ですわ。 それならもう一本腕をつくればいいのですわ」
「えっ? つくれるのはひとつだけじゃないの?」
「そんなこといってないですわ」
「さきにいえよ!」
「すぐには使いこなすのは無理ですわ」
「くそっ! それならもっと使い道はあるだろ!」
「まつですわ! あまり多くつくると......」
おれはありったの腕をつくった。
「おお! 腕が四本もつくれた! 最初からこうしとけば...... いたっ!
えっ?」
激しい頭痛がすると、視界がグニャリと曲がり意識がとおのいた。
「ここは......」
おれは宿のベッドにいた。
「全くなにしてるのですわ!」
心配そうにみていたミリアが怒った。
「あれ? おれはどうした?」
「スキルはむやみに使うと危険といったですわ! スキルは使用に精神力を消費するのですわ!」
「そういや、そんなことをきいたような...... そうか使いすぎて倒れたのか」
「そうですわ。 急に多くの器官をつくったからですわ。 そもそもあなたには精神力がないのですわ。 つまり根性なしですわ」
「うっさいな。 確かに根性はたしかにない!」
「認めるなですわ!」
「......そうかスキルには限界があるのか」
「他の人なら同時に四つか五つ使えるはずですわ。 でも今のシュンはせいぜい二つが限度ですわ」
「くっ...... おれは肉体も心も弱いのか」
「そうですわ。 だから鍛えて強くするのですわ。 強くなればもっとうごかせるのですわ。 わかりましたですわ? 日々の努力が必ず答えるのですわ」
「......まあ、二つ使えれば十分だな。 今日は寝て明日かんがえよう!」
「なっ!!」
おれは叩いてくるミリアを無視して眠りについた。




