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聖夜のダンス

六話目です。


寒いです。


凍ります。


それでも温かい目で見守ってください。

「ねえ、知ってる? 学際の最期にダンスがあるじゃない? アレで踊ったカップルはずっと一緒にいられるんだって!」


「でもそれちょっとありきたりじゃない?」


「でもね、なんだかちょっと違うみたい」


「何が?」


「確かにカップルはずっと一緒にいられるらしいけど……一度仲が崩れてしまえばもう二度と元には戻らないらしいの」


「―――怖いわね~」


遠くでそんな会話を聞きながらぼおっと外を見ていた。

いっそのこと良と踊ってやろうか?

この関係の時点でもうダメだろ……


「神宮寺君。良かったら一緒に―――」


「まわらない」


女子は絶句して僕の傍を離れていく。

これで5人目だ。

今日が学際当日で誰も一緒に回る人がいないからってみんな同じだと思うな。


「暇だな……」


学際を楽しめよ!

と言う突っ込みはなしだ。


一人じゃ楽しくない。


「一緒に回ろうよ―――良」


「いいけど? やることも終わって暇だし」


「!!」


「よう」


僕の言葉に返事をしたのはまさしく良だった。


「どうして?」


「家の人たちと、学校の人たちから一緒に回ってやれ、いや回れ。って言われたから探してた」


「……ふーん」


結局言われたから来たのか―――


「言われなくても元から香月と回るつもりだっつーの。お前も大きなお世話だと思うよな? あれ? 香月?」


良の言葉に思考が固まる。


「おーい? 香月ー」


はっとなって良のほうを向くとばっちり目が合った。


「やっとこっち向いたか。どうした? 具合悪いのか?」


「えっ……いや……なんでもない。それより近い!」


「何を今更―――」


顔を押しのけて距離をとる。


「まあ、いいや。なあ、香月。お前夜のダンス、誰と踊るか決めたか? 確か全員強制参加だったろ?」


「―――まだ」


「じゃあ、オレと踊らない?」


「でも!」


良が僕の顔をのぞきこんで


「オレ達はずっと一緒だろ? そう約束したじゃないか。だったらあんな噂怖くないさ」


良の笑顔は僕の心を落ち着かせる。

どんなに警戒していても、どんなに心を赦すまいと思っていても


結局は良の笑顔に頷かされてしまうのだ。



「源さんはかっこよくて普段は男の方みたいだけど、神宮寺君といる時は別人よね」


「なんだかんだ言って、あの2人が一番お似合いね」


星が輝く夜。

真っ赤なキャンプファイヤーの傍で

僕と良はダンスを踊った。

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