第五話:笹月さん、のむらの被害に遭う、前編の巻〜これって実質金銭詐欺なんじゃないか?〜
今回はザキさんの相方、笹月視点の話です!
私は神埼 双葉。
またの名を「笹月」。
秘境グンマーから憧れの都内に越してきた二十代のオタク女子だよ!
創作大好き、うちのこ大好き! 同人誌も出すよ!
そんな中、私はとある人とSNSで出会った。
名を「のむら」。
どうやら、アスタリスク*ファイブ関係の創作をしているらしい。
私もアスタリスク*ファイブの創作をしていて、コピー本を刷った事もあるし公式グッズも買っている。
やったー!アスタリスク*ファイブ創作の同士だ!!
……などと喜んで互いに挨拶を交わしていた。
どうやら彼女は私とはもう十年くらいは長い付き合いを果たしているザキさんとよく話しているようだ。リア友なのかな?
ザキさんに聞けば一発で答えが返ってくるんだろうけど、第三者の関係に口を挟むのはどうも気が進まないのでやめておこうと思う。
そんなある日。
「通話アプリで通話しない?」
え、もう?
繋がってまだそう日が経たないんだけど、まあ、個人情報とかじゃないしいっか。
などと思い、通話した。
……んだけど。
「そういえばのむらさん、ザキさんとはどこで会ったのー? 彼女、引きこもりだけど」
「うーん……」
ちょっと勇気を振り絞ってのむらに聞いてみたら、反応が鈍い。これは話を切り替えた方がよさそうだ。
「ザキさんとは一年くらいの付き合いで〜」
と彼女は語り始めたので。
「へえ〜! そうなんだ! 私は震災のあった年だから……ザキさんとは十年くらいの付き合いかな?」
震災のあった年+某カードゲームアニメが稼働した年なのでよく記憶に残っている。さりげなくザキさんマウント(命名)をされた気がしてむしゃくしゃしたのでマウント取り替えしてやったら彼女黙ったよね。
正直のむらさんがザキさんとよく通話してたのを知っているから、なんというかこう、浮気現場を目撃した彼女みたいな感覚になってしまったような気がしてならない。
まじでのむらさんとザキさんはどう出会ってどんな関係なんだ……?
とりあえず、一度通話して分かった事。
「(もうこいつと通話すんのやめよ! めんどくせ! 話合わね!)」
私の防衛本能に従えって事だ!!!!!
でも、通話だけじゃなかった。
メッセージにて。
「笹月ちゃん、アスタリスク*ファイブの同人本だしてるの?」
「コピー本だけどね〜」
「こっちもある話を本にして出そうと思うんだ。もしよかったらこっちも本に出す内容の話を投げるから、笹月ちゃんの本の内容見せて貰えないかな?」
え?
本にしたいから本にしたんだけどな……。ぺらいコピー本だけどさ。
それをメッセージに張り付けて送る? え? わざわざ画像化する手間を私がやれと?
えーーーー……。
でもまあ本と本で等価交換なら、妥当……な、のか?
向こうが本にするんなら、な。
しっかたねえなーと面倒くさがりながらもiPadを取り出してわざわざ画像化。更にスマホに画像を送る手間。
で、送った。
向こうも本にするという噂の話の小説を数ページ投げた。
そこまではいい。
*
おいいいいぃぃぃい!!!!
本にしてねーじゃんかよおおおおおおおおお!!!!
詐欺じゃん!! 私のコピー本は頒布価格百五十円と安いけど(コピー本だから安くて当たり前かもだけど)、それでも詐欺じゃん!!!!!! タダ見されたと同義じゃん!!!!!!
そこから私の、のむらに対する信頼度はがたりと落ちる。
ほんとはブロックとかしたかったんだよ。話も合わないし。
でもこいつとザキさんは仲が良さそうだし、いくら私の方が付き合いが長いとはいえ、責められたら嫌だ……。
だから、そのままにしておいた。
でもまさか、更にやらかされる事になるとは……。