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28【フィッシャーマンズフェスティバル&マーケット つまり大漁祭り】

 地球でも、秋と言ったら、その年の実りに感謝して、来年の豊作をお願いする、お祭りがありますね。

 俺の住んでた所でも、山車が出てそれを見に行き、神社に出店が並び、友人たちと屋台のはしごをする。前回はちょうど俺が推薦入試準備のピークだったので行ってないが、近所の幼馴染のやつが、イカ焼きだけ持ってきてくれた。あいつも国立狙いの受験生だったのに、「息抜きも大事なんでね」なんて、余裕の成績をお持ちなのがうらやましいことで。

 あいつらもう、大学デビューしたんだろうな。


 ま、俺なんて、魔法使いデビューしてるしな!


 さて、ここ、ガスマニア帝国の帝都は、海岸に面していることもあって、秋祭りは大漁祭りとなっていた。海の神様に漁の安全と、大漁の感謝の気持ちを表すのだ。教会の中の海の神の像の周りにも、今朝獲れた魚とか、干物とか海藻を山のようにお供えしていて、生臭もとい海の香りのする大聖堂となっている。

 灯台のある漁協兼冒険者ギルドの漁港の内外に停泊している漁船には色とりどりの布や旗で飾られている。船が神輿って感じなので、数も多くて素晴らしくきれいな風景だ。

 「シュンスケ!」

 呼びかけて振り向けば、ヴィーチャがこちらに向かって手を振っている。

 「ヴィーチャさん、おはようございます。今日はよろしくお願いします」

 「ええ、こちらこそ」

 ヴィーチャさんは人魚族のはずなのに、今日は軽やかな美しいドレス姿だ。彼女の鱗と同じ桜色のスカートがひらひら海風にゆれている。濃い緑色の髪は結い上げられていて、いつもは隠れているうなじが色っぽいです。

 サテン地のサッシュが右肩から左腰に掛けられていて、左腰には紋章の入った飾りをつけている。

 「ヴィーチャさん、今日は靴を履かれているんですね」

 「ええ、この腰の飾りが魔道具になっていてね、今日は人間族の姿を借りているんです。その方がお祭りを楽しめると思って」

 「それはいいですね」

 「でも、やっぱりいきなり踵のある靴を用意されたから、色々大変」

 ヴィーチャさんは、もっともっと南に国がある人魚族の族長の娘の一人らしい。そんな立場の人が漁師の手伝いで海女のような仕事をしているってどういうこと?って以前聞いたら、

 「人魚族は多産だから、生まれ持った地位なんてちっとも残らないの。

 私には二十人も姉がいるもの。だから、やりたいことを好きにできるのだけど、そうすると、地位に伴う責任がなくなっている分、自立して生きていかなければいけなくて。だから、漁をしているのよ」

 って説明してくれた。強くて美しい人です。でも、今日だけは呼ばせてもらおう。


 「では、人魚姫、参りますよ」

 かっこつけてるつもりで手を出す。

 俺は今日はいつもの、なんちゃって助祭の姿だ。

 「はい」

 笑顔が眩しい!今日は薄っすらとお化粧もされている。


 漁港の前に大きな広場がある。

 南側にぽっかりと大きな洞窟が開いていて、その向こうに水平線が見えている。

 洞窟の端に灯台とギルド、そこから広場を囲うように漁協や教会などの建物がある。


 建物の前には都民がいっぱいいらっしゃる。

 広場の真ん中で、学友のセイラード第三皇子殿下が俺に気付いてウインクを投げた。

その隣に、彼にそっくりのこれまたイケメンの アスランティック フォン ガスマニア 皇太子殿下が立っている。


 俺はヴィーチャをエスコートしながらセイラード殿下の後ろから、広場の一角に今日のために設置されたチェンバロのほうに回る。その傍らがヴィーチャの立ち位置だ。


 セイラード殿下が近寄ってきて耳打ちする。

 「シュンスケが、音楽の心得があるとは知らなかったよ。楽しみだ」

 「ちょ、プレッシャーかけるのやめてください。

でも殿下のお顔を見て、すこし緊張がほぐれました。」愛想笑いのにっこり。


 チェンバロに座ると、皇太子からの合図。

 前にもヴィーチャと歌った海の神を称える曲。それがお祭りのオープニングらしい。

 

 “いくよ、たのんだよ!”

