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75【白いペガコーンの急行便 1】

 ラーズベルト領三日目の朝。

 「シュンスケ、これよ」

 アリサが小さな掲示板に数枚だけ貼られている依頼書の一つを指さす。

 おれは領都の冒険者ギルドに来ている。

 今日は、カーリンは親子水入らずでお城で過ごしている。

 

 その間に俺は一つ依頼を受けることになった。

 〈荷物の運搬 ※ラーズベルト領から世界樹が見えること〉

 世界樹が見える条件はハッキリしていないけれど、世界樹に気に入られているとか、きれいな心がないとダメとか漠然としている、犯罪者やならず者は大体見えないらしい。ロードランダ国民でも一度出たら、見えなくなる人もいるらしい。外国に行って悪いことをすれば、帰れないんだよ。怖いよね。

 ちなみにクリスはもちろん、ウリアゴメンバーは全員世界樹が見えている。うん良い人しかいないからね!


 「期限がぎりぎりですね。明日中とは」

 「お前の感覚ではぎりぎりだろうけど、普通はもう不可能だ」

 ウリサが言う。


 依頼内容は、ジャンクカンパニーに荷物を取りに行って、ロードランダ王国の王都のとある屋敷にそれを届ける事。

 王都じゃなくて、ラーズベルトのギルドにこの依頼が貼っている理由は、ロードランダに入るのには、世界樹が見えてないと入れない。そうじゃなければ、入る毎に大金を担保に出入りできる認可証を受け取って入る。出口で返すときにお金も返してくれるんだけど、今回の依頼にはその認可証を負担する予算が入っていないから、世界樹が認識できる人が必要なのだ。

 だが、そんな距離的に面倒な依頼なのに、認可証代だけでなく、報酬が激安なので、Eランクの依頼となっている。数日の宿泊も必要だし、足も必要だ。こんな依頼をよくまあギルドは受けるよね。


 余りにも放置されていたのか、少しボロボロになって、Eランクの依頼なのに、Aランクの依頼のついでにと、Aランクの掲示板に同じものが抱き合わせで貼ってあった。

 俺の、初Aランク依頼はこれだな。

 ちなみにAランクの依頼も運搬で、足の速い茸をラーズベルト辺境伯領から期限以内に宮殿に運ぶというもの。

 世の中にマジックバッグというのがあるが、アイテムボックスの劣化版で、完全に時間を止めることは難しい。一般家庭の冷蔵庫や冷凍庫ぐらいの性能だ。中にはアイテムボックスなら大丈夫だけど、マジックバッグでは傷むのが止められない素材もあるそうだ。今回の茸もそうだ。

 ラーズベルトから王都へは早馬で二日かかる、それを一日で持ってきてほしいと書いてあるのだ。

 上位ランクや荷運びメインの人には馬より早い獣魔を飼いならしている時があるから、出来る人もいるそうだ。そう言う人を狙ってるんだね。でも、これも一日だけの仕事なので報酬は安い。素材をゲットするわけでもないしね、人気がないのだろう。


 でもでも。

  

 「これは、ちょうどいい!」

 思わず叫んでしまった!

 俺のステータスに幸運ってあったっけ。隠れステータスか?

 それとも幸運の神様がいるとか。あ、俺には、リアルに女神さまがいらっしゃいますね。


 「俺たちはCランクだからパーティーだと、受けられない。しかし、この内容なら、危険な討伐でもないし、シュンスケ単独でさせてもいいかな」

 「ありがとう!ウリサ兄さん」

 「ねえ、シュンスケ、あたしも連れてって」

 「宮殿に入るんだけど、大丈夫?」

 「うっそれは」

 アリサは上級貴族のテリトリーに入るのがあまり好きではない。なんか一気に肩が凝るんだって。若いのに・・・。


 「じゃあ、今回はクリスと行ってくるよ」

 先日クリスもポリゴン町のギルドで登録して、いきなり最低のGじゃなくてFランクをゲットしている。魔法の素質がランクアップのおまけだそうだ。一つ上のランクの依頼は受けられるからね。

