50.5 挿話6 【老執事と海】
老執事幸せの回です~
私は、マルガン伯爵家に半世紀以上仕えてきた執事です。
数年前に一度定年しましたが、隠居しても、もともと仕事が生き甲斐でしたので、いまさら老後の趣味を探すのもと思い、再雇用をお許しいただいて、帝都のお屋敷を管理させてもらっております。
とはいえ、マルガン家は主に帝国の東の方の辺境を治めるのがお役目ですから、このお屋敷は社交のシーズンと、領主の総会シーズン、夏のバカンスなどでしか使用されません。
ところが、昨年の春の終わりに、マルガン家当主の叔父にあたる、ドミニク様が、代官を務めていらっしゃるポリゴンの町から、三人の冒険者と一人の子供を連れてきて、置いてやってほしいと言われました。
特に子供は、本人の知らない複雑な事情を抱えているから、マルガン家の当主を育てた時のように、貴族として扱ってくれと言われたのです。
でも、タナカ家?聞いたことないですね。外国の方?なるほどそうなんですね。
確かに、そのシュンスケ様はまだ五歳というのに、高度な躾けをされてきたのか、お食事の様子もきれいですし、言葉遣いも相手をみて使い分けているなど、私の教育などはほんの少し、そうですねちょっとした常識を整えるだけでよさそうです。
それに、ドミニク様の勧めもあって、シュンスケ様は老眼で文章を読んだり帳簿の管理がつらくなっている私の補佐をしてくれて。
聞けば文字を習得したのはお会いする寸前だったのだと。外国から来てまだ三カ月ですから。言葉は通じるけれど、文字が全然違ったそうなんです。帝都に来られてすぐに六歳になられましたが六歳とは思えない読みやすい文字を、結構な速さで書くのです。もちろん読書も大変沢山されます。
本館にある本を、ウリサに手伝ってもらって、この離れの納戸に本棚ごと移動して書庫にすると、お礼を言いながら大喜びで、毎日寝所に持って行って読んでいらっしゃるんです。
そして、びっくりするのは、計算能力です。六歳なんて帝都の貴族でも、数字が書けたら十分、または両手で足りる計算が出来たらすごい方です。それが国家予算以上の数字でも四則計算でき、しかも三桁ぐらいならパッと見るだけで暗算をしてしまいます。長く帳簿を管理していた私も舌を巻く勢いです。そして、暗算で出した答えをソロバンという故郷の計算道具で、目も止まらぬような速さではじいて検算をされているのです。仕事に対してのプロ意識が大人顔負けです。その上、ただの計算だけでなく、面積や体積なども理解しているのです。
神童って本当にいらっしゃるんですね。シュンスケ様を支援すると決めたドミニク様を誇りに思います。
しばらくして、ドミニク様が、シュンスケ様宛に来たお手紙のうちの、すごく特殊な封書を私にゆだねて
「これを、あの子に読ませて、内容を、教えてもらえそうなら聞いてくれ」
そのお手紙はなんと、ロードランダ王国の国王様の封蝋がしてありました。
エルフの王お一人が三百年にわたって納めているかの国に、数年前王子様がいらっしゃるという噂が立っていましたが、まさか、それがシュンスケ様だったとは。
シュンスケ様は王子と言われるのは困るから、内緒にしてくれと頼んでこられました。
そうして、ウリアゴとシュンスケ様がこの屋敷に来られて初めての冬になってしまいました。シュンスケ様にとっても、このガスマニア帝国で初めての冬だとおっしゃいました。
ある日忙しい学業の合間を縫って、シュンスケ様は南国へゴダとバカンスに行かれました。学業の息抜きのバカンスだと聞いていたのに、Aランクのクラーケンをお一人で討伐されて、セイレンヌアイランド共和国では、英雄とされたそうです。
伝説と言われている大きな白鯨の背に乗って帰って来られたのを見た時は、あんなに小さかったシュンスケ様が大きく輝いて見えて、お屋敷でお世話させていただいていたことが大変誇らしくうれしかったのを覚えています。まるで孫が立派になったようで、こみ上げてきた感動の涙をこっそり拭いてしまいました。
数日後、南国から贈られてきた立派な二枚の絵をみて、これは、このホールに掲げるべきだと、かなり大きいものでしたが、マルガン辺境伯様やドミニク様に断りもなく勝手に設置したら、「よくやった」とドミニク様に褒めていただきました。
それにしても、シュンスケ様の本当のお姿はあんなに美しいのですね。いつか実際に見させていただきたいですね。
そんな成長が眩しい(身長は全然伸びないですが)シュンスケ様がある日私に頼み事をしてきました。
「あの絵についていた封書に、セイレンヌアイランド共和国のアジャー島の小島とそこに建ってるお家を俺にくれるんだって」
不動産をいただくなんて、しかも小さいとはいえ島一つでしょう?なぜそんな困った顔をするのでしょうか。男にとってはそういうものを手に入れるのは夢ですよ?
