プロローグ
連投シリーズその2。
この中で無事完結できる作品はいくつ出てくるだろうか……全部全力で頑張らせていただくけども。
4444年。
この国では十数年程前から、数年後に来ると言われているUMAと戦う為、人類が進化していた。
キーである。
自分の鍵を手に持ちながら自分のパスワードを唱えると、人間誰もが実は持っている、精神の管理センターにアクセスし、そこから自分専用の武器を取り出して戦うことができるのだ。
2000年程前にこの国にあった数多の学校は現在60%にまで減少し、キー戦闘育成学校が激増していた。
その中でも特に卒業が難しいと言われている――
数々の生徒が入学し、その中で卒業できたのはたった0.02~0.03%と言われている程の難関であり難問である『キー戦闘育成大学』を弱冠14歳で卒業したという男がいた――。
源漲だ。
* *
「ふぁ~あ……ここに来るのも2年ぶり、別に懐かしくもねぇや……
変わってねぇなー、ここも、ここの先生も」
この国に5つあるキー戦闘育成大学の内、東から2つ目の大学が見える土手に、水色の髪の青年が寝転がっている。
「このまま、少し寝ちゃおっかな……」と、青年が目を閉じた、
刹那。
「!!」
青年の頭の両サイドと上、計3箇所に、銃弾が撃ち落される。
「なッ……待ててめェ!!」
青年は素早く首跳ね起きで起き上がり、そのまま逆立ちの姿勢をとりながら両脚を大きく広げ、回転しながら蹴りを繰り出す。
が。
弾丸を放った張本人は、視界から既に姿を消していたのである。
周りを見渡す青年。
の首元に、手刀が迫る――!!
「私がその程度の手刀、見切れないとでも思ったか?」
ショートジャンプをしながら体を捻り、手刀をかわしつつ、ローリングソバットを当てる。
「きゃんっ!!」
「えっ…きゃん、って」
ずざぁっ、と地面を滑っていく、青年を襲った謎の人物。
青年は、自分を襲ったその影に目を落とす。
「あんた……女だったのか」
正当防衛といえ、この世に生を受けてこの方女性に手を出したことのなかった彼は、少し困惑した。
出したのが正確には手ではなく足ということは、おそらく突っ込まなくてもいいことであろう。
「てゆーか、大丈夫か?」
まぁおそらく大丈夫だろうな、と心の中では思っていたが、とりあえず聞いてみる。社交辞令である。
何故大丈夫だと思えたかと言えば、目を見たからである。
キー使用者の目には記号が描かれているのだ。一例として、青年の目には十字が刻まれている。そして彼女の目にも同様に記号が刻まれていた。
それに、先程放たれた弾丸は、青年の頭を外した――というより、あえてギリギリかすめるように着弾したように思えた。
となれば、ある程度の訓練を受けた手練れではあるはずだ。
「ふふ、大丈夫か――か。愚問だな。まぁどうせ社交辞令程度のつもりなのだろうが」
と、色々と考察しているうちに、女が口を開いた。
そして、
「……合格」
と、言ったのである。
これが、青年・源漲と、女・レナの、初の接触だったと言われている。