M-2:魔法天使
M-2:魔法天使
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「ねえ、僕、独りは嫌なの。一緒になろうよ」
女の子であるあたしが思わず嫉妬してしまいそうな美少年がそう言って、あたしの大切なお兄ちゃんに迫っていた。
大変、急がないと。
「おやめなさい!!」
あたし、パラレル・ティーカは空から颯爽と登場して、魔法ステッキを危険な色気を持つ美少年に突きつけた。
女のあたしにはよく分かる、この色気は魔性の色気だ。
男だとか、女だとかそんなの関係なく、彼となら一緒になりたいと思わせてしまうこの色気は麻薬のように脳を溶かしてしまうだろう。
って事は、お兄ちゃんもこの美少年と一緒に………
「いやああああああああああああああああ。だめええええええええええええええええええ!!」
想像してはいけない、
禁断の世界があたしの頭の中に拡がってきて、あたしは大声を上げた。
嫌だ。
心臓がばくばくして止まらないよ。
中学生が初めていけない本を読んだときもこんな気分なのかな?
「ティーカ、早くしないと!」
魔法の杖さんが叫んだ。
何事かと思うと、美少年があたしを無視してお兄ちゃんに抱きついていた。
「いやあああああああああああああああああ。あたしのお兄ちゃんが、傷物にいいいいいいいいいいい!」
魔法とか、戦いとか、やっぱりよく分からないけど、魔法の杖さんが言っていた「お兄ちゃんの危機」はとって~も、よく分かったよ。
あたしは戦う覚悟を決めた。
「弾ける想いを届けるため、魔法天使 パラレル・ティーカ ただいま参上、よ」
決め台詞は言ったけど、これだけじゃあたしの想いは伝わらない。
「良いこと、お兄ちゃんの初めては、あたしが貰うってず~と前から決めてるんだから、ね」
そう、これはね、あたしとお兄ちゃんが出会った瞬間から決まっている運命なんだよ。
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