 “まかせて おうじ♪”と可愛い羽をパタパタして黄色ちゃんが肩から飛び立つ。黄色ちゃんも今日はおめかししているのか、長めのワンピースに、黄色い髪を上の方でお団子にしている。

 もちろん俺以外には見えない。

 

 この楽器は屋内演奏用、屋外のましてや人ごみの中で演奏するには向いていない。でも、黄色ちゃんの風のコントロール力で、民衆のざわめきが抑えられて静かになる。


 チェンバロを弾き始める。それと同時に今度は俺が風魔法を自分たちを中心に発動する。

 俺の演奏とヴィーチャの歌声が少し響くぐらいにし、音量を増幅してみんなに届ける。

 俺の魔力が黄色ちゃんの魔法と混ざって爽やかなそよ風を広場に広げていく。


 まるで最高の音響のホールのような効果が出ている。


 ヴィーチャもすごく気持ちよさそうに歌っている。

 ああ、なんて美しい人なんだろう。

 突然飛ばされた異世界だけど、俺は幸せだよね。

 にこにこした笑顔が止まらないのが自分でもわかる。


 「かわいい」

 「天使かしら」

 「ううっシュンスケ立派になって」

 「シュンスケ、あいつは本当に多才だな」

 「オープニング来てよかった!」

 なんか色々な声がきこえる。

 ちょっと黄色ちゃん!気が散るじゃん。特定の声をピックアップして俺だけに届けるのやめてよ。褒められているみたいだからいいけどさー


 そうして歌が一曲終わる。


 皇太子が立ち上がり、声を増幅する魔道具を持ち宣言する。

 「これより、本年のフィッシャーマンズフェスティバルを開催する」


 民衆にかけてた風魔法をキャンセルしてもらう。

 うわっと一定に歓声が上がる。


 でも俺とヴィーチャの音楽は続く。こっちの音量は魔法で上げたまま!

 二曲予定通り続ける。まだまだテンション上げますよー。

 「みんなもー歌ってー!」ヴィーチャが叫ぶ。

 うんうん、ソロのアイドル爆誕だな。なんて、俺一人が心で頷く。

 歌う人と手拍子する人と、広場のみんなが同じ歌を歌う。

 音楽ってこの一体感を味わうのもいいよね!

 俺も弾きながら歌う。ボーイソプラノですので、ヴィーチャの二音上を追ってハモっていく。

 まだ、朝なのに、会場は最高潮!


 三曲目も終わって、大拍手の中俺は人魚姫の手を取ってもう一つの手は皆に振りまくった。二人でお辞儀をするとまた歓声が!


 ヴィーチャとハグ。そして手を取り教会の建物の中に退場した。


 「はー、ヴィーチャお疲れ様。素敵だったよー」

 「シュンスケこそ。帰り道、おばさんから女の子たちまで、みんな熱い目で見てたわよ」

 「そう?ヴィーチャだって!名前を連呼されていたじゃん・」

 教会の司祭様もやってきた。

 「二人とも素晴らしかったです、今後もぜひ専属でされませんか?」

 ヴィーチャが先に答える。

 「私は普段海にいなくてはならないので。この姿は数カ月に一日ぐらいしか保てないのです。この魔道具はかなり魔力が必要ですので」

 「おれも、まだ、子供ですし、学園の一年生になったところで、まだまだ勉強優先です。時々、治療院の慰問などに誘ってもらえればお応えできるかと思いますけど。あくまでボランティアなら。」

