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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

日記

作者: シマエナガの人

性描写、暴力表現が多少あります

1997年8月9日――きょうから日記を書くようにしました。さいきんはあつくなってきて、わたしのともだちはカキ氷を食べたり、海に行ったりしていました。


 1997年8月15日――もうすぐで夏休みがおわりそうです。もう少し夏休みが長かったらなぁって思いました。


 1997年8月19日――学校がはじまってしまいました。わたしは学校がきらいなので、行きたくないけどママがいきなさいって言われたので、イヤだったけどがんばっていきました。


 1997年8月20日――さいきん、学校でみんながやっているあそびがあります。なまえはわかんないけどトランプをなげてものに当ててたおすあそびです。わたしもいつかやりたいです。


 1997年9月4日――きょうは、ママとふたりでおいのりをしました。わたしはママとずっとくらせますようにとおねがいしました。おいのりがおわったあと、ママのおともだちがおかしやジュースをくれました。とてもたのしかったです。


 1997年9月15日――わたしのせいでママがお家からいなくなっちゃいました。ママのきらいなものをまちがって夜ごはんに出しちゃいました。ママはふきげんになってお家から出ていっちゃいました。


 1997年9月19日――ママがお家を出ていってかえってこなくて悲しいです。わたしはママと仲直りがしたいです。もしママが帰ってきたら、ママにいっぱいだきしめてもらってママにおいしいオムライスをたべさせたいです。


 1997年9月30日――ママは、知らない男の人といっしょにかえってきました。さいしょはこわかったけど、おもちゃやおかしをくれてやさしかったです。わたしはママにごめんなさいしました。ママはわたしのことをだきしめてゆるしてくれました。わたしもいつかママのようにやさしいお母さんになりたいです。


 1997年10月11日――ママがつれてきた男の人といっしょにすんで、さいしょはへんなかんじだったけど、しばらくいっしょにすんでなれました。


 1997年10月17日――さいきん、黒いふくをきた人たちがお家にやってきます。わたしにはやさしいですが、ママやパパにはおこっていてこわいです。


 1997年10月20日――黒いふくをきた人たちがきてから、ママとパパがいつもケンカをしています。わたしはこわくて動けませんでした。


 1997年10月25日――さいきん、学校で同じクラスの人にわるぐちを言われます。でも、わたしはまいちゃんとあそんでいるのでいつもたのしいです。


 1997年11月20日――きょう給食のシチューをはいてしまいました。とてもはずかしくて泣いてしまいました。でも、まいちゃんがなぐさめてくれて泣き止みました。


 1997年11月28日――きょうもママとパパはいなくて、かなしかったけどきょうはお祈りの人がきて、おかしやカレーを作ってくれました。おいのりの人の作るカレーはとてもおいしかったです。


 1997年12月24日――あしたはクリスマスなのでお家をキラキラでいっぱいにしました。ひとりでやるのはたいへんだったけど、がんばりました。


 1997年12月25日――クリスマスプレゼントはきませんでした。プレゼントは良い子のところにしかこないってママやパパに言われました。すごくかなしいけど、こんどはクリスマスプレゼントをもらえるようにがんばって良い子でいようと思います。


 1998年1月1日――きょうは、ママとパパにないしょでまいちゃんといっしょにおまいりに行きました。お金はなかったけど、まいちゃんがお金をくれました。


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 4月9日――今日は入学式だった。最近、お父さんがなぜか私の方をジロジロ見てくる。少し怖い。

 

 4月19日――今日はまいちゃんと一緒に登校した。勉強は難しくてなかなかついていけてないけど、私の家はお金がないので、沢山勉強して支えていけるように頑張りたい。


 4月27日――今日もお祈りのために授業を抜け出して、一人使っていない教室でお祈りを始めた。もう慣れたことだが、同級生からはズル休みや怖いなどというを理由に距離を置かれている。それなのにいつも友達でいるまいちゃんは私の宝物だ。


 5月12日――最近お父さんの目線が日に日に強くなってきている気がする。私何かしたかな。


 5月18日――今日はまいちゃんのお母さんの車で登校した。高そうな車だったのでびっくりしたが、まいちゃんが急かすので、急いで乗った。私の家には車がないのでバス以外の乗り物に初めて乗った。


 5月24日――学校で暇だったので絵を描いてたらしゃべったことのない子が私の絵を上手いと褒めてくれた。あまり褒められたことがなかったのでので顔が熱くなってしまった。その子は美術部の子だったらしく私を誘ってくれた。私はママやお父さんに内緒で美術部に入った。