「管理とかさ、分からないしね」
なるほど、そういう事を懸念されるなんて、さすが立派です。
「ま、でもせっかくだから、確認して納得したら手続きしようかと。
それで、俺、契約書を確認することにまだ不安があるから、セバスチャンも一緒に来てくれない?」
「私がですか?」
「うん、ドミニク卿には了解もらってるから」
そうですね、たしかに、子供だからと騙されたりしては、大変です。
「じゃあさっそくだけど、明日朝ご飯を食べる前にロビーにいて。あ、真夏用の服にジャケットを着るんだよ?いいね。全部で二泊三日だから短くてご免ね」
「わかりました」
セイレンヌアイランド共和国には普通、帆船魔道フェリーで片道二日かかるのですが、魔法とはすごいですね。
次の日、ミアに私の留守中の指示をし、ウリサたちにもお願いして、ロビーに行くと、シュンスケ様がアロハシャツと半ズボン姿で階段を駆け下りてきて、
「うー寒い!からすぐに行くよ」
玄関の扉の隙間を開けたとたん、暖かい風が吹き込んできて、一歩踏み出すとそこはもうアジャー島だったのです。
「はあ、寒かった。セバスチャン暑くない?大丈夫?」
「ええ、こう見えて夏用のジャケットですよ。空調効果の付与をしているのです」
「なるほど!では行くよ。ここはアジャー島のギルドの裏口なんだよ」
そうですね、若いころに一度滞在したきりで数十年ぶりに来ましたが、変わらぬ風景が懐かしいです。
「ボートはえっと、こっち」
シュンスケ様が手を繋いで連れてきていただいたのは、小舟が停まっている船着き場で、その船の横では、帝都でゴダともやり取りしている、ヴィーチャ様のお付きの人のウィードさんという男性のマーメイドの方が控えていました。
「サバスチャンさん、本日はよろしくお願いします」
「こちらこそお願いします」
そうして、ウィードさんが海から直接ボートを押して連れてきてくださったのは、南国らしい美しい島でした。サンゴ礁に囲まれたそこには小さな砂浜があり、プールの付いた平屋のいかにもリゾート向けのシンプルながら品の良い住宅がありました。砂浜の反対側には船着場も設けられていて、小さな漁船ぐらいなら、利用できそうです。
「どう?セバスチャン。俺はよさそうに見えるんだけどね」
プールサイドのテーブルで、坊ちゃまがアイテムボックスから出してくれたサンドイッチと、ウィードさんが用意してくださった、ココナッツミルクのジュースで朝ごはんを一緒に頂きながら、話す。
「そうですね。なかなかいいですな」
「ここで二泊ぐらい過ごしてみようよ」
「わかりました」
「そしてここで、俺から課題を一つ」
「なんでしょう」
「セバスチャンがお客様だから」
なんですって?