 司祭様は納得してくれたのか

 「そうですね。前のように歌いたくなったり弾きたくなった時にお越し下さるのはいつでもいいですよ。私もそうですが、聴きたい方は多いでしょう」

 「「はい、ありがとうございます」」

 ハモっちゃった。


 「二人ともお疲れ様!」

 二人が腰かけたテーブルセットにグラスが二つ置かれる。

 「ありがとうアリサねえちゃん」

 「アリサさんありがとうございます。今日はシックな格好ですね」

 今日もアリサはメイドさんだ。今回はクラシカルなロングスカートにエプロン。

 「ん-最近この服装が多いんだ、近頃寒いからちょうどいいけどね。

 ヴィーチャこそドレス似合ってるわ。本当のお姫様って聞いてたけど、改めて納得!」

 「ありがとうアリサ」


 女の子が二人で会話する光景っていいよね。絵になって。男子とメイドより、姫とメイドが並んでいるほうがいい!

 思わずスマホでパシャリ!背景が教会だし、いいのでは。


 そうそう、最近やっと普通にアイテムボックスを使えるようになりました。

 あのフォルダ整理をしまくったんだよね。今日みたいに、ウエストポーチが装着できないときは、アイテムボックスを使用します。

 でもこれもかなり特殊らしくて、そもそも空間魔法が特殊。後ろ手で出し入れしたり、手品のように出し入れしている。だから、スマホもひょいっと出し入れできるんだ。ま、小物に限るけどね。やっぱり魔法カバンの魔道具のほうが広まっていて、ま、ウエストポーチも魔法カバンなので、誰も不思議に思われない。俺のほうが初めのうちは人前ではびくびく使っていた。


 閑話休題

 祭りはこれからなんだ。俺は楽しみたい!

 なんか冒険者ギルド主催のアームレスリング大会とかもあるそうだ。エントリーはしてないけど。

 「アリサねえちゃん、着替えて出直すよ」

 「そうね、あたしも屋台食べ歩く!」

 「じゃあ、ヴィーチャ、またね」

 「また、ご一緒しましょう」


 アリサと手を繋いで、教会の裏口から出ると見せかけて、お屋敷別館のロビーに空間をつなぐ。

 猫ロボットのあの方の道具のように、帰る。

 今日はセバスチャンたちも祭り会場にいるので誰もいない。


 「じゃあ、着替えて集合よ!」 

 「競争だよ!」


 子供の時散々着ていた、ネズミのキャラの描かれている擦り切れたトレーナーとジーパン姿に、メジャーリーグのキャップ。最近お部屋に姿身を置いてもらいました。

 うん、黒目黒髪の俺!確認大事。さっきもそうだったけど。

 助祭の服をハンガーに掛けてると


 「シュンスケ出来た?」

 「はやっ、まあ俺も出来たけど」

 アリサはいつもの冒険者の革鎧姿、競争って言ったのにな。

 「んじゃ行きますよ」手を出して

 「うん。シュンスケの瞬間移動?便利よね」

 「使う人はめったにいないらしいので、内緒ですよ」

 帝都では今は魔法学部の教授だけらしい。

 「うん」


 「きゃっ、シュンスケなに!」

 

 ぱっと灯台の巨大レンズの正面のほうに出る。どこに出たらいいか分からなかったから。

みんな祭りのイベントに夢中で空なんか見ないはず。


 「アリサ姉ちゃんじっとして。大丈夫だから、俺につかまってね」

 「だって、浮いてるって言うか飛んでる!」

 アリサ姉ちゃんをお姫様抱っこして、灯台の横に浮かぶ。

 「うーん、どこも混んでいるなーどこに降りたらいいんだろう」

 凄い人混み、でもエルフさんは見当たりませんね。獣人はほんのちょっといる。人魚族は今日はヴィーチャ以外も人間族の姿になっているそうだ。

 「あーほんとね。もうその灯台のデッキから階段でギルドに出た方がいいんじゃない?」

 「そうだね」

 

 ギルドから出て、もう隙間のなくなっている広場に戻る。

 チェンバロがあったところも屋台に占拠されております。

 さっきとは違う格好ですからね。俺はアリサと逸れないように手を繋いで屋台を回る。

 お、イカの姿焼きじゃん!良い匂い!

