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第7話 爽やかな朝に過激なスキンシップ

気付くと朝に成っていた。


小鳥が”チュンチュン”と鳴き、雲一つない快晴の天気。


トーストの焼けた匂い、珈琲の匂いと妹の声が聞こえてくる。


翔は暫く布団の上で大の字に成りながら目線を窓に向け口を開き、

呆けていた。


”トントン”とドアをノックする音が聞こえてくる。


「おはようございます。翔さん起きていますか?」

家政婦の優美さんが起こしに来たようだ。


「おはようございます。優美さん。今起きた処です」

「そうですか。朝食が出来ましたので着替えて来てくださいね!」

そう言いってドアの前から去って行った。


着替えを済ませ、洗面所に行き歯と顔を洗いリビングに行くと何時も通りの風景があった。


「翔さんおはようございます」「お兄ちゃんおはよう」

「おはようございます。優美さん」「おはよう。香奈」


席に着き、焼きたてのトーストを齧り珈琲を飲みテレビを見ていると、


「翔さん。昨日は帰りが遅かった様ですがどうしたのですか?」

心配そうに優美さんが聞いて来た。


朝食を食べながら時間を掛けて長々と昨日の出来事を二人に話した。


「そうでしたか。大変でしたね」

「不思議な一日でした。あとすいません。シャツがビリビリに破けてしまっているので後で処分して置いて下さい!」

「わかりました。新しいシャツも買って置きますね!」

「ありがとうございます!」


(優美さんは本当に気が利く)


「ごちそう様でした」

「お粗末様です」


翔は優美さんが作ってくれたお弁当を持ち自分の部屋に向かい、

鞄にお弁当を入れ忍び足で玄関に向った。


”ダッダッダ”走ってくる音がしたので後ろを向くと、


「お兄ちゃん!また何も言わないで行こうとしてる!」

香奈が不機嫌そうに言ってくる。


不機嫌そうな理由は”行ってきます”を言わないで行こうとしていたからであった。


なぜ、行ってきますを言わないのかと言うと、

優美さんと香奈のスキンシップが嫌だったからである。


そのスキンシップの内容が今時頬にキスをし合う。

という内容のものであった。


(外人じゃないんだからさぁ!)


このことを決めたのが香奈と優美さん。

母親が居ない分沢山の愛情を注ぎたいと二人で話し合って決めたそうだ。


香奈の声に反応した優美さんが走って来た。


「翔さん!何回も言いますが”行ってきます”を忘れていますよ!!!」

優美さんは自分の頬に指を当てながら”ポンポン”と叩て言ってくる。


「いっ、行ってきます。」

翔が頬を赤くしながら言うと香奈が頬にキスをして来た。


翔も同じように頬にキスを返した。


「行ってらっしゃい。うふふ」


香奈は照れながらリビングに走って行った。


だが問題は次である。


香奈は家族だからまだ大丈夫だとして、姉の様に接しているが、優美さんは綺麗なので緊張してしまう。


「さてさて次は私番ですね。ウフフ」


(こういう時の優美さんは何だか不気味で怖い)


肩を掴まれ勢いよく引き寄せられ頬にキスをされた。

翔は身体をプルプル震えながら優美さんの頬に軽くキスを返した。


「行ってらっしゃい。てへ」


優美さんは舌をだし笑顔で笑って言ている。


(こっちの気も知らないで!)


靴を履き睨んだ視線を優美さんに向け玄関のドアを開けた。




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