 5月25日――今日ゆりちゃんが道具を貸してくれて書き方を教わった。最初は難しかったが、描けば描くほど楽しくなっていった。


 6月1日――私が美術部に入ったのを知っていたのかわからないが、まいちゃんが美術部の部室にいた。もうすぐで、美術のコンテストがあるらしく、それに参加してみないかと先生に言われた。とても嬉しかった。


 6月18日――今日何かわからないことが起きた。お父さんに呼ばれたと思ったら、いきなり身体を触ってきた。私は怖くて体を動かせなかった。気づけば一通りのことを終わらせていて、なぜか涙が止まらなかった。私はこのことをママに伝えたら関係が壊れると思ったので言えなかった。


 6月25日――いまだに、この前の起きたことで頭が真っ白になる。あれが本当にあったことだったのかもわからなくなる。


 6月28日――今日は私の誕生日だ、学校から家に帰ると家族が笑顔で待っているという妄想をしながら、私はお父さんのサイフから取ったお金で一人バレないようにケーキを食べる。


 6月29日――学校から帰ると、お父さんはすごい形相で私の胸ぐらを掴み何度も殴ったきた。理由は、もちろんお金を取ったことだった。私が殴られている間、母はその光景を済ました顔で見ていた。


 7月3日――私はバイトに行くと嘘をついて、まみちゃんとゆりちゃんで絵を描いたり大きいショッピングモールで遊んだ。私は、嘘をついたことがバレるか心配になりながら家へ戻った。


 7月7日――まだ、腫れが治らない。最近ずっと二人とも家にいる気がする。お父さんのアレはもうだいぶ慣れたけど乱暴すぎて、痛いことが多い。


 7月12日――今日は一人で海に行った。海を見ていたら辛いことも小さいものだと思えてきて、精神的に楽になってくる。そして、家に帰るとお父さんは私を連れていつものアレが始まった。


 7月20日――もうすぐで夏休みが始まるとワクワクと絶望が入れ混じった気持ちになったが、まいちゃんやゆりちゃんが楽しそうにしていたから私も楽しみと言ってしまった。


 7月21日――辛い。友達のあんな姿を見たくなかった。裏切られた気分だった。いつになれば幸せになれるんだろう。


 7月26日――今日は図書館に行って勉強をした。自分はまだまだ分からないことだらけだと痛感した。


 8月7日――私は取り返しのつかないことをしてしまった。でも、もういいや。


 8月14日――今日はトンテキを作ってママとお父さんに振る舞った。ここまで料理が上手くなったのはママとお父さんのおかげだと感謝している。


 8月29日――今日は、まいちゃんとゆりちゃんは休みらしい。私は美術部に行って今日も沢山絵を描いた。自分で言うのも何だけどかなり絵が上手くなってきている気がする。いつか、ママやお父さんにも見せたい。


 9月8日――先ほどお祈りの人が来た。ドアを開けたかと思うと私を見るなり叫んで家を出ていった。まぁ、私の家は臭いけどそこまでじゃないと思う。サイレンが聞こえる、警


















日記(下)

「これで、日記は終わりか、にしても酷い日記だ」

 「あの、私ってどうなるんですか……」

 「うーん、まぁとりあえず署までご同行願おう」

 「やだ……やだ!離して!」

 私は、怖さと今までの過ちを後悔した。若気の至りや浅はかさから行動したのではない、全ては家族や友達がやった行為を清算させるために私は実行に移した。だがそれをまるで悪かのように振る舞う警部から恐れ、その場から逃げたかった。しかし、体格差の違いや人数の多さには敵わなかった。

 「ほら、パトカーに乗れ」

 私は、警部の言いなりになったかのよう素直にパトカーに乗った。パトカーに乗ると何故かまいちゃんを思い出してしまう。しかし、何故か涙は出なかった。もう私は人間ではないのだろうか。

 「着いたぞ、これから取り調べがある自分の記憶の通りに喋るんだ何が起きてどんな犯行に及んだのか包み隠さず喋ってくれ」

 私は警部に言われた通り降りると、また頭が真っ白になった。私は、他の警察官に囲まれながらただ言われた通りに歩いた。これから何が起きるのかも何が行われるのかも頭の整理ができていなかった。

