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第9話 少女の秘密と新たな始まり

「今から話すことは秘密にして頂きたいのです!」


翔は真剣な表情を浮かべながら軽く頷く。


「いいですか。このネックレスは人格の入れ替えができるなのです」

「人格の入れ替え?」

「そうです。つまり私、神薙由比は二つの人格をもっていて好きな時にお互いに人格の入れ替えができるんですよ!」

「えっ!本当ですか?」

「本当です!嘘をついてどうするんですか?」


翔は唖然としてしまった。

(だってつまり神薙由比は二重人格で、好きな時に人格に入れ替われるってことだよな?)


「...そっか」

それしか言葉が出てこなかった。


本人に言われたらまた厨二病的な事を言っていると思うが実際に今、

目の前でネックレスとお喋りしている訳なのだから。


「そして人格の交換をすると瞳の色とネックレスの色が変わります」


(そうか、だから昨夜公園で見た時、彼女の瞳は紫色でネックレスが青かったのか)


「なるほど...理解した」


翔は納得の表情を浮かべながら二回程頷いた。


「本当に理解出来たんですか?外見は馬鹿な男に見えますが?」

「大丈夫。頭は好い方なんで」

苛々が抑えきれず、厭味ったらしく言ってしまった。



「どうでもいいので、早く私をもう一人の私に届けてください!」


(本当に言い方が荒いな!)


「わかりました!でも一つだけ聞いていいですか?」

「何でしょうか?」


翔は昨日学校で彼女が不意に言った言葉の意味が気になっていた。

もしかしたら彼女は本当に女神なのかと、

実際にこんな現状に成っているわけなのだから。


「昨日学校に転校してきたときの人格はあなたですよね?」

「そうですよ」

「なっ、なら本当に女神何ですか?」


翔は恐る恐る聞いてみる。


「...そんなわけないじゃないですか!」

「え......」


一瞬固まってしまった。


「じゃあ、なんであんなことを言ったんだ!」


声を荒立てながら再び聞いてみると、


「それは周りがあまりにも煩くて嫌だったので厨二病的な事を言えば周りから居なくなってくれるかと思って言っただけです。まさか本当に私が女神だと思ったんですか?考えが厨二ですね!」


(その発言をしたお前には言われたくない!)


翔は肩を落として幻滅していた。


今まで彼女に対して膨らんでいた気持ちが一気に殻になった。


「そ、そうですかー」


だが、翔にはまだ希望はあった。


それは今の現状である。

彼女が不思議な人間であることが判明したのだから。

彼女に対しての興味性はまだ失われていなかった。


笑顔でペンダントを見詰めていると、砂で汚れているのがわかった。

鞄からハンカチを取り出しネックレスに付いた砂を掃った。


よく見ると水晶の中に白い人魂みたいなモノが浮かんでいた。


「何をジロジロ見ているんですか?早く連れて行ってください!」


「すいませんでした!ネックレスさん」


厭きれた表情をしながら言った。


「その言い方やめてください!あと、私の名前は神薙由比です!ちゃんと名前で呼んでください」


現在翔が話している相手はネックレスであるが本当は神薙由比と言う美少女なのだ。


「神薙さん!」


妙な間が空いた。


「あまり苗字で言われるは好きではありません。助けて頂いたお礼に...し、下の名前で呼ぶことを許します」


助けたお礼に下の名前で呼んでいいって、なんか変な気分だが気にしないことにした。


「そ、それでは!...ゆっ由比さん」


(......何か滅茶苦茶恥ずかしい)


翔は顔を真っ赤にしながら言った。


「ひゃい!」


(ひゃい!? はい、と言いたかったのだろうか?クソ可愛いじゃねえか!!)


翔は今ままでの暴言をすべて許すことにした。


暫く二人は沈黙していた。


結晶を見てみると白かった人魂観たいなモノが赤く成っていた。

何で急に赤く成ったのかはわからなかった。


「そ、それでは行きますか!?」


沈黙が続いて気まずい雰囲気になったので話しかけた


「そ、そうですね。お願いします」


翔は砂場から腰を上げ制服に付いた汚れを掃い、

ネックレスをポケット入れようとした瞬間

「ちょと、そんな処に入れないでください!」

「そんな処とは失礼な!」


ネックレスを睨みながら言った。


「首に掛けてください」


(首に掛けるのはいいが大丈夫なんだろうか、人格交換可能なネックレス身に着けて)


不安な表情を浮かべながら心配していた。


「心配要りませんよ。このネックレスの効果は私ともう一人の私しか人格交換はできませんので」


彼女は翔の不安げな表所を見て今までとは違う明るい声で言ってくれた。


「ありがとうございます」

「いいえ!それと敬語使わなくていいですよ!同い年ですから。わ、私も敬語やめるから!」


彼女が急に優しい言葉使いになった。


(ツンデレなのか!?そうなのか!?レアなのか!?惚れるよ?いいの?言っちゃうよ!?惚れてまうやろー!!)


動揺した翔は心の中で狂った様に叫び続けた。

高ぶる興奮を落ち着かせ、深呼吸した。


「わ、わかった!由比がそれでいいなら」

「う、うん」


ゆっくりとネックレスを首に掛けた。


「私の処まで宜しくね」


(その喋り方満点!!!)


「了解!」


翔は人生で一番今が楽しと思っていた。


これからも由比と一緒に居れば不思議なことや楽しい事が沢山起こる様な気がしていた。


色々な感情を胸の奥に秘め、

ロープを跨ぎ、太陽の光に当てられながら上機嫌で病院に向かって歩き出して行ったのであった。



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