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読書漫才 vol.1 もしもウサギとカメが漫才師だったら…

作者: イナバ☆ナオキ

ウサギ・カメ「はいどーも!」


ウサギ「ウサギでーす!」


カメ「カメでーす!」


ウサギ・カメ「二人合わせてウサギとカメでーす!」


ウサギ「そんなの見ればわかるよ。ビジュアルだけでハッキリしてるよ、俺達は動物なんだから」


カメ「今日は名前だけでも覚えて帰ってくださいね」


ウサギ「ウサギとカメの名前を知らない義務教育以上の人間はおらんだろ」


カメ「とか何とか隣で身寄りの無い哺乳類がワーワー言うとりますけどねー」


ウサギ「動物なんだから大人になれば誰だって身寄りなんかいねーよ」


カメ「会場のお客さん、綺麗な方が多いですね。左からべっぴんさん、べっぴんさん、一人飛ばして哺乳類」


ウサギ「ちょいちょい生物学的な観点でボケるのやめろよ」


カメ「はい、今のギャグ滑りましたー!客席がしーんとなりました。この食物連鎖感が堪んないですね!僕達、ネタが終わったら食肉にされてスーパーに売り飛ばされちゃうんでしょうね!」


ウサギ「さっきからえげつない動物ネタ入れるのやめろよ。そもそもウサギとカメの肉を売ってるスーパーなんてほぼほぼないだろ?」


カメ「ところで皆さん、ウサギとカメと言う童話を知ってますか?」


ウサギ「聞いたことあるよ。ウサギとカメが競争する話で、ウサギが怠けて道端で寝てる間にカメが追い抜かして勝利する話だろ?」


カメ「そうです。あれは実際は勝つのはカメじゃなくてウサギなんですよ」


ウサギ「童話じゃカメの地道な努力が実を結んで勝利する話になっとるやん」


カメ「危機察知能力の高い草食動物が道端で昼寝なんかすると思います?」


ウサギ「危機察知能力の高いイタリア代表のワンボランチみたいな言い方するなぁ。あくまでも童話の話だし動物の生態を現実的に考えすぎだろ?」


カメ「じゃあ百歩譲ってウサギにカメが勝ったとしましょう。でもその後、ウサギはどんな行動に出ると思います?」


ウサギ「童話のウサギは短気だからな。怒ってカメをどつき回すんじゃ?」


カメ「正解!カメは徒競走に勝っても腕力ではウサギに勝てない。ボコボコにされて甲羅ごと谷底に放り込まれます」


ウサギ「かわいい童話が人殺しのB級ホラー映画に変わってもうてるやん」


カメ「これが食物連鎖です。努力すれば報われるとか童話作家の勝手な自論で動物には関連性の無いフィクションの世界です」


ウサギ「そんなんリアリティを追求するならウサギってそもそも草食動物じゃん。カメを襲うほどの暴力性があるとは思えんけどなぁ」


カメ「ところが数千年前にオーストラリアで肉食のウサギが生息していたという事実が最新の古生物学の研究で明らかにされたんです」


ウサギ「そんなの詭弁じゃん!ご都合主義じゃん!童話作家も令和の古生物学まで研究して書いてる訳ないじゃん!」


カメ「おいおいあんた!ウサギの癖にウサギの先祖の歴史も知らないで童話でカメに負けるのが悔しくないのか?」


ウサギ「ぜんぜん悔しくないよ!お前の詭弁に論破されて丸め込まれた方がよっぽど悔しいよ!」


カメ「やっぱり漫才でもカメはウサギを丸め込むことが出来ませんでした。食物連鎖に負けましたとさ。めでたしめでたし」


ウサギ「けっきょく童話の締め方も食物連鎖かよ!いい加減にしろ!」


ウサギ・カメ「どうも、ありがとうございましたー」(終)

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