 「ここに座れ」

 私は警部にいわれるがままに座った。私の顔は熱く、心臓の音がうるさいほどになっていた。

 「君の名前は?」

 「……」

 「君の日記には、まいさんとゆりさんについて色々描いてあったがこの二人とはどんな関係が?」

 「……」

 「なんで、君のお父さんとお母さんは行方不明なんだが君は知っているかな?」

 「……」

 「何か言ったらどうなんだ!」

 そう怒鳴りながら別の警部が出てきた。私は恐怖で喉の奥が熱くなり涙ぐんでいた。

 「まぁ、小林警部落ち着いてください」

 「これのどこが落ち着いてられるか!私はこのために他の事件を違う奴に任せてきたんだぞ!」

 「まぁ、とりあえず頭を冷やして1回取り調べ室から出ていってください」

 そう言いながら、その小林警部という人は無理やり取り調べ室から出されていった。

 「いやぁ、すまないね小林警部っていう僕の上司なんだけど頑固で僕も苦手なんだよねぇ」

 「あ、そっそうなんですか」

 「おっ喋れるねぇ、まず君の自己紹介してもらおうかな」

 「ひ、ひいらぎ かえでです。中学一年生で年齢は13歳です」

 私は自信なさげに自分の名前を包み隠さず言った。自分の名前をこのようにして言うのは学校の自己紹介をする時以来だった。

 「ふーん、可愛い名前してるね良いお母さんに名前つけてもらったんだね」

 「はい、自慢のお母さんなんです!」

 「へー、お母さんバツイチか」

 「はい、お母さんいわく私が生まれるや否や離婚したらしく」

 「そっかー、悪いこと聞いちゃったね」

 「いえいえ……」

 そしてしばらくの沈黙が起き、その警部は私のプロフィールを見続けている。まるでそれは、地獄の閻魔大王と二者面談をしている気分だった。

 「話は戻すけど柊さん、もしかして家族と友達殺した?」

 そう聞くと警部はニコニコしながら私の目をずっとみていた。恐怖と不安に駆られ逃げたい気持ちと変な汗が体中に流れてきた。私がお父さんに初めてアレをされた時とは別の怖さがあった。

 「え?私……」

 「いやいや、確率的には低いんだ気にしないでくれ普通中学生が殺人するケースは極めて低いんだ」

 「私がやりました。逮捕してください」

 私は短期的にハイになっていたと思う、視界は少し広がり気持ちが昂っていた。まるで自分が自分じゃないような言葉にできない気持ちが私を襲った。それを聞いて私の顔を見た警部は少し引いたような顔をした。私の発言や行動が異常だったのかそれとも単に高揚した私の顔を見て狂気的になっていたのかはわからなかった。

 「あ、あぁそうか君がやったんだね。もう少し証拠とか確認してから君を裁判所に連行するよ」

 「はい、ありがとうございます」

 そして、そのまま数人の警察官が私を囲みながら私を留置所へ入れた。私は、もう何が正解で何が不正解で何が普通なのかもわからなくなっていた。

 

 「はい、なるほどそんなことが起きていたんですね」

 「そうなのよ、私の家の隣から先週は叫び声が聞こえて娘さんはたまに血がついた服を着たまま家に戻っているのを見たことがあるけど……数年前にあの子がいじめられてるのを見ていたけど」

 「なるほど、そんなことが……わかりましたご協力感謝します」

 ――ということは、彼女の言っていたことは本当だったのか、近所の人たちに聞いてみたけどほとんど同じ証言をしているし、信じたくはないが……。

 俺は、このことを柊に伝えようと留置所へ向かった。留置所へ向かうと彼女の目はまるで死んだ魚の目をしていた。彼女が小さい声で微かにこう言って彼女の頭を留置所の壁に打ちつけていた。

 「私は悪い子、私は悪い子、私は悪い子、私は悪い子……」

 「おい、やめるんだ!」

 私は彼女の自称行為を止めベットの方に投げ飛ばした。どうやら彼女は精神を病みやすいらしい、精神科の先生いわく大切な友達家族を失ったことを再認識し生きる意味を無くしたのだという。


 「私、どうなるんでしょうか……」

 「まぁ、18歳になれば刑が執行されるが君はまだ13歳だ刑の執行されない。しかし、君はこの留置所で18歳になるまで入っていなければならない、そして18歳になってから具体的な刑が決まる。多分、いや確実に死刑か無期懲役は逃れられないな」

 「そうですか、できることなら早めに決まってほしかったな……」

 「なぁ、なぜ君の大切な友達や家族を殺したんだ?教えてくれ俺はこれだけが気残りなんだ」

 「刑事さんはありますか?友達に裏切られたり大人に無理やり力づくで好きでもない人に身体を許したり」

 「……」

 「ないでしょうね、刑事さんは平均的な親の収入で平均的な努力をして平均的な仲の良い家族や友達がいるでしょう。つまり恵まれてるんですよ」

 「だが、だからと言って殺しても良い理由にはならない!」

 「ええ殺しても良い理由にはなりません。だから精算してあげたんです私にどれだけのことをしたら精算できるか」

 「君は一体何を言ってるんだ!こんなの狂ってる!」

 「狂ってる?狂ってるのはあなた達政府の犬の方じゃないですか!」

 「……!?」

 「今まで散々身体を許してあげてるのに何もしない父親、友達だと思っていたのにいじめの主犯格だった友達、絵を褒めてくれたあの子は私の絵を燃やしコンクールにも出せなかった。これをどう精算するの?殺すしかないじゃない!」