「ここでは、セバスチャンがゆっくりする事。俺はね、今日学園があるから。ほら、先日三日も休んじゃったでしょ。暇を感じない程度に、ゆったりスケジュールを組んでもらったから。晩御飯から明日の朝までは俺も滞在するから」
「わかりました」
「じゃあ、ウィードさんこの人をよろしくね」
「はい、お任せください」
そうして、坊ちゃまは傍らの扉を開けると、帰って行ってしまった。
「困りましたね」
「どうされました?」
「私はじっとしてられない性分でして」
「ははは、分かります。でも、ゆっくりする事が出来たら、次にもっと頑張れるんです。シュンスケさんが〈メリハリって大事だよね〉とおっしゃってましたよ。あんなに幼いのに。セバスチャンさんがお教えしたんですか?」
「まさか、彼は初めから何でもご存じなんですよ。少し私共とは常識がずれているところもありますが、良い意味でずれているのです」
年齢に差はありますが、ともに主に使える職業同士、会話がはずみます。
とりあえず、午前中はこの島全体と建物の中と外を見回して、色々チェックさせていただき、また、坊ちゃまに合ったリフォームなどが思いついたらメモでもしておきましょうか。
「では、まず、お散歩ですかな」
「わかりました。トリトン族のお世話する者が交代で来ますので。何かありましたらお声かけて下さい」
坊ちゃまに頂いたアロハシャツに着替え、麦わら帽子を被る。
鏡を見て、少し焼いた方がいいかもしれませんね。ああ、サングラスもありますね。これはいいですな。
太陽が近くて暑いですが、風はさらっとしていますし、なかなかなものです。
冬の寒さで固くなっていた腰や肩、首筋などがふわっとほぐれていくようです。
夕方になり、坊ちゃんが学園から直接こちらに戻ってこられました。
ウリサが屋敷で待機しているのでお迎えできませんしね。
「セバスチャンどう?ゆっくりできてる?」
坊ちゃまが、リゾート感たっぷりの設えの寝室でアロハシャツに着替えながら聞いてこられます。
「ええ、建物ツアーと散歩をしましたよ」
「今から少し買い物に行かない?」
「わかりました」
島の船着き場に行くと、今朝の小舟にまたウィードさんが控えていました。
「先代様のお店に行きたいな」
「わかりました、まだ夜の水上マーケットは行かれてないんですよね」
「はい!楽しみです」
アジャー島の一角にマーメイドのための水路が張り巡らされている場所があって、そこが船の行きかう水上マーケットになっているそうです。色々なものを売っている船の間を、呼び込みをあしらいながら、小舟でお買い物をするのですって。
夜は船に取り付けられているたくさんの魔道具が連なるように光っていて、それが水面にも写し出されていて、幻想的です。
色とりどりの豆や様々な粉をたくさん積んでいる船に近寄った坊ちゃまは、慣れた様子で店のおやじと交渉して、白い穀物と、小豆を買っておりました。あら、お金を受け取りませんね。
「むー、また貰ってしまった。お金払うって言ってんのに!」
「島の恩人からお金をいただくわけにはいかないですよ」
ウィードさんの言葉で、先日のクラーケンの一件で、坊ちゃまがこの島を救ったことを、皆が感謝していることを実感して胸が熱くなりました。そればかりか、
「おや、シュンスケ様じゃないか。シュンスケ様の好きなパイナップルがあるよ、持って行って!」
と言いながら、すれ違った船のおかみさんがフルーツを小舟に置いていきます。
「え?そんな、お金は?」
「あんたからお金取ったら島のみんなに怒られるさぁ。ドラゴンフルーツも入ってるからね」
「えーしょうがないなあ。でもありがとう!
