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奇跡の鍵職人
「さて、君は天使か悪魔か。この鍵はいくつに見える?」
「ひとつ」
「はぁ?たくさんありすぎて判るかよ!!」
「そうか、一人は悪魔だったようだ。ああ、勘違いしないで。悪魔というのは悪い人のこと。天使は良い人のことだから」
「それが何だっていうんだ!」
「ど、どうすればいいの?ほんとに奇跡が起こるの!?」
「それは『自分の鍵』を選ぶことができたらね」
「選ぶも何も、ひとつしかないじゃない!!」
「馬鹿いえ!!こんなにたくさんあるじゃねえか!!」
「彼女は大丈夫だよ。問題は彼のほう。
鍵がたくさんあるように見えるのは、何か悪いことをしたんじゃないか?
じゃなきゃ俺にはわからないな」
「………っっ」
「あと、その中にはちゃんと君のもあるよ。残りは君たちの知らない誰かのもの…。さあ、あまり時間がない。選ぶがいい。己の運命を―――」