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初恋の相手は前世の自分  作者: 無為自然
第一章:新たな人生の始まり
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第十五話「王都グランマーセルⅡ」

 


 今僕の目の前にはたくさんの剣と防具がずらーと並んでいた。


 そう、ここは武器屋兼、防具屋である。




 以前お父様にお願いして注文して作ってもらった武器とマントを取りに来たのだ。



 その代金として金貨1枚と銀貨3枚を渡す。


 この世界で使われているお金は金貨、銀貨、銅貨の3種類で、金貨は銀貨10枚、銀貨は銅貨50枚である。その他にミスリル貨というのもあるそうだが、主に国家間での取引に使われ金貨100枚分の価値がある。なのでいくらソフィネット家が名門だろうとめったに見られるものではない。

 

 この世界の人々平均月収は銀貨1枚ほどで、円に直すと10万円ぐらいだと思われる。またお金は世界共通でどの国に行っても使えるとのことだ。

 

 

 ちなみに代金の金貨1枚と銀貨3枚は僕が倒した魔物の素材を売ったり、回復薬(まだ高性能のものは作れないが)を作り稼いだものである。親に頼めば喜んで出してくれるだろうが、まだ貴族の金銭感覚に慣れてないのか、円で130万円ほども出してもらうのは気が引ける。



「まずこれが頼まれていたカタナ?ていうやつだよ」


 店員に渡されるのは刃長が約60cmほどの刀である。


「これは……」

 この出来は本物の刀にもそう劣らないだろう。 

 

 実際もってみると、重過ぎず軽すぎずちょうどいい重さとなっている。これなら振りまわしてもそう手首が疲れたりしないだろう。



 刀はこの世界には存在してなかったので腕の良い職人に作らせた特注品である。

 10歳の少女の華奢な体では重い剣は扱えれないし、この世界の剣は西洋と同じで切るのではなく刺すのに向いており、剣道で培った技術とは相性が悪いからである。これからは西洋の剣もちゃんと扱えるよう特訓していかねばならないだろう。



 ちなみにブレスレットはあらゆる武器を魔力に変換して収納できる仕組みになっている。武器以外も入れようと思えばできるが、そんなにたくさんは入らないので普通は武器や防具以外入れない。


「そしてマント。消費魔力減少、耐久力上昇、耐熱、耐水などいろいろ付加( エンチャント)してあるよ」

 

 ナイフ程度に刺されたぐらいでは擦り跡すら残らないらしく、特別な生地が使われていて肌に触れる感触はすべすべしてて気持ちいい。

 

 ソフィネット家の象徴であるアマリリスを模した紋章が大きく黒の生地に金色で刺繍してある。



「すごい……、肌触りがいいし……しかもかなり丈夫そう……」

 覆ってみると、結構大きく膝の下あたりまでかかるがその軽さと柔軟さもあってそれほど邪魔にはならない。

 

「お姉ちゃんっ、かっこいいっ!」

 無邪気にはしゃぎキラキラとした眼差しを向けてくるエリス。


「そう……?……ありがとう」 

 女の子になって初めて可愛いではなく、かっこいいと言われてかなり嬉しい。


 嬉しくて思わずエリスをなでなでする。


「ふにゃぁぁ…………」

 気持ち良くて幸せいっぱいそうな満面の笑み。

 あいからわずその小動物のような愛くるしさはたまらない。



 なでなで。



 なでなでなでなで。



 なでなでなでなでなでなで。



「はっ!?」

 ずっとエリスをなで続けていたことに気づき、さすがにちょっとやりすぎたかもと思いエリスをなでるのをやめる。


 すると……、


「…………きゅう……」

 

 ひどく残念そうな表情と向けられるうるうるした瞳。



 だきっ。



 ぎゅぅ。



「ほわぁぁぁ…………」

 エリスの天使のような可愛さに悩殺される僕。…………やっぱりその表情は反則だ。


 すりすりすりすり。



 店主を始め多くの客の注目を集める中そんなのお構いなしに、いつまでもなでたりすりあったり抱き合ったりして2人の世界に入るシーナとエリスであった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 王都での買い物を終えた三人はソフィネット家の屋敷へ向かう馬車の中にいた。

 二人ともはしゃぎ過ぎて疲れたのか、お母様はエリスに膝枕をして親子そろってぐっすり眠っている。


 

「「すーー、すーーーー」」


 

「…………そのタルトちょう……だい……じゅるり」


「……んん……ハンバーグぅぅーー」


 二人とも口の端からよだれが垂れている。



「エリスはともかくお母様まで……」

 ちなみにタルトの方がお母様で、ハンバーグの方がエリスである。


 お母様の子供っぽい性格と若く見える容姿で、二人はまるで仲の良い姉妹のようである。


 ほんととても二児の母親だとは思えない。

 




 お父様へのプレゼント。



 

 僕が考えたのは手作りのお菓子である。


 

 僕は三谷海斗だったとき、母親は作るのがめんどくさいと言って僕に小さい時から料理をさせていたので、料理の腕はある方だと思う。特に好物である甘い菓子類(ケーキ、ドーナツ、クッキーなど)は結構自信がある。

 それだけは放任主義どころか自分の子供として扱わない両親に、唯一褒められたことでもあった。



 そして今回のお父様へのプレゼントにタルトとクッキーを作るつもりだ。



 甘酸っぱいイチゴと森で見つけたあの幻のシュカの実をふんだんに使い生地にもこだわりのものを使う。


「そして……、生クリームできれいに仕上げて…………じゅるり」



「「んん…………」」



 こちらの世界で手に入る道具や材料ではいろいろと勝手が違うだろうから事前に何回か練習するべきだろう。 


 あれで意外と甘いものは結構好きらしいので、できればお父様を驚かしたいので秘密で作業しなくては……。



「楽しみだなあ……、ほかにもいろいろ作ってみようかなあ……。あっちの世界にはなかった果物や料理とかたくさんあるし……」


「ふわっふわっのシフォンケーキにとろけるように甘いシュカの実を入れるのも……、いや……生クリームをふんだんに使ったロールケーキにも……」



「「「…………じゅるり……」」」



 シーナのおいしそうなお菓子のつぶやきが耳に入ったのかよだれが垂らす二人とシーナだった。 

 

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