 「じゃあ、なぜ君の母親を殺した!君の最も大切にしていた宝物じゃないか!」

 「見られたんですよ。皆が寝静まった8月14日の夜中、父を殺し終わった時それを見た母親は私のことをバケモノや殺人鬼って言われ心苦しかった。それを精算するには殺すしかなかった当時母もまともな思考判断ができなかったし死んだ父親に再会させてあげようって思って一石二鳥だと思った」

 「……」

 「それでも、政府の犬達は私が18歳になったら殺すか一生この犬小屋に生かされないといけないんですか?」

 「もう1つ聞きたいことがある君の友達や家族の遺体はどうした……」

 「食べました友達の肉は家族に食べさせて家族の肉は私と食べきれなかった分はそこら辺の野良犬に食べさせました」

 「君がもし僕の家族だったら絶対そんなことさせてあげなかった……普通の人生を送って正解の道へ送らせたかった」

 「最後に教えてください、何が正解で何が普通だったのか」

 「正解なんかないよ正解なんか、これは僕の言葉じゃないんだが普通とは狂った人間の集まりを平均化したものだ」

 「なるほど、狂った人間の集まりを平均化したものか、その人面白いね」

 私はそういうと警察官を周りに引き連れ留置所へ送られた。短い人生を人の世で過ごし、そして長いのか短いのかもわからない人生をこの犬小屋で過ごすこれがこの国のルールであると悟った。

 「にしても、あいつが犯人だったね僕の娘と同じぐらいの年齢なのにね怖いねー」

 「小林警部少し黙ってください」

 「なに!?僕は君の先輩だぞもっと先輩を敬え!ってあれもしかして泣いてる?」

 「えぇ、柊くんの代わりにないいているんだよ……普通がわからないからね」

 「はぁ、君もあの柊って女も狂ってるよ」


 数年が経ったもう夏は過ぎ秋が近くなってくるのがこの犬小屋からでもわかる。結果的に言うと無期懲役を貰った私は自殺の方が好ましかった。この犬小屋にいるのは窮屈だった。私は自分の服を使い鉄格子に首を巻き自殺を図った。

「うっ…………」

 最初は気持ちよくまるで母親の胎内にいるかのような心地よさだった。なぜか安心感のようなものが全身を掻き立てるこの安心感は大切な人なのか、はたまた死神なのかはわからなかった。

 次に起きたのは全身の寒気や辛さと恐怖さだった。これは、今までの殺した辛さを与えているのだと察した。

 最後は気持ちよさがまた発生した。これで家族や友達に会えるのだと知った私が家族や友人から奪った人生をこれで精算できると感じた。もうこれで全てが終わると。


 柊 楓 20歳 2009年 11月20日 23時24分 死亡。


 「あーあ、死んじまったか……まっ、無理はないか」

 そう独り言を言いながら俺はタバコを咥え火をつけた。あの時を思い出すと自然と涙が出そうになる今日のタバコはとても辛く感じた。

 「小林警部ー、柊元容疑者の墓参り行きましょ」

 「は?何を言い出すかと思ったら、人殺しの墓参り行く時間があるなら事件を解決してから俺に話しかけてこい!」

 「あいよー、ハゲクソ上司」

 俺はそう言いながら逃げるように柊元容疑者の墓へ向かった。もちろん花も買ったし飲み物はわからなかったがオレンジジュースと今流行りらしいお菓子を持って行った。

 「よう、柊!少しは大きくなったか?」

 俺は墓に独り言をぶつけた。

 「俺な、最近子供ができたんだ報告遅れてすまんな」

 しかし、言葉は返ってこない。しばらくの沈黙が流れた。

 「そうだ、これ花だ。どうだ柊に似合う可愛い花を選んだんだジュースも買ってきたぞ」

 俺は話していけば行くほど目の前の事実を信じたくなかった。

 「これ、お菓子だ最近流行りのお菓子なんだぜ見つけるのに一苦労したんだぞ」

 自然と涙が溢れてくる。自分より若くて酷い思いをして幸せにできないことをとても悔やんだ。

 「小林警部っていただろ最近ハゲが進行してきて、それをいじったらめちゃくちゃキレてきて面白いんだよ」

 冷たい風が吹き、紅葉の木々が揺れている。

 「ごめん、柊ごめん……もっと早く相談できたらお前が道を踏み外さないようにできたら」

 俺は泣きながら、その場を後にした。風が吹き誰かが呼んでいるような気がして後ろを振り返るが、そこには楓の墓だけが一人悲しそうに立っていた。

児童相談所虐待対応ダイヤル「189」

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