助けを呼べば、現れる──年賀状マン!
「助けて!」
いきなり現れて、下品な笑いを漏らしながら私を拘束するG怪人に羽交い締めにされながら、私は叫んだ。
「ぎひひひひ!」
なんて下品極まりない笑い!
こんな汚らしい怪人に、こんな美女が捕まってるんだから、誰か助けなさい!
そう思っていると──
「G怪人! 謹んでそんなことはやめましょう!」
そう言いながら、どこからともなくヒラヒラと、その正義のヒーローは現れた。
「ぎひひひっ!? キサマは何者だ!?」
怪人に問われてヒーローが名乗る。
「私は正義のヒーロー『年賀状マン』です! 謹んで初春のお慶びを申し上げます!」
なんだ、このペラッペラに薄っぺらい体の、一枚の葉書きみたいなヒーロー……
頼んな……
でも、上品な言葉遣いには好感がもてた。
さぁ! この美しい私を巡って、二人で争いなさい!
「とうっ!」
年賀状マンが技を繰り出した。
「とう……かん!」
そう叫びながら、輪ゴムで一括りにした年賀状を、ポストに叩き込む。
ダメージを受けたらしく、赤いポストが小さく揺れた。
でもG怪人はびくともせず、首をひねっている。
「はははは!」
年賀状マンがあかるい新春のような笑い声をあげた。
「今、投函した年賀ハガキは、やがて日本中のみんなを笑顔にすることでしょう!」
G怪人が飛びかかった。
「とう!」
年賀状マンが迎え撃つ。
「……かん!」
どうやらそれしか技がないようだ。
「GGGGGGG!!!」
G怪人の必殺技が炸裂した。
どーーーん!!!
年賀状マンは爆発した。
その隙に、私は逃げ出していた。
闘いを見守ったりしなくてよかった。
さぁ、帰ってお餅を食べよう!




