『幼女』
そこには仁王立ちでたたずむ1人の金髪ロリ幼女がいた。
あれ? 幼女? ここは異世界なので一応その可能性を考えたが、さすがに異世界、常識は通用しない。
予想に反し、いや予想通り、その幼女は実に偉そうに口を開く。
「うむ、今回は成功のようだな、見事異世界組を引き当てた。さすが自分、自分偉い。自分最高!」
なんか偉そうに小躍りを始める。なんだコイツ?
いや見た目に惑わされてはいけない。ここは異世界の魔法の世界
しかも自分は弱小蝙蝠なのだ。とりあえず下手にでるしかない
「魔将様でいらっしゃいますか?・・・・自分を召還した、その」
「そうだ我がお前を召還した。うむ、今回はなんとか異世界者を引き当てた。今回の召還は質より数にしたのは正解だったな」
「はぁ」
「で、お前のいた世界はどんなだ、我に説明せい」
まぁ、そうなるよね。仕方なく、自分のいた世界を簡単に簡潔に説明する。
魔法がなく、人間だけの世界であると同時に、機械文明の説明をなるべく簡単に説明する。
「ふむ、魔法のない世界か、しかもかなり文明が進んだ。だが・・・・問題がある」
「問題? それは何でしょう?
「お前の話の大部分はさっぱりわからん」
目の前の金髪ロリ幼女様は偉そうにふんぞり返りつつ答える。
えっ。。。ここでしばし、頭が再度真っ白に。自分、小学生にも分かるようになるべく簡単に説明したつもりだったのだが。
あれ? もしかして自分説明下手なんだろうか?
前世では人に教えることなんてなかったからなぁ。もしかして気付かずに説明したいのかも。軽く自己嫌悪
いや、もしかしてこの世界とは技術が乖離しすぎて、分かりづらいのか、それとも本当に目の前の魔族の少女が見た目通りの
いや、見た目以下の知恵しかないのか、どうなんだろう。
「まぁ、自分はここの現状がわからないので何とも言えませんが」
とりあえず無難に回答する。
「よし、お前は今日から我が参謀となり軍師となり人間どを倒すのだ」
「えっ?」
えっ何? 参謀? 軍師?ナニソレ。話が急展開すぎてついていけませんが?
今まで普通電車だと思った電車が、そのまま加速し3回転半宙返りしたかと思ったら、そのまま空に飛びました!
はい、自分の思考が全くついていきません。なに? この急展開?
「よし、これで勝利も目前、今から出陣だ」
「えっえっ?」
「よしとりあえず突撃じゃ」
「ちょっと待てやコラ!」
ゴメン少し切れた!
「なんじゃ異世界人、何か不満でもあるのか」
いや不満どころか、何が何だか。わからない。正直このまま突撃とやらし、生まれた直後にもかかわらず直ぐ次の人生、いや人生かわからないが送るのは避けたい。
「いや、もう少し説明してください」
「ん 仕方ないのぉ。異世界人、特に魔法のない世界から来た者は知識に優れ、戦争に強いと聞いておる。なので今回の戦は当方の勝利間違いなしというわけじゃ」
「いや、なんかよくわからんですが。自分何か特殊な力でもあるんでしょうか?」
「そんなものわらわが知るわけがないじゃろ、異世界人は戦に強いとしか聞いておらん。なんか軍師? とか参謀に最適と聞いたことがあるのでな」
「あの軍師とか参謀なら、直接的な武力というより兵法になるんでは」
「兵法? なんじゃそれ、それにそもそも軍師とか参謀とかも何するのかも知らん。それよりも戦だ! さぁ突撃するぞ」
あ、分かった。この人本当に馬鹿なんだ。
戦争で一番やっかいなのは有能な敵ではなく、無能な味方というが、こんな馬鹿上司では戦などできるもんではない。いぁやばすぎでしょ。
あんたは牟田口中将か!
「いや、その前に自分の仕事させてください。戦には準備がいりますんで」
「ふむ、そうか。おぬしが言うならそうであろう。そもそも妾は考えるのが面倒なんじゃ、おぬしに全部任せる。」
「はぁ」
「さぁ、任せたからには勝利は約束されたようなものじゃ。妾はここで昼寝をしていおる、随時まかせるぞアハハア」
いや、いっその事全部任せるって。まぁどっちかというとありがたいんだけど。ここまで来ると逆にすがすがしいというか・・・まぁいいけどさ。
そういうと、直ぐに横になる我が主、いや年相応とみればかわいいんですけどね
見た目は小学生高学年くらいか、しかしその服装は最小限の布で構成されていかにも女王様という服装だった。
でもぺたんこな胸に、その服装・・・そこで寝転がると見えるですけどね・・・胸の隙間からその先端が、いぁ
それに関しては何もいうまい。自分の胸にそっとしまっておこう。当然永久保存版としてだ!
となると、たよりに成るのは蝙蝠先輩か・・・この金髪ロリ幼女よりは多分まともだしな。
「先輩」
「ん? 接見は終わったようだな。どうだかわいいだろう」
「それに関しては否定はしませんけどね、とりあえず「全軍任せた」とあるので現状を把握したいんですが」
「それに関してはこっちも聞いている。異世界人が召還できたら全部任すとあり、そもそもこの召還が起死回生の作戦だったわけだしな」
「あぁ、そうだな、まぁ最初から説明するとだな。すでに我が軍は全滅したのだよ」
「・・・・はい?」
その信じられない言葉に、又自分の頭の中は真っ白になった。