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勇者の誕生

 


 地球とはまた別の、とある惑星には、大きな大陸が一つありました。

 その大陸には人間と魔族が住んでいました。

 その二つの種族が住むところの境には、深くて広い大きな森で隔たれていて、普通の人は行き来できません。


 長い長い間、人間と魔族は争いを繰り返し、両者は疲れ果てて争いは昔ほどではなくなったけれど、今でも世界は平和とは程遠い時代でした。


 争いが下火になって100年余り。


 魔族が新たな王を得て、次の争いに備えているとの情報が、人間の耳に入りました。


 けれど、人間の中に勇者は現れません。


 勇者とは、人間の国に受け継がれる物語の主人公であって、聖剣に選ばれて、悪を打ち倒し、世界に平和をもたらすと言われている、正義のヒーローです。


 魔族には王が出来たというのに、人間の世界には未だ人間を率いる勇者は現れない。

 人間たちは慌て、焦り、恐れて、女神様に祈りました。


「どうか、人間の世界に平和をもたらす勇者を授けてください」


 すると、不思議なことに女神様への儀式を行った翌日、聖殿に深く突き刺さったままの聖剣がコツジョとして姿を消したのです。


 それと同時に、人間の国で1番心清らかな神官に、一つの信託が降りました。


「祈りは、しかと聞き届けました。

 聖剣は勇者と共に、悪を打ち滅ぼすでしょう」


 しかし、遂に聖剣を携えた勇者は、王の前に現れることはありませんでした。


 これは名もなき勇者が、悪を打ち滅ぼして世界に平和をもたらす話。





 人間と魔族の土地の境にある深くて広い森。

 その森の近くに、人間の国から見捨てられた村がありました。


 魔物が発するショウキで作物も満足に育たたず、川の水はショウキで、黒く濁り飲むことすらままなりません。

 森からたまにやってくるドウモウな魔物に、家畜は食べられてしまい家畜を育てることもできませんでした。



 しかし、その村から次の村までの距離はとても遠くて、日々を暮らしていくのもやっと食糧では、次の村までたどり着くまでに餓死してしまいます。


 なので、見捨てられた村に住む住人たちは、緩やかな死を受け入れて暮らしていました。



 魔物の発するショウキは人間の体を蝕み、特に体の弱い子供や老人たちはショウキに当てられ、倒れてしまう人が大勢出ていました。

 それを治すためには、とある薬草が必要でした。


 でもその薬草は、魔物の森の泉の周りにしか生えていません。

 勿論、戦う術の知らない村人が、取りに行けるわけはありませんでした。

 けれど勇敢な、とある少年が病に伏せる妹のために、魔物の森に足を踏み入れたのです。


 運よく、魔物に遭遇せずにきた少年でしたが、薬草を摘んで帰ろうとした時には魔物に囲まれていました。

 沢山の魔物が少年に襲い掛かろうとしたときでした。


 そこに勇者が現れたのです!

 勇者は勇敢に剣を振るい、魔物をあっという間に倒してしまいました。

 そして少年の手を取り、こう言いました。


「君は勇敢で心優しい少年だ。この辺りの魔物は僕に任せて、早く村に帰りなさい」


 少年は言われた通りに村に帰り、勇者が助けにきてくれたことを村人に伝えました。

 魔物の掃討が終わった勇者は村に立ち寄り、もうこの村は安全だと村人に伝えました。


 村人は心から感謝し、お礼に勇者に生命の秘薬を渡しました。







 やっと夏休みに入った。


 宿題は沢山あるけれど、まだまだ時間はあるんだから、ゆっくりやろう。

 あれ? こんなところにずっとほしかったゲームのソフトがある。


 パパとママがサプライズプレゼントしてくれたのかな?

 あとで、お礼を言いにいかなきゃ!


 レジ―は最近体調がちょっとマシにみたいだし、これで一緒に遊ぼうかな!






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