あーあ。つまんないね。交渉して値切ってお金払うのが楽しいのにね、セバスチャン」
「ふふふ、まあ何年かしたら買えるのでしょう」
「そろそろ、戻りますか?シュンスケ様。お腹すいてますよね」
「うん!ウィード、お願いします」
小島に戻り、ジャグジーという魔道具(何と坊ちゃまが作られたそうです)の付いたマッサージ効果のあるお風呂を使わせてもらって、さっぱりした後は、建物の庭にあるバーベキューテラスで、シーフードや新鮮な野菜を焼いていただき、先ほどもらってしまったと言ってたフルーツをなんと、目の前でシュンスケ様が魔法で出した雪のような氷の上にカットして盛り合わせてくれて、しかもその食べやすいように美しくカットする手つきが、小さい手から慣れたように繰り出されて、ちょっとしたショーに思えてしまいました。
明日も学校だからと先に建物でお休みになられるシュンスケ様を見おくりながら、夜のテラスで冷えたワインをいただきました。魔道具が幻想的に夜のプールを光らせています。
テーブルにはワインに合うような燻製されたお魚やチーズなどが切り分けられて置かれました。
ひとりではわびしいので、プールのところでウィードさんに付き合ってもらっています。
「チーズはシュンスケさんの持ち込みなんですよ、それに魚を燻製にするのもシュンスケさんに教えてもらって、私どもも初めての試みだったんですけど、ワインに合いますね」
「ええ、まだお酒は飲んだ経験がないと言ってたんですけど、誰に教わったのでしょうか」
「お母上様だそうですよ」
次の日の朝、ぐっすり眠って気持ちよく起きた私は。また島の散歩に歩いています。
すると、大きな水音がして、船着き場の方に大きな海竜が来たのを見てびっくりしました。濃紺の鱗が鏡のように美しく輝いています。
「おや、ごめんなさい、脅かしちゃったね」
「いえ、シュンスケ坊ちゃまにお話は聞いております。あなたがモササ殿ですね」
「そう。ここいらの島の人もそうだけど、私もシュンスケに助けられたんだよ」
って話していると
「おーいモササ!」
「シュンスケ、おはよう」
「おはよう!」
なんと、大きな海竜に飛び着いて無邪気にはしゃいでいます。子供らしくてお可愛らしい。
「モササ、今日は昼ぐらいに、セバスチャンの話し相手をしてほしいんだ。俺はこれから学校だからさ」
「わかった、お安い御用さ。シュンスケの武勇伝を言ったり聞いたりしようかね」
「えー。そんな話題はやめて!
セバスチャン、釣りの道具を用意したんだ。のんびりするなら、浮き釣りかな。生餌はこっちの箱で、疑似餌はこれとか。針がもう付いている竿、こっちはリール付いてて、こうやったらロックが出来て・・・」
「なるほどわかりました」
本当に坊ちゃんはご自分では〈おもてなしスキル〉と表現していたけれど、配慮がすごいです。身分がなければ執事にスカウトしましたのに。
「誰もいないからここに置きっぱでもいいよね。先に朝ごはんだよ。じゃあモササ後で、この人をよろしくね」
そうして、海竜殿と坊ちゃまの話をしながら、のんびりと釣りを楽しみ(五匹ほど美しい魚がかかりましたが、逃がしました)
二日目の夜もゆったり過ごしました。
翌日、今日は週の休みで、坊ちゃまは学校がないはずです。
「今日はどうされますか?」
遅く起きて同じテーブルで朝食を頂きながら訪ねます。
「ギルドに行って、この島を契約しますね」
そうでした、それが一番の目的でしたね。のんびりしすぎて忘れておりました。
そろそろ、執事モードに切り替えましょう。
冒険者ギルドに行くとギルドマスターの部屋に通されました。
ギルドマスターはタイナロン様、マーメイドのヴィーチャ殿の御父上にして、このアジャー島の族長様です。シュンスケ様が初めてお会いしたときは、金色の衣装をお召しになり、まさに南国の王という感じだったそうですが、今は、職員おそろいの青い(坊ちゃまはネイビー色と言います)アロハシャツを着ていらっしゃいます。それでも、ドミニク様より大物感が凄いと感じたのは私だけの秘密です。
「これで、シュンスケもアジャー島の住人だな」
威厳のある方の心からの笑顔はまた素晴らしいですね。
