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第6話 愛しい妹

自宅に到着し鍵を開け靴を脱ぎ部屋に入ろうとした瞬間。


「お兄ちゃーーん。心配したよ!」

泣きながら抱き着かれた。


妹の成瀬 香奈(10歳)小学4年生。

茶色い髪のツインテールで甘えん坊な可愛い妹。


翔の両親は離婚し、父親と翔と香奈の三人で暮らしている。


父親はNASAの研究員で家には年に一度帰ってこれたらいい方で、母親は父親との関係が上手くいかなかった為、

離婚し翔と香奈は父親に引き取られた。

NASAの研究員だけあって裕福な暮らしができていた。


週に5回は家政婦さんが来てくれて家事全般をやってくれる。


「ごめんな!色々あって帰れなかった。連絡一つ入れとけばよかったね。...ごめん」

「本当だよ」


小さな拳で腹部を何度か叩かれた。


「ちゃんとご飯は食べたのか?」

「うん。優美さんと一緒に食べた!」


家政婦の杉崎 優美(22歳)


眼鏡を掛け黒髪のロングヘアー。

身長は160㎝位。

スレンダーな体付きで、明るく、時々不気味で怖い時があるが、

何かあった時は泊まり込みで面倒を見てくれて、休日なのに心配して来てくれる。

とても優しい性格なのだ。


大学を卒業し22歳という若さで家政をやっている。

掃除や料理は勿論、勉強など色々教えてくれる。

翔と妹は実の姉の様に接していた。


「お兄ちゃんのご飯もちゃんとあるよ。優美さんが”温めて食べて下さい”だって!」

「そっか。ありがとね、香奈」


香奈の頭ゆっくりと撫でる。


「てへへ」


可愛らしい笑顔で頬を赤くしながら見てくる。


(この笑顔で癒されるんだよなー)

翔は笑顔で香奈の頭を撫で続ける。


「ところでその服どうしたの?袖の処ビリビリだよ!」


香奈の頭から手を下し、目線を自分の服に向けた。

片方の袖がビリビリに破けており、所々血が付いていた。

今までの状況を説明するのが面倒だったので話を逸らした。


「取りあえずシャワー浴びてくるからテレビでも見て待ってて」

「わかった。眠いから早くしてね!」


香奈はリビングに走って向かって行った。


洗面所まで行き服を脱ぎシャワーを浴びた。

シャワーを浴び終わり着替えを済ませ、リビングに行くと眠たそうな表情を浮かべながら香奈がテレビを見ていた。


「香奈。眠いならもう寝なさい!」

「...お兄ちゃん...もう...出たの?」

「出たよ。俺もご飯食べて寝るからもう寝なさい!」

「う、うぅん...わかった...お兄ちゃんお休みなさい」

「お休み。香奈」


そう言って香奈は足元をフラフラさせながら自分の部屋えと向かった。


ご飯を食べ終わり、眠気が襲ってきた。


「俺もそろそろ寝るか」


テレビの電源を消し、自分の部屋の布団に飛び込んだ。


目を瞑り今日の出来事を思い返した。


見知らぬ美少女を公園で見かけ、その美少女がいきなり転校して来て、

厨二病発言をして周囲をドン引きさせ、夜の公園で一人で事故、

彼女を助け、そのまま病院に直行し、彼女の家庭の事情まで知ってしまった。


明日は担任に、


「昨日の出来事を詳しく教えてくれ!」

なんて言われて色々聞かれるのだろう。


「...面倒だな」


(神薙さんは大丈夫なのだろうか......)


翔はいつの間にか深い眠りに落ちていた。




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