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01.今日から勇者の敵(改)

浮気してみました、不定期更新!




「私と結婚してくれないか?」






街中で人目をはばかることなくそう言った男に、拍手したい(したら怒られるからしないよ、空気読むよ)。

実際はクラッカーの紐を引っ張ったり、ラッパを吹いたりしたいけど、絶対しないよ!!


とにかく、あんた偉い。うん!!


幼馴染のメイリー・ジャミルは美人だが生憎と奇人過ぎて嫁の貰い手がこのままだとなさそうだし、この告白してきた男は魔王を倒した流行りの勇者だ。有名人だ。

子爵の令嬢から勇者夫人とかどんだけ出世だよ、すげぇな!!!

あの……もし、おこぼれがあったら、その時はよろしくお願いします!




と、俺ことシャド・スペクターは絹のハンカチで涙を拭くフリをしながら待ちに待ったイケメンの登場に

ニヨニヨとしつつ、事の成り行きを見守っていたわけである。限りなく無関係に近い第三者だった。美味しいとこ見放題のモブだった。


結婚式には勇者の仲間とか来るのかなとか、「俺呼ばれるよね!?」とか、ウキウキしてたのに……。






な、の、に!






「無理だな、お前が誰かわたしは知らないし、何よりそこのそれと結婚予定だ。他を当たって貰おう」


後ろにも横にもそれらしい人物は居ない。もしや、メイリーが指差すのは――俺?


「おん?」


指から逃げる。つつつ。

もう一度、指から逃げる。つつつ。


(ゆ、指が追って来るだと!!)


なんということだろうか、逃げても逃げても黒く塗られた爪は俺を追いかけて来る。


「ちょこまか動くな」


何言ってんだこいつと思いながら見た彼女の顔が真面目そのもので――というか、メイリーが嘘を口にしたことなど生まれてこのかた十八年一緒に居るが聞いたことがない。


目を瞬かせる。


結婚? マジで俺とお前でランデブー?



…………ちらっ。



(ちょ、やめて、やめて勇者。睨まないでぇええええええええええええええええええ)


勇者超睨んでるんですけど! やばい、イケメンが睨むと超迫力がある。待て、アイム被害者。君と同じ仲間だよ!

目を輝かせながら訴える。俺は知らない、無実だ。君の恋を絶賛の応援しているよ。イケメン、地位有、高収入。いいとこだらけの待ちに待ったイケメンな君を応援しているよ!


「こんな薄っぺらい顔立ちの背が高いぐらいしか、取り柄もなさそうな男のどこがいいと!!」


あ、こいつ相当性格悪い。


け、悪かったな、背だけ無駄に高くて。顔だってお前らと比べると平平凡凡だよ。言わせんな、泣けるから!

ちきしょう、仲間だと思ったのに、お前マジ敵。

お前にメイリーはやらん、出直してこい!


父親ぶってみる。だがしかし、攻撃とかやめてください。死にます。剣を向けない、睨まない!


「お前には関係ないだろう、別に」


メイリーは鼻をフンと鳴らし、俺の首根っこを掴む。

「行くぞ」と言われて俺は引っ張られるようにして引きずられる。


その間も、勇者はひたすら俺を睨んでいた。


野次馬たちもざわざわ騒ぐ。


そりゃあそうだよな、勇者の告白を断るなんてありえないし。俺が女なら、断らなかったよ。いや、性格悪かったからあれを知ってたら逃げた可能性は否定できないけど。

でもでも、きっと好きな子とかには優しいタイプなんじゃないかな、知らないけども。





でもさー、何が一番ありえないかっていうと。


「結婚って、俺何も知らんのだけれども」


「わたしは嘘は吐かない、おじ上にでも聞け」


「でーすーよーねー」




本日、そこらへんに居るようなモブ男シャドは勇者を敵にした。

ふ、不可抗力なんだけどな、げふげふ。よし、パパンに事の顛末を聞いてこよう。




でないと俺――勇者に殺される。



今度こそギャグを目指す!


※4月30日にちょっと改正しました。ぐおう、大幅に改正したい。

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