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ある執事の仕事は完璧です。  作者: ナナさん
ある執事はいつも通りの仕事をする。
2/2

あるご主人様も朝支度をする。

私はある村にいた。

そこで私は迫害を受けていた。

理由は簡単、瞳が黒いからだ。

他の人は黄金の瞳をしているのに対して、私だけは黒い瞳、それだけで異端扱いだった。

しかしそんな中でも親は私を愛してくれた。

何故愛してくれるのか聞くと


「罪の償いでもあるが、俺達はお前の親だからだ。」


と言ってくれた。

涙が溢れた。

愛される事が1番の幸せであると全身で感じることができた。

この幸せがずっと続いて欲しかった。

しかし現在は甘くはなかった。

ある日、私は起きるとそこは森の中であった。

お父さんは?お母さんは?と考えているとある人達がこちらにやって来て、私の前に立つと冒険者と名乗った。


「お父さんとお母さんはどこ?」


私は彼らに聞いてみた。

すると彼等は俯き、少しして、彼等のリーダーと思われる人が顔を上げ、私に話し出した。


「ここは危険な森で子供がいるはずがないんだ。

だから君は・・・」


ここまで聞けば理解できた。

捨てられたんだと。

しかし不思議と怒りや悲しみは全く無い。

今までが夢であってもう覚めてしまったんだと感じた。

するとリーダーの人が


「君はこれからどうしたいんだ?」


と聞いてくる。

彼の言葉で私はこれからどうするかを頑張って考えた。

そして私はある事を思い立ち、決意を込めた黒い瞳を彼に向けて言った。


「有名になる。」








「ご主人様、朝です。お目覚めになってください。」


私は身体を優しく揺らされながら、聞き覚えのある声で目覚める。

目を開けるとそこには優しく微笑んでいるエレシアの姿があった。


「ん・・エレシア?」


「はい、エレシアです。おはようございます、ご主人様。」


「ええ、おはよう。」


エレシアに挨拶を返して、大きく背を伸ばす。

そしてベットから降りようとした時、エレシアが私の顔をじっと見ている事に気がついた。


「エレシア、どうしたの?私の顔に何か付いてる?」


「いえ、お顔が優れない様に見えましたので。お身体の具合は如何でしょうか?」


ん?・・あぁ、そういう事。


「大丈夫よ、さっきまでちょっと苦い夢を見ていただけだから。取り敢えず着替えをお願いね。」


「かしこまりました。」


エレシアに指示を出し、私は顔を洗う為に洗面所へ向かい、洗面台のある部屋に入る。

顔を洗おうと洗面台に近づくと、目の前には取り付けられている鏡があり、そこには私の黄金の髪と・・迫害の原因だった黒い瞳が写っている。


「はっ、目の色の違いで仲間外れなんて溜まったもんじゃないわ。」


言葉を吐き出し、残っているモヤモヤを洗い流す様に水を何度も思いっきり顔に当てる。

そしてタオルで水滴を拭いて、顔を上げ、鏡に向かって、不敵な笑みを浮かべる。


「けど、感謝もしているわ。この目のおかげで自慢の部下にメイド、そしてエレシアとカルミナを手に入れる事が出来たのだから。」


そう、もう私は一人じゃない。

これから先、どんな事があろうと私は皆と一緒にこの商会を盛り上げて、前に進み続けるんだ。


「さて、今日も一日頑張るわよ!!」


スッキリした顔で、洗面台のある部屋の扉を思いっきり開ける。

すると今日の私の服を持ったエレシアが笑みを浮かべて待っていた。


「お顔が大分良くなりましたね、ご主人様。」


「ええ、絶好調よ!」


そう言って、私はエレシアから服を貰い、着替えを始めた。


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