 ジャンクカンパニーの仕事はクリスにしてもらおう。その時に紹介できたらいいしね。

 

 掲示している二枚組の依頼書を外してカウンターに行く。


 今回、クリスはいつものエルフ状態、俺も髪だけ黒いエルフにしてある。短髪にするのがめんどくさくなってきて、今日も武器になりそうな三つ編みだ。


 「あの、すみません」

 「はい、あら、可愛らしいエルフちゃん達ね」

 「分かってらっしゃるでしょ?見た目は幼くてもあれですよ?俺達。それよりこの依頼を受けたいんです」

 受付嬢もハーフエルフさん。

 「え?これですか?」

 「身分証はこれ」と言って人差し指を口に当てて、金色のドッグタグを襟元から出してステータスを見せる。

 「あなた様は!」

 「しっ」

 確かにとんでもないステータスなのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シュバイツ フォン ロードランダ 〈田中駿介〉

ロードランダ国王子

種族 スピリッツゴッド 十九歳〈六歳〉

冒険者 ランクA ウリアゴパーティ

レベル  六〇〇

生命力 一〇〇四

体力 二五九三六

魔力 四〇五〇〇〇

魔法基本属性 全属性

魔法特殊属性 全属性

スキル魔法 空間・錬金・鑑定・精霊・変身

その他スキル 算術・剣術・弓術・投擲・料理・裁縫・癒し・音楽・治癒・素描ドローイング小悪魔、ペガコーンの主、世界樹


称号:白鯨の盟友


風の女神の加護

水の女神の加護

海と宇宙の神の加護

大地の女神の加護

太陽と創造神の加護

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とうとう、王子の表示が付いちゃった。

そしていつの間にか最高神のゼポロ(お祖父)様の加護も付いていた。しくしく。

それに、相変わらずエルフや精霊の格好だと括弧の表示が入れ替わる。ハイブリッド仕様・・・

クリスもそうなるんだよすごいね。なんか、俺が渡していた黒い石を取られて、新たな石をドミニク卿にもらったんだって。そうして、石を触って「チェンジ」すれば変わるんだよ。そのうちピアスに変えてもらえと言われたそうです。だから、俺がこのピアスの作り方を習得するか、教授に会わせるしかないね。

 ちなみに俺はピアスなしで魔法で変身しても種族のステータスが変わる。でも、変身のスキルがステータスの中にあるから、登録情報をちゃんと調べたらフルで分かるそうだ。エルフでも精霊の見た目でも種族はスピリッツゴッド。


 世界樹のスキルのひとつはあの葡萄の葉っぱで移動する技能らしい。緑色ちゃんによるとほかの植物でも可能だそうだが、試したことはない。


 話は戻って、びっくりしていらっしゃった受付のハーフエルフさんに手続きをしてもらった。


 ジャンクさんの依頼はクリスが請け負う。


 さて、足の速いというキノコだが、ラーズベルトのギルドの近くの地下にある畑で栽培がされていて、必要な分だけ採ってくるらしい。だから俺が依頼を受けてからの収穫になるそうなので一時間半後の出発になる。


 そいえば、俺も今更だがクリスも冒険者の装備がない。廉価版のマジックバッグぐらいだ。

 「クリス、革鎧ぐらい用意しようか。今回の依頼には全然要らないけどさ」

 年末の討伐の時も、防寒だけ用意して、無防備だったしなあ。俺は必要ないけど、クリスメインで防御したい。

 俺達は、普通に胸にスポーツブランドのワンポイントのポケットのあるポロシャツとジーンズの短パンに短い靴下と履きつぶしたスニーカー。クリスの服は俺の予備で、靴はポリゴン町で調達したもの。靴以外は同じ組み合わせの服装だ。

