表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/58

第三話 『賭け事で一発逆転!?』──卑怯者には卑怯者の読みがある。

「おお、けっこういいサイズだな。 食われて死ぬともったが、これが代金だ」


 店主は笑顔でそういうと、奥からじゃらじゃらとなる袋をだした。 中には銀の硬貨がはいっていた。


 おれたちは店をでて町を歩く。


「ほらお金がはいったですわ」


「でも、モンスターはヤバいからな。 次もうまく行くとは限らない。 ほかにお金がもうけられて楽な仕事はないかな」


「そんなものないですわ。 さっさとモンスターを倒すですわ」


「さっきもたまたま勝てただけだぞ! あんなこと繰り返してたらおれは死ぬ。 この第二の器官セカンドオーガンをうまく利用してもうけるのだ」


「そんな、都合のいいはなしはないですわ」


「あるかも」


「ええええ!?」


 驚くミリアを背にして、おれは店にはいる。



 酒の匂いと興奮の熱気が充満した酒場だ。 飲んだくれたちが管をまいている。


 その一角で男たちがあつまっている場所がある。 カードゲームに興じているようだ。 勝ち負けで一喜一憂している。 銀貨を叩きつける音が勝負のたびに響く。


(やはり、賭け事か...... 今あの男がかってるな)


 おれはそのいくつかのテーブルをみてまわり、しばらくゲームを覗いていた。


「くそっ! 全部いかれた! 最初勝ってたのに!!」


 おれよりすこし年上の細い色白の若い男が天をあおぐようにいった。 テーブルにおかれた銀貨を相手の長髪の男がそうどりしている。


(こいつ......)


「お前もやるつもりかガキ」


 小柄な男が声をかけてきた。


「あ、ああ」


(怖いが、モンスター相手よりはましだな)


「金は?」


「ここにある」


 おれはもらった銀貨をみせた。


「ほう、ガキのわりにもってるな。 よしいいぞ」


 椅子に座る。 一応のルールはきいた。 カードの数字を揃えるポーカーのようなゲームだった。   


(このルールなら)


「本当にやるつもりですわ」


 いぶかしげにミリアがいった。


「あ、あの。 ルールはさっききいたことでいいだろ」


 おれは小柄な男にきいた。


「ああ、そうだ」


「イカサマは?」


「そりゃ、ご法度だ。 有無をいわせずしばって川に捨てる」


 そう相手の長髪の男が酒瓶を片手にいった。


「......わかった」


「じゃあ、お前らイカサマがないようにカードを配ってくれ」


「わかったジェレミ」


 観客の一人がおれと長髪の男ーージェレミにカードを配る。


「よし!」


 勝負が始まるとそれから何回かかつ。 負けるとジェレミは少し不満顔だ。


「ほお、ついてるな坊主」


「まあな」


「まさか、イカサマをしてるんではないですわ」


 そう小声でミリアがきく。


「............」


「次の勝負だ」


 しばらくかって負けてを繰り返す。 ただ俺の方が圧倒的に勝っていた


「......こう負けるのか。 どうも今日は運が悪そうだ。 どうするこのままじゃたいした額にゃならん。 ここらでレートをあげねえか」


「......わかった」


「やめるですわ! 結構勝ってるですわ」


「じゃあ、今までのそうどりだ」


 ジェレミはそういうと、銀貨の袋をいくつもテーブルの上にだした。 周囲から息をのむ音がした。


「それじゃあ、覚悟がいいか、これで勝負だ。 降りるなら今だぞ」


「......い、いや、勝負する」


 おれも袋をテーブルにのせた。


「いい度胸だ......」


 カードがくばられる。 ジェレミは手札をみて笑みをうかべる。


「おれのかちだな」


 そういうと手札をテーブルにおいた。 周囲からはため息がもれた。 とても勝てないほどの手だった。


「残念だったな坊主」


「ひきぎわってのがあんのさ」


「まあ人生こんなもんだ」


「いい勉強になったと思えよ」


 そう周囲がせせらわらったり同情している。


「じゃあこいつはもらっていくぜ」

 

 ジェレミはそういって袋に手を伸ばした。


「まってくれ」


「なんだ...... いまさらなかったことにはできねえぞ」


「イカサマしたな」


 周囲がどよめく。


「ほう...... お前、なにいってるかわかってんのか」


 そうジェレミはこちらをにらんだ。 特にあせる様子もない。


「坊主、負けたからってイカサマ呼ばわりはいけねえ」


「そうだ。 その証拠があるのかよ」


 周囲を不穏な空気がつつむ。


「......ある。 そのカードの残りを調べればわかる」


「もしでてこなければお前はしばって川に放り込むぞ」


「ああ、そうだ!」


 周りの男たちがいきりたつ。


「まあ、まて、さっさと証拠をだしてもらおうか。 おいカードを確認しろよ」


 そうジェレミは余裕しゃくしゃくでいうと、カードを配った男はカードをつかもうとした。


「うわっ!」


 男の腕が引っ張られたようにのび、袖からバラバラとカードがおちた。


「なっ!?」


「こいつカードを隠し持ってたのか!」


「ジェレミ! てめえ! イカサマしてやがったのか!」


 男たちがジェレミをみると、舌打ちしてジェレミはテーブルをひっくり返し店を飛び出ていった。



「でも、どうやって見破ったのですわ」


 ミリアが不思議そうにきく。


「こういう所じゃイカサマするやつがいるだろうと思ったんだよ」


「それがジェレミですわ?」


「ああ、だから第二の器官セカンドオーガンをつかって目をもう一個つけた。 それで手札を見てるようにみせつつ、周囲の様子を伺ったんだ。 でもジェレミはなにも不審な点はない」


「だから配ってる男が仲間だとわかったですわ...... でもジェレミがイカサマをしてるかは確定してないですわ。 シュンの勘違いかもしれないですわ」


「ああ、途中までは半信半疑だった。 だけど、最後に大きな勝負を仕掛けてきただろ。 最後に巻き上げるのはイカサマの常套手段だからな。 おれのまえにやってたやつが最初は勝ってたっていってた。 多分賭け事をあまりしないやつから巻き上げてたんだ」


「それで確信したのですわ」


「そう、ジェレミがなにもしてないなら、それなら札を配る男が何かしているってことだ。 だからカードの残りを調べてくれといった」


「それで見えない腕で引っ張ったのですわ...... それにしてもよくわかったですわ?」


「ジェレミ、あいつの目は卑怯ものの目だ。 おれは卑怯で怠け者だからな。 同じ思考をもつもの考えは手に取るようにわかるのだ」


「なにいばっているのですわ。 最低ですわ」


 ミリアはため息をつくと顔をしかめていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