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第二十九話 『女王は守った、城は建った、金は減った』──ギルドの明日はどっちだ。

 ハルメシアさまとその部下、そして元騎士団員はグレンベルの兵士たちをなぎ倒す。 向こうのほうが兵数は多いが精強さがちがい、あっという間に相手の兵士たちを打ち倒した。


「グレンベルをとらえよ!」  


「ひっ......」


 グレンベルは一人だけ逃げようとした。 そこに仮面の錬金術師グアレナがあらわれる。


「グアレナ! 早くやつらをなんとかしろ」


「......もう、ここは終わりですね」


「おい! 聞いておるのかグアレナ!」


 グアレナが杖をつくと、木々の間より二体のキメラがあらわれる。 


「わたしじゃない! 奴らだ! やめろ! グアッ!!!」


 グレンベル大臣はキメラに噛みつかれ食われ始めた。


「......いけ」


 グアレナが杖をこちらに向けると、二体のキメラはこっちに向かってくる。


「あいつがあやつってんのか! ハルメシアさま! こいつは物理攻撃しか効かないが、胸に宝石があり弱点だ」


「わかった! こちらは我らがたおす! そっちを任せた!」


 そうハルメシアさまは片方にむかう。


「こっちもやるぞ!」


 おれたちはなんとか二体のキメラをたおしたが、グアレナの姿はどこにもなかった。


(やつはどこにいった......)



「シュンさま、ハルメシア卿、ルードリヒ、その他の皆様もお力添えありがとうございます。 お陰で戦争を回避できました」


 そうメーレ女王は深く礼を述べた。 女王が城にもどると、グレンベル大臣に与していたものたちはハルメシアさまに捕縛されると一掃された。 おれたちは女王より招かれて城にいる。


「ルードリヒ、騎士団にもどる気はないか」


 ハルメシアさまがきいた。


「いえ、私は約束どおりシュンどのといきます」


「ルードリヒ、いいんだぞ」


「いいや、一度諦め、やめた自分が騎士へと戻る気にはなれない......」


「そうか、ならばしかたあるまい」


「シュンさま。 ルードリヒのことを頼みます」


 女王からもそう頼まれた。


「あっ、はい」


 おれたちは城をでた。



 タルシオンに戻りおれたちの城へと赴く。 城はほとんど完成していた。


「おかえりなさい!」


 そう元気にセリエスが迎えてくれた。 


「すまないな。 一人に任せてしまって」


「いいえ、平気ですよ。 そちらのかたですね、新しい仲間の方は」


「ああ、ルードリヒという。 セリエスどのだな。 リアベールの子孫だとはきいている。 よろしく」


 そうルードリヒは挨拶を交わした。


「さて、これで依頼をこなしやすくはなったな」


「とはいえ、たった一人増やしてもしかたあるまい」


「いいや、今回キメラとカイザーゴーレムの報奨をもらったからな! 更に報酬の取り分を増やして人をさがす!」


「もうそのお金で細々と暮らしてはどうですわ。 そのぐらいはあるですわ」


「いやだ! ここまでの労力と投資した以上、もはや普通の生活など考えられん! 絶対にもとはとり成功させる!!」


「......お前それは破滅するやつの考えかたじゃぞ」


 おれはナザリオに会いに行った。



「なるほどね。 金はあるから人を集めてくれってかい」 


 ナザリオはソファーに深く腰を下ろして考えている。


「報酬の取り分を増やすんだ。 うけてくれるやつはいるだろ」


「ああ、確かにね。 でも、依頼主からの報酬の取り分が増えなきゃ、やはり報酬は少ないんだよ」


「でも、依頼主は国か、安い依頼料しか払うやつがいないだから、仕方ないだろ」


「そりゃ、あんたの信頼がすくないからさ。 信頼をえるほどまだつくって年月が過ぎてないだろ」


「そりゃ、そうだけど、そんなこと言ってたら永遠に仕事にならん」


「もともと誰もやってない仕事をやるのはむずかしいのさ。 誰もしてないんだからノウハウもない。 実績のある傭兵やモンスターを討伐する狩人なんかがいるのに、あんたのとこを依頼するやつなんて、安い依頼料しかださないさ」


「そこをなんとか知恵を貸してくれよ! うっ、うっ、うおおおおん!」


「わかった、わかった、泣くんじゃないよ。 しかたないね」


 そういうと、ナザリオは大きなため息をついた。


(ふふっ、泣き落とし成功......)


「......まあ、確かにあんたには故郷のモンスターを倒してもらったからね。 それならのヤーツ砂漠のことをひとつ頼もうか」


「ヤーツ砂漠? あああそこのデザートワームを倒したけど?」


「ああ、でもモンスターはいるんだ。 だから町を復興しようにも大工たちを送れない。 だからモンスターを排除してほしいとこっちに依頼がきてる。 そっちにもあるはずだろ」


「......ああ、そういや、国からそんな話しがあったな。 なぜこっちにもあるんだ?」


「そりゃ、あんたらに気を遣ってるんだろ。 国の指定災害モンスターを倒してくれたから仕事をまわしてくれてる。 でもそっちは人材が少ないからさ」


「なるほど...... 王様の気遣いか。 それならもっと高額な依頼があっても良さそうなもんだけど」


「まあ国にも信頼されてるとは限らない。 金がかかってんだ。 そう簡単には信用されないよ」 


「そうか。 やはり実績がたりないのか...... それで依頼は町の復興のためのモンスター討伐でいいのか?」


「ああ、詳しくはなすよ」


 そうナザリオから詳しくきいた。

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