 クリスもエルフの特性なのか、弓と投げナイフはぴか一だ。ゲール師匠の合格を勝ち取っている。

 「でも僕、持ち合わせが」

 「今回は俺が負担する。一緒に冒険に行って、クリスが無防備だと落ち着かないからね」

 「そうね、もう少し、いかにも冒険者の仕事中ですって格好の方が良いわね」

 アリサも付き合ってくれるそうなので、キノコの到着まで受付に声を掛けておいて、ギルド隣にある冒険者割引のある武具屋に寄り道する。


 女性の店員さんがにじり寄って高いものを押し付けてきそうなのをアリサがガードしてくれているうちに、まずはクリスの装備を。

 「これカッコいいなぁ」

 フルプレートメイル?いや、それが必要な依頼は受けないよ。結構いかついのが好みなんだね。

 「やめとけ。何にも付与されていないから、俺達には大きすぎるし重いし熱いし、歩いたらすごい音なんだぜ。着たことないけど」コソッ

 これはお屋敷の飾り用だな。

 洋画とかで砦の廊下などに飾っているの見たことあるな。

 「たしかに、僕たちには実用的ではないとは思います。でも興味はあります」

 このお店は、入り口に派手でお高いものを並べている。まあ、ショーウィンドウみたいなものだな。

 一番奥に行くとSクラスの冒険者向けの更にお高いものがあるけどね。夢の素材でできたような。

 それにしてもさっきから気になるのは、クリスが色んなものに食いついていることだ。


 「あ、これいいじゃん」

 「でもあまり防御力は無いですよ」

 フォレストボアの革の軽鎧。動きやすそうな肩当てと、投げナイフのスロットが胸や腰についているし、背中にも靭を装着する金具がついている。ウエストにはポーチをセットできるベルトも付いている。

 「これに膝宛てとうつぼを・・・あ、これこれ、短い矢が三本ぐらい入るコンパクトな靭で、蓋が付いている。それからウエストに付ける小さいポーチを幾つか。

 これにさ、俺が魔法を付与するからこのセットを四つ買おう」

 「そうですね、ベルトで調節できますね。ありがとうございます」

 「どう?アリサねえちゃん」

 「たしかに防御力が不安だわ」

 「今回は間に合わせでこのままを使って、もう一つには海竜の鱗で加工してもらおうかなと」ちらりと一枚出す。

 「シュンスケさん、そんな貴重なものを持ってるんですか?」

 「そう言えばいっぱい持ってたわね。そうね、それなら。ぐんと防御力が上がるわ」

 「こんなところしか使い道ないでしょ。アリサねえちゃんの装備にも付け足す?」

 「もう一つランク上がってからにするわ。身の丈に合ったものじゃないと絡まれそうだし」

 「そう?」


 あとは、弓は長距離用と短距離用と矢も五十本ずつセットで箱に入っている、と投げナイフ。


 「すみませーん」

 奥の会計のところに男性のドワーフの店員さんがいる。

 実はこの世界で初めて見た、いかにもドワーフなおじさんに接触したくてうずうずしていた。

 「なんだ?坊主たち」

 「これ下さい」

 「二セットずつ?贅沢なやつらだな」

 「片方にはこれを足して加工して頂けるところを探したいんですけど」

 と言って、モササにもらった鱗を一枚出す。

 「こ、これは?どうしたんだ坊主」

 「縁あって、海流のモササと友達になったんです。それで、彼女本人からもらったんですよね」

 「ほう、じゃあクラーケンを一人で倒したって言う噂のエルフってお前さんかい?」

 「まあ、一応」

 モササにもらった巾着はマジックバックになっていて、モササの脱皮二回分が入っている。つまり凄く沢山あるのだ。

 「よし、分かった。この一セットに、鱗二枚付けてくれたら、全部の料金はいらねえ」

 「ほんとに?じゃあ、五枚預けとくから、後で、こっちの二つも仕上げてくれる?」

 「わかった、ついでにそれ、付与するんだろう?ここでしていけよ」

 「え、でも」

 「奥に、俺達専用の工房があるから」

 「じゃあ、急いでいるからお言葉に甘えようかな」

 今回の依頼には弓矢は全然要らないんだけどね。


 ほんとはアナザーワールドで作業しようと思ってたんだけどさ。

 奥と言われたけど下へ行く階段しかなくて、図書館と比べると地下三階層ぐらいの結構下まで行った地下に俺達六歳児にぴったりな大きさの扉をくぐる。アリサねえちゃんはウリサの代わりに保護者ポジションでついてきていたが、いまは冒険者用の洋服を店員さんと見ていた。

