12-2:決意
12-2:決意
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紫のカード―プロミス・オブ・スマイル―を構えた紫騎士がここにいる。
「流誠! あんたまでなんでここに来たのよ!」
「なんでって、ボクは君を守るナイトだからね」
いつも彼はそう言ってティーカをクレデターから守ってきた。
だけど、今回の敵はクレデターではない。
「何やってるの。早く、逃げなさい。相手はクレデターじゃない。次元監視者よ、格が違いすぎるのよ」
「そんなこと、ボクも分かってる。
でもね、守る前から守れないなんて、ボクはもう決めつけたくないんだ。
前は、そういうって自分に言い訳して、ボクは最後は彼女から逃げた。だけど、今後は、ティーカはなんとして守り抜く。
負けようが、守り抜いて見せる」
力強く宣言した流誠は、プロミス・オブ・スマイルを赤髪の次元監視者に向けた。
それは戦う決意の表明。
ティーカのナイトであると、声に出さずに宣言した。
「お主は、その犯罪者、ティーカ・フィルポーズの真実を何も知らない」
「そうだね。でも、ボクが欲しいのは、ティーカの真実じゃなくて、ティーカの笑顔だから」
流誠はそう言って、自らも笑った。
赤髪の次元監視者は冷めた笑みを浮かべた。
「そこまでの決意。どうやら、お主を説得するのは難しいのかもしれぬな。
よかろう、愚かな騎士よ。
小職の名は、来名秋生。良かったら、お主の名も教えて頂けないか?」
「久我 流誠。ボクはティーカを守り抜くナイトだ」
「久我流誠。良かろう、その名、小職は絶対に忘れない」
その言葉共に、秋生の姿が流誠の前から消えた。
彼の神速に流誠の目はついていけない。が、
『Purple Shield』
流誠はプロミス・オブ・スマイルをティーカに向け、カードに呪文を刻む。
ティーカの全身を紫のシールドが覆う。
その次の瞬間、上空に出現した秋生がティーカめがけて手を伸ばすが、シールドに弾かれてしまう。
「っち」
次元監視者は現地住民に手を出せない。
ならば、秋生が狙うのはティーカ一人しかあり得ない。
どんなに早く動こうとも、行く先が分かっていれば、対応は可能だ。
「なるほど。教会との繋がりもないただの現地住民と思い、甘く見ていたが、万能型の魔法使いとは。さあ、これは少々厄介な事態だ」
そう言って、秋生―朱天使―は、背中に生えた紅蓮の羽根を羽ばたかせ、空に舞った。
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