 「おばちゃん、それひとつください」

 「はい!まいど。あら、あなたさっきの助さ」

 「しー、なんでばれる?」こんなに子供っぽいトレーナーなのに。

 「そもそも、シュンスケの顏が可愛いからよ」

 「えー、服だけじゃダメ?」

 「あっはっはっ、さっきのオープニングであんたのファンになっちゃったからよ。ファンは推しを見つける能力が芽生えるんだって。うちの娘が言ってた。娘は第二皇子の追っかけなのよ」

 なんだそれ、たしかに日本にも皇族の追っかけさんいるって聞いたことあったけど、ちょっと違うような。

 それに推し活?この街にもそんな単語あるの?俺がその対象?

 「勘弁してしてください。でも、また教会で演奏するときは、お布施宜しくね。俺、学園の苦学生一年生なので。」

 「そうなの?お貴族様の援助受けているのではないの?」

 「そうですけど、借りっぱなしはダメなので」

 「えらい!さすがドミニク卿が目をかけるだけのことがあるわ。

 じゃあ、ますます応援するわ。これは、おばちゃんから!もう一本持って行って。

 お金はいらないよ!」

 「え?ちょっと」

 「よかったね、シュンスケ!」

 もー

 「しょうがないな、ありがとうございます」

 「がんばってねー」

 「はい!」


 なんのために、こそこそ出入りしていたんだ。全然意味ないじゃん。


 初っ端からひどい目に遭った。

 まあ、あんな大勢の前に出ちゃったもんな。

 今日のオープニングセレモニーは、教会とギルドがドミニク卿に直接話を持ってきて、あの人も、「俺が平民寄りだってますます印象付けるのにいいから、やれ」って言われて決まったんだよね。

 あとで、出演料くれるらしいし。学費にということで、二度ほどヴィーチャと練習して、さっき本番のお披露目をしたのだった。その時に皇太子さまとも挨拶済み。


 しばらくイカをもぐもぐしながら歩いていた。キャップを出来るだけ深くかぶって。

 二本めのイカはアリサねえちゃんが食べている。


 あ、ゴダだ。ウリサ兄さんも!

 トウモロコシ焼いてる。もちろんお醤油の提供は俺です。

 「ゴダ!」

 「おーシュンスケ、いいもん食ってるな」

 「うん、あっちでもらったんだ」

 「一瞬で有名になったもんな」

 「ちょっとは覚悟してたんだけど、ちょっとどころじゃなくて」

 と言いながら、イカを完食したので親指を舐めていた。

 「ゴミ出すとこどこ?」串を手に聞く

 「ここに出せよ」

 「ウリサ兄さん」トウモロコシの皮が捨ててある籠を出して来てくれた。

 「おう、朝一からお疲れ」

 頭を撫でてきた。

 「ありがとう」

 「おいらは音楽は分かんないけど、すごいのは分かったぜ」

 「そうよね。シュンスケは天使だったわ。さっきもね空を」

 「そ、そう、ありがとう」全部を言われる前に声を重ねる。


 屋台の横っちょで魔法で水を出して手をすすぐ。

 「あたしも洗わせて」

 「うんアリサねえちゃん」

 タオルの両端で二人で手を拭く。

 「次は、これ食べるか?」

 ゴダがトウモロコシをトングでつかんで聞く

 「うん。でもその前に」

 空間からコップを二個出して氷水を入れる。一個をアリサねえちゃんに。

 「はい」

 「ありがと。美味しかったけど、喉も乾くわね」

 「しょっぱいもんね」

 食べるのも飲むのも立ったまま。屋台グルメはこれだよね。


 イカを食べている時にも感じたけど、食べながら歩くと顔が半分隠れるのか、呼び止められずに済んでる!