 ドワーフのおじさんは、俺やクリスと同じような百二十センチくらいの身長の、インテルさん。それが、俺の胸囲ぐらいのごっつい腕でひょいと矢の箱を四つも担いで持ってくる。

 五十歳前後に見える御年百歳のクラフトマンだ。アジャー島のタイナロン様とは旧知の仲だそうで、それで俺の話も聞いたらしい。

 大物の人脈はすごいね。


 中に入ると、魔法で空間拡張がされていて、いくつかの区画に分かれている。もう一人奥にドワーフがいて、一つ上のお兄さんのゴードンさんで武器担当。奥に青い炎の揺らめく炉があって、カンカン音がしている。鍛冶をしている最中みたい。

 手前に、図工室のようなテーブルが並んでいるエリアがあって、端っこには素材の革や魔石や石が整然と置かれている。一つのテーブルには俺が買ったような革鎧の作りかけを上半身だけのトルソーに掛けられて置かれている。


 「ここを使ってくれ。魔石もあるぜ別途料金だがな」

 「魔石は持ってますよ。じゃあ、やろうかな」

 学園の実習で作った、圧縮魔石。もとはソフトボール大もある大きさの魔石を、魔法陣においてビー玉サイズに圧縮するのだ。すると、小さい道具に小さい魔石でも大きな魔石と同じ効果が使えるようになるんだよね。

 面白いし、実用的だから、魔法陣を複写して、手持ちの魔石をいっぱい圧縮した。その時属性変更なんかもして、全部の属性の魔石が色々揃っている。


 まずは靭。蓋を開けたら常に三本の矢筈から羽根の部分が飛び出すようにする。

 そういえば蓋の機能で数本ずつ飛び出すシャー芯があったよな。まあそんな機能と、見た目は三本入りのスリムな靭に重量は感じず種類分けして五十本ずつ計百本一気に入るよう拡張する術式を圧縮魔石に書き込んで、靭の底に突っ込んで、長い棒で押し込んでしまう。

 「ほうほう、なるほど俺達みたいにタッパが小さいと大きな靭は不便だもんな」

 俺のアイデアにインテルさんが同意してくれる。

 「でしょ、その上で」

 矢を百本セットで全部一気に付与する。

 防折、防汚、自動修復機能、靭から出して手から離れて五分で靭の中に瞬間移動で帰ってくる機能。

 必要な魔法陣を重ねて敷いて、その上に、無属性にした圧縮魔石を粉砕した粉をかける。瞬間移動は特殊なスキルだから、魔法陣が書けても使える人にしか付与が出来ない。俺とかね。

 前にお弁当用の箸と箸箱で試してみたらうまくいったんだ。あの時は朝になったら、箸箱に収まっているという内容で。

 とにかくこれで、

 「出来た。無限に矢が撃てる靭が完成だ」


 「なんじゃそりゃー」

 インテルさんが小さな声で叫んでいる。

 「さすが!」

 クリスはいつも俺を褒めてくれる。

 「便利でしょ」

 「確かにすごい。矢の消耗をあまり考えずに済むなんぞ」


 次はマジックバッグの機能の付いた小銭入れみたいなサイズのポーチ、クリスには3つ。

 一つはかさばる弓と投げナイフを沢山収納する用。

 もう一つは、討伐した得物などを新鮮なまま時間停止も付けて収納するため、コンテナ位の容量にした。

 そして、最後にはこっちも時間停止付きで食べ物や飲み物などお弁当を暖かいまま腐らないでいれられて、着替えも沢山入れる用。こっちは荷馬車ぐらいの容量にする。これは単独で革鎧も丸ごと入れられるようにすると、普段はこれだけを持ち歩けばいいんだ。