「ははは、ここは大好きだし、出来るだけ通うよ。
・・・はい。俺は確認してよさそうだけど、一応セバスチャンも確認して」
「かしこまりました。
そうですね、おかしなところはないですよ、大丈夫です」
「ほー、契約書を確認するために大人を連れてくるたぁ、子供の発想じゃないけどな」
「えへへ。どうも。はいサインしましたよ」
「うーん、読めん」
「田中駿介って書いているの。ほら、ステータス」
下の方を手で隠しながら見せていらっしゃいます。
「同じような文字だな。うん、よし契約成立だな」
大きな手と小さな手の握手が交わされました。
「じゃあ、帰ろうか。帰りは少し時間がかかるんだよ。夕方にはつくけどね」
魔道帆船だと数日はかかるんですけど、昼前も今から夕方って、時間かかるとは言わないんですよ?確かに瞬間移動は隣の部屋って感覚でしたが。
そうして、ギルドを出て前の広場の様なところに立っていると、大きな影が突然現れました。
上を見るとなんと白鯨のムー様が雄大な姿で浮かんでいるのです。
「まさか」
「そ、これで帰るよ。
ムーさんわざわざありがと」
『かまわん、シュンスケにはいつでも会いたいからな』
「「「ムー様だ」」」
「「わぁまた見れた」」
「あ、シュンスケ様がいらっちゃるんだね」
「やっぱり!おーいシュンスケ様!」
「はーい!また来ますね~」
広場の人がシュンスケ様に手を振ってくるのに笑顔で応えていらっしゃいます。
「セバスチャン行くよ」
差し出された小さな手を繋ぐと、ふわりと体が浮き上がって、
大きな白い背中に乗せられました。
暖かくて、柔らかくて、なんとも良い座り心地です。
白い鯨はゆったりと、しかしだんだんすごいスピードで大海原の上を飛んで行きます。
夢のような光景に興奮しておりましたが、だんだん冷えてまいりました。
坊ちゃまがウエストポーチから私の上着を出してくれて、それを着ました。
こんなに速く景色が流れているのに、上着が風に飛ばされることなく、いつものように着れることにも驚きます。これも風魔法の制御ですか。素晴らしいですな。
「俺ね、お祖父ちゃんとかお祖母ちゃんを知らないから、いつもお世話になってるセバスチャンに、お祖父ちゃん孝行の代わりというかそういうのをしたかったんだ。島の件は丁度良かったし、突然振り回してごめんね」
私を仕事から遠ざけて、のびのびと過ごさせてくださったのに、謝ってくるとは、どういう感覚をお持ちなのでしょうか。それに私にも孫はたくさんおります、ええ、もう大人になっている者もおります。しかしこんな祖父さん孝行をする者は一人もおりませんよ。小遣いを強請るものばかりです。
「いえいえ、坊ちゃま、この爺めは大変うれしゅうございましたよ」
じいと言った私に、満面の笑顔がすごく眩しいですな。サングラスが必要です。
「それにしても、セバスチャンは高いところ平気でよかった」
「ええ、楽しいですね。海鳥の目線で景色を楽しむなんで素晴らしいです」
「こないだ、ゴダなんてずーっと怖い怖いって叫びっぱなしでさ、大変だったんだよ」
『ははは、そうだったな』
白鯨のムー様が笑っておられます。背中に座らせてもらってるので、お顔は見えませんが。
この、ムー様は薄っすらと遠目にお姿を見られるだけでも一生に一度あるかないかの吉兆といわれておりましたが、まさか背に乗せられて運んでいただくなんて、これはもう冥途の土産としても最上級の体験ではないでしょうか。
そうして、わたくしが執事になって初めて体験した、南国バカンスは終わりました。
あ、若いころは冒険者としてドミニクさまの父上様と訪問したんですよ。
お屋敷に帰って、今までになくやる気いっぱいで業務に復帰したことは確かです。
坊ちゃんがいう「メリハリ大事」理解いたしました。
次は、何とか 侍女のミアも連れて行ってやってほしいものです。
ウリサ「シュンスケが保養施設を用意したんだって言ってたぞ」
アリサ「いつでも行けるように、とっておきの水着を買ってるんだ」
ゴダ「ムー様の送り迎えなら俺は絶対行かないぜ」
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