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1-1:一人目の始まり

1-1:一人目の始まり


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 闇の中、さらに深い闇色の存在がいた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 仕事先からの帰路についていた久我くが 流誠りゅうせいは、いつもと同じ道を歩いていたが、いつも何も変わらなかったはずの日常は闇色の影によって壊された。

「うあああっ」

 闇色の存在は、形という物が無くアメーバーのように不定形であった。

 その闇色の存在が流誠に迫り来る。流誠はとっさに避けるも、闇色の存在と触れあった左腕がまるで鋭利な刃物で斬りつけられたかのように、綺麗な切り傷をさらけ出した。

 傷は浅く、出血も多くはないが、流誠は自分の体から恐怖で血の気が引くのを感じた。

 この闇色の存在に対して、流誠は対抗手段が全くなく、無力であったからだ。

 どうするか?

 迷っている間に再び闇色の存在が迫り来た。



 そして、世界が紫色に染まった。



「え?」

 流誠は状況が分からず、立ちすくむ。

 やがて、紫の閃光が消えると、そこには1人の紫の羽根を生やした妖精がいた。

 「シャアアアアアアアアア!!」

 妖精に躊躇いはなかった。

 眼前に闇色の存在を見つけると否や、妖精は紫の液体を吐き出し、闇色の存在に浴びせかけたのだ。

 妖精が何を吐き出したのか、流誠には分からない。しかし、紫の液体を浴びせかけられた闇色の存在は、苦悶の雄叫びを上げながら、闇の中へ溶けていったのだった。

 次から次に、状況がめまぐるしく変わり、流誠は思わず立ちすくんでしまう。

 そんな彼に気づいた紫色の妖精は、何を思ったのか興味ありげに流誠の周りを飛び回り、彼のいたる所を観察し始めたのだ。

 そして、本当に何を思ったのか、こんな事を唐突に宣言したのだ。

「よし、決めたわ。あんた、今日からあたしのナイトね」

 身長10cm程の妖精が人差し指で、迷いなく流誠を指さした。

「いいこと。このあたし、ティーカ様が手短に説明するから、良く聞いておきなさい。あんたが、さっき見たあの黒い怪物はクレデター。異世界よりやってきた、この世を破滅に導く存在よ」

 今、流誠の人生から再び平凡という言葉が消え、七色に彩られた物語が始まりを告げられた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


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