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12-2:決意

12-2:決意


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 紫のカード―プロミス・オブ・スマイル―を構えた紫騎士がここにいる。

「流誠! あんたまでなんでここに来たのよ!」

「なんでって、ボクは君を守るナイトだからね」

 いつも彼はそう言ってティーカをクレデターから守ってきた。

 だけど、今回の敵はクレデターではない。

「何やってるの。早く、逃げなさい。相手はクレデターじゃない。次元監視者よ、格が違いすぎるのよ」

「そんなこと、ボクも分かってる。

 でもね、守る前から守れないなんて、ボクはもう決めつけたくないんだ。

 前は、そういうって自分に言い訳して、ボクは最後は彼女から逃げた。だけど、今後は、ティーカはなんとして守り抜く。

 負けようが、守り抜いて見せる」

 力強く宣言した流誠は、プロミス・オブ・スマイルを赤髪の次元監視者に向けた。

 それは戦う決意の表明。

 ティーカのナイトであると、声に出さずに宣言した。

「お主は、その犯罪者、ティーカ・フィルポーズの真実を何も知らない」

「そうだね。でも、ボクが欲しいのは、ティーカの真実じゃなくて、ティーカの笑顔だから」

 流誠はそう言って、自らも笑った。

 赤髪の次元監視者は冷めた笑みを浮かべた。

「そこまでの決意。どうやら、お主を説得するのは難しいのかもしれぬな。

 よかろう、愚かな騎士よ。

 小職の名は、来名秋生。良かったら、お主の名も教えて頂けないか?」

「久我 流誠。ボクはティーカを守り抜くナイトだ」

「久我流誠。良かろう、その名、小職は絶対に忘れない」

 その言葉共に、秋生の姿が流誠の前から消えた。

 彼の神速に流誠の目はついていけない。が、


『Purple Shield』


 流誠はプロミス・オブ・スマイルをティーカに向け、カードに呪文を刻む。

 ティーカの全身を紫のシールドが覆う。

 その次の瞬間、上空に出現した秋生がティーカめがけて手を伸ばすが、シールドに弾かれてしまう。

「っち」

 次元監視者は現地住民に手を出せない。

 ならば、秋生が狙うのはティーカ一人しかあり得ない。

 どんなに早く動こうとも、行く先が分かっていれば、対応は可能だ。

「なるほど。教会との繋がりもないただの現地住民と思い、甘く見ていたが、万能型の魔法使いとは。さあ、これは少々厄介な事態だ」

そう言って、秋生―朱天使―は、背中に生えた紅蓮の羽根を羽ばたかせ、空に舞った。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


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