第1話 キーコンフィグ
会話文ばっかですね。見づらいし、なにより文学的心得がいまいち感じられない。
私の文章力の無さが招いた結果です。もっと精進したいものです。
「合格、って――あんた、私を試してたのか?」
身長164cm程の、黒髪ショートの女だった。
「うむ。弱冠14歳にして大学を卒業する程と聞いたのでな、運や偶然に支配されているのではと思ったが――その様子だと、実際になかなか腕が立つようだな。
自己紹介をしておこう。私はレナ、15歳。キーは『銃砲』だ」
「年下だったのかよ……大人っぽいな。それに、異国人か?」
「いや、貴様と同じ、この国の立派な国民だ」
「貴様、って……言っとくけど、1歳だけとはいえ私の方が年上だからな。背はお前の方が高けーけど。
ま、それはいいとしてよ、だって苗字はねーし、カタカナじゃん」
「苗字は都合上、私が勝手に伏せているだけだ。それに、下の名前が片仮名というのは、最近普通に見かけるだろう」
「そうなの?知らなかったわ。そんで、そんなレナさんがなんの用だよ」
「こちらが名乗ったのだから貴様も名乗るのが礼儀だと思うのだが……」
「だってお前、怪しいじゃん」
「用というのはだな……源漲。貴様に、パートナーになって貰いたいのだ」
「(無視されてる上に、言うまでもなく名前知ってるじゃねーか……)ほぅ。ふんふん。パートナーね。なんのパートナーかは知らんが、14歳で大学卒業まで登りつめたこの天才キー使い、源漲さまに任せるがいい!!」
「(´゜ω゜)ブッwww」
「な!?」
「は、はは、いいきになってる……14歳でいいきになってる……w」
「(゜Д゜)ハァ!?てめェも大学を出たっていうのか!?
じゃあてめェは何歳で卒業したってんだよ!!」
「9歳だが。」
こいつのほうが天才でした!
「9歳ィィイ!?嘘吐けェェエ!!」
「声が大きい!!」
「ご、ごめん……ていうか、そういうお前こそ運や偶然に支配されてんじゃねーのか!?」
「言っておくがな、漲。貴様弱すぎ」
「(゜Д゜)」
「多分、この国の大卒でいちばん弱いと思う。というか、高卒の最強より弱い」
「お前さっき『きゃんっ!!』とか可愛ら……ハズカチー声出しながら吹っ飛ばされてたじゃん!しかも合格なんじゃねーの!?」
「あれは判定ギリッギリだ」
「そーですかそーですかwwwならもっと強えー奴にパートナーでもなんでも頼めばいいんじゃないんデショウカネェ!?」
「パートナーといっても、仕事や戦いのパートナーとは限らんかもしれんぞ?
恋人のことだって、パートナーとか言うんだし」
「えっ……それって」
もしかして、惚れられた!?出会って間もないのに!?
私なんかのどこがいいんだ?結局、成績はこいつのほうがいいわけだし……
あ、もしかして負けたのが悔しくて意地張って盛ってるとか?なんだよ、カワイイとこあんじゃねーかチクショー!!
いやいや、もしかして外見、とか?ん、でも私ってそんなに格好よかったっけ……?
つーかよく見れば、こいつ結構な美形だぜ!?
……ん?そういや今のが生まれて初めての女の感想になんのか……今まで別に興味なかったんだが、やっぱそーゆー年頃なのかな?
どっちにしろ妙にイラつくこと言ってくるあたり一概にも性格は良いとは言い難いんだが……
「まぁ、仕事のパートナーなんだがな」
てめぇ……。
「あ、やっぱり勘違いしちゃってた?ていうか、考察長過ぎ」
う~ん……女って殴ってもいい生き物な気がしてきたなぁ……。
あ、そうそう。言い遅れたけど、これからは私、源漲が地の文を担当させていただくんだぜ。
「話を戻すが、漲」
「えっと……私より強い奴をパートナーに選ばない理由、でしたっけぇ?」
「そうだ。あのな、暇そうなのが貴様しかおらんのだよ。他の大卒は皆、自主トレなどで忙しいのだぞ?」
な、なんと……。知らんかった。
「折角、狭き門であるキー大を卒業出来たのだ。それだけで満足し、練習を怠った結果に、授かった技能を蔑ろにしたくはないだろう。普通はな」
「遠回しに私のことを普通じゃないと言いたいみてぇだが……今回は私が悪いみたいだな。反省」
「それに、貴様は飛び級なのだぞ?」
「あぁ、うん……」
「入ったのも出たのも私の方が早いがなっ」
ホンット、イチイチヒトコトオオイデスヨネェ……
でも、そんな意地っ張りなところが……いや、なんでもない。忘れろ。忘れるんだ、源漲。
『がなっ』の『っ』の部分から少し何かが滲み出てる気がするの。
「将来襲来すると言われているUMAだが、あれが来た時、今の貴様のレベルだと間違いなくこの国の大卒生の中で真っ先に殺されるだろう」
「ハッ。皆、UMAが来るとか言うけどさー、そんな奴ホントに来んのかねー。今、この国はこんなにも平和だというのにさ!」
「その腑抜けた態度がいけないと、貴様の弱さの原因だと言っておるのだ。
人生は何が起こるか分からんのだぞ?」
だからこそ楽しいのだがな、とレナ。
いや、楽しいかなぁ……私は戦うのは好きだけど、予想外・想定外のことが起きるのは嫌い。
咄嗟の事象は対処できん。アドリブに弱いタイプなのだった。
「で。結局、なんの仕事なわけ?」
「犯罪者を追っておるのだ」
「犯罪者、ねぇ……。って、まさかお前」
「AKOP(対キー犯罪者専門警察)だ」
「えぇ!?マジで!?お前、あのAKOP!?その歳で!?」
AKOPといえば、キー使用者の殆どが憧れる、まさに夢の職業であるはずだ。
「だーかーらぁ、声がでかいと言っておろう……全く」
「あー、ごめんごめん。
つーか話聞いてりゃお前相当な自信家みてーだが、それでも人を頼っちゃうあたり、やっぱ可愛いとこあんだな」
「今回私が追っているのは本国史上初、SS級の5人だ。
少しでも確率は上げておきたいだろう」
少しかよっ。いや、まぁそりゃそうか。
「私の一家はある財閥だ。今回の件が5人とも成功した暁には、報酬をはずんでやろう。
それにキー犯罪者のキーは強奪可能だ。キーを犯罪の為に使うような輩には渡しておけんからな。
それも全部、貴様にくれてやろう。今より強くなれるぞ(多分)。そうなれば、もう私に馬鹿にされることもあるまい」
多分って何。ねぇ、多分って。そんなに私見込みない?
