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第三十二話 『魔力の核を砕け』──第二の器官《セカンドオーガン》、逆転の一手。

「どうした? 逃げぬのか虫けら」


 蔑むような笑みを浮かべ悪魔はそういった。


(少しでも時間稼ぎをする......)


「お前は何者だ......」


「我は魔王ディムリア......」


「なっ!? 嘘だろ! ディムリア、どういうことだ!! ディムリアは......」


「もうよい...... 下等な貴様らとはなしている暇はない。 我は力を戻さねばならぬ」


 黒いディムリアはその場から動こうとする。


「やああああ!!!」


 セリエスが大剣を振りかぶりきりつける。


「......ふん、おなじことを」


 黒いディムリアは腕で防ごうとする。


「いけ!!」


 おれはおいていた弓矢を横から第二の腕ではなつ。


「ぐあっ」


 黒いディムリアの目に矢がささり、セリエスの大剣が肩口を切り裂いた。 赤い血が吹き出る。


「ぐぅ...... きさまら!!」

 

 黒いディムリアから黒い炎が放たれ、おれたちは吹き飛ばされる。


「がはっ!!」


「がッ!!!」


「許さん...... 下等な虫けらの分際で! この私に傷をつけるなど! その体、肉片ひとつ残さぬ!!」


 さらに黒い魔力があつまる。


(やばい...... なんとかセリエスを)


「......燃え盛る炎よ、凍てつき凍える氷よ、ひとつとなりてその力を我が前にしめせ...... 爆壊魔法......」


 ーーエクスプロージョンディストラクションーー


「なっ......」


 ディムリアがそういいその魔法をはなつと、氷と炎が黒いディムリアを包み凄まじい衝撃波をはなつ。


「があああああっ!!」


 黒いディムリアはそう叫び、土煙の中に消えた。


「ふぅ...... なんとか間に合ったな」


 ディムリアはため息をつきながらその場に座る。


「ああ、助かった......」


「ええ、あれはなんですか。 ディムリアと名乗ってましたが」


「......我とおなじ名前」


(ディムリアもわからないのか...... とはいえ、まずはここからどうかえるかだな)


「シュンさん...... あれ......」


 セリエスがふるえながら指差す。


「なっ......」


 土煙がとんだそこには体が焼けおちた黒いディムリアがいた。


「やって...... くれたな...... 必ず...... 殺してやる......」


 その体が光り少しつづなおっていく。


「やるぞ! セリエス!!」


「は、はい!!」


 おれたちは剣をとり、黒いディムリアをきりつける。


「無駄だ...... 我の再生は、この程度ならば...... すぐ癒す」


 再生が早い。 体がもとに戻りつつあった。


(こいつ再生するのか! あれは......)


 その胸の中に赤い宝石のようなものが見えた。


「がああああっ!!」


 黒いディムリアが咆哮するとおれたちは吹き飛ばされ壁にたたきつけられる。 


「ぐあっ!!」


「がはっ!」


「シュン!! セリエス!!!」


「魔力がほとんど失っていたからか、再生も遅かったな」


 そこには完全に戻った黒いディムリアがいた。


「さっきの魔法、どこかで...... 貴様は何者だ」


「ディムリア...... 逃げろ」


 おれはなんとか声をだした。

 

「我はディムリア...... 魔王ディムリアだ。 うせろ! 偽物めが!!」


「ディムリア...... なるほどそういうことか。 ならば貴様を食らってやろう」


 そういって黒いディムリアはディムリアへと近づく。


(くそっ...... うまく体が動かない。 あいつの体の宝石、あれは心臓みたいなもののはず...... あれを壊せれば、だが体はなおっちまった。 考えろ、おれの力でできること...... 見えない、遠くに...... もしかして)


「くくくっ...... さっさと逃げておればよかったものを」


「魔王は逃げぬ! あやつらをほうっておいて逃げるわけがなかろう!」


「どちらにしろ。 こいつらは虫の息...... ほっておいても死ぬが、お前のあと頭を潰してやろう。 くくくっ」


「か、勝手に殺すな......」


 おれは立ち上がる。


「シュン!」


「まだたつのか、その腕曲がっているな。 おれたか。 全く脆弱な生物よな」


「ああ、お前よりは強いがな。 ははっ」   


「......ならば貴様から殺してやろう。 しね!」


 黒いディムリアが目の前に近づく。


「第二の器官セカンドオーガン第二層レイヤー......」


「そんなことをして...... なんだ」


 黒いディムリアの体の中で音がした。 すると黒いディムリアから霧のように黒い魔力が吹きだしていく。


「ぐっ、なんだ! 魔力が外に! き、貴様何をした!! 答えろ!!」


「脆弱な人間の中で一番固いもの...... それは骨だ。 だからお前の中のものと固さを比べた」 


「我の体の...... まさか!!!」


「ああ、赤い宝石だ。 かかっ、どうやら中からは壊せるみたいだな......」


「貴様!!! ああああああッ!」


 黒いディムリアがこちらに腕を伸ばすが、その体は黒い霧となり始めた。


「ああ...... ああ...... あ......」


 そして体がなくなると、砕けた赤い宝石が地面におちた。

 

 

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