おっぱい編 『捕虜』
おっぱい副将、それが我が名前である。
いや・・・無論本名ではない。
いか、あってたまるかこんなもん!
あの戦勝祝賀の発言の後、我が主人は自分をその豊満な胸の谷間に挟んでくれた。それはまさに至福といえる瞬間であった。
結果として、それまで冷酷で非情、そして優秀という我がイメージはすべて『おっぱい』のイメージに塗り替えられていた。
『おっぱい』
『おっぱい』
『おっぱい』・・・・うん
いや無論好きなんだけどね・・『おっぱい』
無論面と向かって『おっぱい』言われることはあまりなく『副将』と言われるのだが、影で自分は多少のアレンジを加え、『おっぱい様』とか『おっぱ副将』と常日頃呼ばれる事になった。
そんな平和が続く、人間の侵攻から数日が経過した。焼けた城内は主人の能力『陣地構築』で元通り、さらにそれにあたらに自分が改良を加え、より堅固で柔軟な城に変化していた。
次第に我が陣営は回復しつつあった。その中で当面の問題は人間達の『捕虜』の扱いであった。
魔族は基本捕虜を取ることはなく、基本皆殺しである。
しかし自分としてはいくら敵といえども、降伏してきた人間を全て殺すような事はできない。
そこは、さすがに自分は元人間ですしね、そこまでの非道はやっぱり心情として躊躇われるわけですよ。
結果として捕虜として城内に確保したのは100名ほど、しかし最初は1000名だった事を考えると
いくら敵側といえども同情したくなりますな。
ここで辛いは仲間や部下から見る目。
魔族には捕虜という習慣がない。そんな中、人間を自分の独断で捕虜にしたわけなんだな。前回の戦闘で、自分は魔族にない周到な手段で大選果を得た。なのでこの捕虜も、さらなる戦果を得るための布石だとみな信じて疑わない。
まさか『かわいそうだから』という思いつきの行動なんて今更言えるわけがない。うん、言えないよ・・ママン
前世とは違う、逆の期待と信頼の目線が逆に痛い。
「とりあえず、ここにおいても仕方ないし、捕虜の返還かなぁ」
今、城内に新しく与えられた副将用の執務室内で自分は1人小さく呟くわけだ。しかし、タダで返還しては、周りの期待を裏切る事になるわけで、ここでなんとか外交上の大きな得点を生み出さないといけない。
となると、外交を担当する人間の能力が重要になるだよねぇ。しかも脳筋だらけの魔族にはこの点は期待できない。
ここは自分が出張るしかないだろうなぁ。
しかし、ここで問題もある、外交とは右手で握手を求めつつ、左手にナイフを持つ。それが外交の基本なわけで・・・。
特に、魔族の外交上の強みはその強力な武力にある。そんな外交上の席の中、見た目わすか数グラム自分がいってもなめられるに違いない。
できれば見た目が凶悪な魔族を数人同席させる必要があるだろと感じる。
まぁここは上司に相談だな、早速我が敬愛する上司の所に向かうか・・。
早速我が上司たる『金髪の魔将』様のお部屋にいくと、いつものようにだらしない格好でベットの上に寝そべっていた。
「ご主人様」
「なんじゃ我が副将であるおっぱい殿」
「・・・・いや、いいんですけどね。分かってますし、第一大好物ですから、今更文句はいいませんがね」
「じゃろう、さすがにあのときの胸に挟むというのは妾も驚いたぞ」
「・・・・」
「まぁよいではないか、で、どうしたのじゃ。そろそろあの捕虜とやらを使いって又、妾を楽しませてくれると期待しているのじゃがのぉ」
「あ、はい、そろそろ城内も落ち着いてきたので、準備にかかろうかと」
「ほう、準備! いいのぉお主はいつも妾を喜ばせてくれる」
「はい、まずは捕虜のうち1人を解放し、人間側に捕虜返還用意が有ること、それに魔族側から使者を向かわせる旨を知らせる使者を出します」
「うむ、わかった」
「それで、我が主にお願いが・・・」
「ふむ、なんじゃ」
「まず人間側との交渉には自分が向かいますが、できれば人間型の魔族で、しかも見た目が怖い魔族数名を自分の護衛として何名か借りたいのですが」
「ふむ、人間型で、見た目が怖いか・・・じゃ鬼人族はどうじゃ、人間に角が生えたような姿で、体格もいい。ちょうどいいと思うのじゃが」
「あぁそれならいいかもしれませんね」
「近くに鬼人族の庭があったな、よし我が名で招集の命を出しておこう」
「ありがとうございます」
数日後、城に鬼人族が3名やってきた。
主人の部屋で紹介されたのは鬼人族の村からやってきた3名の鬼人。我が主は早速その鬼人を自分に紹介する。
確かに鬼人というだけはある、ぱっと見人間のように見えるが、その頭には2本の角、そして全体から漂う威圧感がすさまじい。
魔力量に関しては複数の特殊能力を有する魔将格の自分にはかなり劣るが、魔力感知できない物にとってはわずか数グラムの蝙蝠より遙かに強く見える。
ただ・・・ただ・・・やっぱり思うんですが
その3名の鬼人族、、、全員女性ってどーゆーこと?