つーかお前が馬鹿にしなけりゃいい話なんだがな。
「で。返事は」
「仕方ねーから付き合ってやるよ。丁度私もこの平凡な世界に退屈してたからな。
それに強くなれるってんなら尚更だぜ」
「そうか……有難う、な」
「なんだよ、素直に礼を言うなんて。お前らしくねーな」
「私と貴様の付き合いは、まだ30分だ。
それより漲、貴様のキーは?」
「んー?『剣刃』だけど」
「なんだかとってもシンプルでノーマルでオーソドックスでポピュラーなキーが来たな……
さすが、主人公って感じだ」
「そこは別に気にしなくていいだろ!!」
「ではまず、ここからいちばん近い、北海道に身を隠している盗賊団のリーダー・柿原羅牙からだ」
「はは、盗賊団ねー。そんなの、RPGとかもっとファンタジーな小説とかでやってくれって感じだよな」
「(鍵で武器を召喚して戦ってるんだから充分ファンタジーだとは思うが……)
盗賊団という肩書きからもわかるとおり、奴がその身で犯した罪は主に大量の窃盗と殺人。
しかし、ただの窃盗ならS級はおろかA級にすらならない。この意味が分かるか?」
ん。
上目で軽くレナのほうを見やる。……少し怒りを秘めているようだった。
常人が見たところで気付けない程度には隠しているが。
「あまりにも大量に盗んだり殺したりし過ぎた、ってことか?」
「yes。窃盗についてだが、これは被害総額が1,000万を超えて漸くA級。1億でS級だ。
しかし、殺人については、1人でS級。5人も殺したようならSS級になるのだ。
分かるだろう、人の命――否、人だけではない。この世に生けるものすべて、命を奪うことは禁忌とされることなのだ。柿原が奪った命――本当はSS級などといった文字や言葉では表せないほど重い罪だ」
「そのとおりだな。そのことに関しては全面的にお前を肯定する」
「しかしどうした、貴様にしては頭が回るな。まぁ最初は貴様にも理解出来る程度のレベルの犯罪にしてやった私のお陰だがな」
「てめェ……私をナメるのもいい加減にしろよな。
お前と私が出会ってから、まだ36分24秒しかたってない。どっから頭悪いなんてわかったんだよ。ソースは?」
「薄味で頼む」
「いや、そういうのもう飽きたしいいから」
「? 調味料のさしすせそにハブられたあのソースさん以外にソースという単語の使い道があるというのか?」
「あー、本当に知らないパターンか。えっと、ソースっていうのは……」
「2000年程前に存在していたネット民がよく使っていた言葉だろう?出すと総力を上げて潰されてしまうあれだな」
「知ってるのかよ。うーん……あながち間違っちゃいねえな。うん、まあそれだよ。で、ソースは?」
「顔。」
「!!」
おいおい。
「柿原は、太っているわりには腕にだけはご立派な筋肉がついているという、ゲームとかで見かけても
『あ、こいつ見かけだけで本当はスゲー弱い奴だwww』ってなるタイプの奴だ。
まぁ……最初だし、腕慣らしの為にも少し弱めの奴をセレクトしたのだ。
こいつに負けるようなら正直失望するぞ」
「あの……レナ?色々とキャラが崩壊してないか?」
「私は正常だ。崩壊しているのは貴様のこれからの人生だ」
「あーはいはい、Sキャラというキャラ付けでいくんですね」
これからの犯罪者討伐の旅が波乱万丈とでも言いたいのか?
「ん、少しお喋りが過ぎたな。読者もそろそろ退屈しているはずだ。
では、行こうか」
「んー……;」
なんだろう……この敗北感。
こんな奴と、これから一緒か……。
なにはともあれ、第一話終わり。