 そういうわけで、焼きトウモロコシをかじりながら歩く。

 これでは、手を繋ぐのは無理だな。

 「シュンスケ」

 あ、第三皇子の声だ。

 振り向くと、さっきと同じ皇子様スタイルのままいた。後ろには護衛兼学友のブリドとラス。ラスは殿下と同じ十歳の新入生。ブリドほどじゃないけど十歳にしては背が高い。しかし二人とも顔も良い。

 「セイラード殿下」

 「さっきはすごかったな。私も一応、教養にと楽器を触ってるけどな、シュンスケはすごかったな」

 まあ、習ってた期間を含めて十年は触ってたしなピアノとか。

 「もったいないお言葉です。それにあれは、人魚姫のお歌がよかったんですけどね」

 「それに、その恰好」

 「はい?」

 トウモロコシをもぐもぐしながら応じています。勝手に無礼講ですみません。

 「楽そうでうらやましい」

 すみません。助祭の格好だけでもキラキラ素材なので長時間はむりなんです。子供は手足が短いから汚すし。

 「この格好じゃ、屋台巡りもなかなかでな」

 「でしょうね」

 「それに、往来で許可のないものを食べたらいけないのだ」

 「なるほど」皇族も大変だね。


 「では、まだ私は回るところがあるのでな、祭り楽しめよ」

 「はい」


 殿下と別れて、ブリドやラスとも手を振りあってまた屋台巡りに戻ろうとアリサを振り返る。

 「はー、きれいどころがあんなに」きれいどころってオッサンが女の人に使うのでは?

 惚けていらっしゃる。

 貴族の特に皇族に近い方たちは、お母様が美人ばっかりなので、皆さん美しいもんね。

 「そうだね。みんなキラキラしているでしょ?俺の学園の日常があれだよ。もう眩しくて困る」

 「シュンスケも可愛いからもう眼福!」

 え?俺も入れられちゃう?そう。


 「あ、魚掬いがある!」

 「金魚じゃなくて?」

 「金色の魚もいるわ」

 色んな稚魚って感じの魚が大きな水槽で泳いでる。みんなで左回り。

 屋台は食べ歩きだけじゃないですよねー。ゲームっぽいのもいい。

 「アリサねえちゃん、どっちがたくさん掬えるか勝負しない?」

 「よし!負けないわよ」

 おっちゃんにお金を渡してポイをもらう。


 夕方になり、食べすぎたからと魔法は使わず歩いて屋敷に帰った俺とアリサは、海の見えるバルコニーの上で、戦利品のお魚を海水を掬った盥にとりあえず放す。魔法で海水を出す方法がまだわからない。

 「俺の負けかあ」

 一応、掬ったんだけどね一匹というか一人。

 “きゃはは、おうじー”って俺に掬われたのは、青い精霊ちゃんだった。

 俺には見えているんだけどね。盥の中でアリサの魚と戯れて泳いでる。魚には青色ちゃん達が見えてるみたい。ほかの色の子もみんな盥の周りで遊んでいる。イルカショー宜しく、小魚に乗ってご機嫌だな。

 おれはバルコニーの手すりにあるちょうどいい節穴に、綿あめの棒を突き刺す。

 “食べていいの?”

 「もちろん。みんなも呼んで」

 “わーい、おうじありがとう”


 「シュンスケ!あなたは負けたんだから、観念しなさいね」

 「はーい」

 魚掬いの賭けに俺が負けたらアリサと風呂に入るという罰だった。

 罰?ご褒美ですけど。


 アイテムボックスからとっておきのバスボムを出す。浴槽がでかいから二つぐらい?

 この世界に来て初めての人ごみに疲れていたのか、風呂から出たら今日も秒で寝ていた。またアリサが潜り込んでいたのに全然気づくことなく。


アリサ 「お風呂ってだけでも贅沢なのに入浴剤を2つも入れるなんて、シュンスケはすっかり贅沢を覚えたわね」

ウリサ 「入浴剤ってどのぐらいするんだ?」

駿介 「リンゴ1個ぐらい」

アリサ「なんだ~よかったー」

駿介「気にせずゆっくりしてねー」

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お星さまありがとうございます。もっと頂けたら♪

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