 「これで完璧なんじゃない?ちょっと、クリス装着してみて」

 「はい!」

 カチャカチャ。

 「出来ました」

 うん、可愛いけど似合ってるよ。

 「この二つの弓と投げナイフをここに入れて」

 「はい」

 それから矢もさっき入れたもんね。

 「ちょっとそこから短距離の弓と矢を出して」

 「はい」

 ぱっと出して構える。短距離の方だ。

 「矢はその作業台に置いていけばいいから、出して構える動作を十回位繰り返して」

 「はい」

 

 「どう?」

 「はい、スムーズにできますよ。短距離の弓を持ってるから短い矢しか出てこない?あっ」

 クリスの動きが速くて、テーブルには十本の矢が出ていたんだけど、一つ消えた。

 「わあ、また消えた。すごいすごい」

 他のマジックバックとデータが共有されていて、マジックバックのどれかを触るとどこに何があるかのリストが出現する。そこには靭の矢の残量が出る。

 「テーブルの矢が消えると、データ上で靭の矢が増えます」

 「無限靭の機能は我ながら完璧だね。

  じゃあ、後三つ分も今のうちに付与しておこうかな」


 「お、お前さん、じゃなかった、シュバイツ殿下」

 俺たちのことをジーッと見ていたインテルさんが俺に詰め寄る。

 「なんでしょうか、インテルさん。あれ?俺、本名名乗ってたっけ。」

 「さっきハロルド様で来たじゃろ」

 「そうでした、でも冒険者ギルドでは駿介でお願いします」

 「じゃあ、シュンスケ殿。あのセットにも同じ付与をしていただけないでしょうか、付与の報酬はお渡しします。今から弓と矢も持ってくるから」

 そう言って、もう一つのテーブルにもあった革鎧のその付属品を指さす。

 「いいですよ」

 魔法陣も縮小して転写するだけだもんね。

 「っていうか冒険活動の時は敬語はやめてください」

 俺が作業する様子を、またインテルさんとクリスが食い入るように見つめてくる。うん、少しやりにくい。


 そうして俺が鱗を張り付けてもらう革鎧を置いて、工房を出るときに、インテルさんは俺に大きな金貨を二枚押し付けてきた。父さんの横顔がレリーフされている大金貨を。

 「え?一組分の付与だけで?そんなにする?しかも圧縮魔石は提供されたのに」日本円に換算すると二千万円・・・

 「いいか、瞬間移動は、伝説の魔法だ」

 「以前に、(悪者だけど)瞬間移動の使い手に会ったことがありますよ」

 「二百メートルぐらいの瞬間移動が出来る奴はたまーにいるが、付与が出来るほどのスキルを持ってるやつは、相当なんだ。お前さん、タイナロン様のところから、帝都まで往復したんだろう?」

 「よくご存じで」

 「自分が規格外だということをもっと、常に、意識しなさった方が良い」

 「・・・ご忠告ありがとうございます」

 

 改めて革鎧を来て膝や脛宛てを装着した俺たちは階段を上って、地上のアリサねえちゃんと合流する。ちなみに俺の革鎧には靭はない。母さんのウエストポーチだけをいつものように装着している。

 「二人がそうして並んでいるのも可愛くていいね」

 「ちょ、アリサねえちゃん、俺たちはかっこよく決めてきたつもりなんだからやめてよね。ねえクリス」

 「くすくす。確かにシュンスケ様は可愛いですよ」

 「クリスだって可愛いぜ」

 「何よこの子ら、も~変なの」


 買い物しに行ったのに、儲かって帰ってきた俺はたぶん複雑な顔で、冒険者ギルドに戻った。

お星さまありがとうございます。もっと頂けたら♪

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