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社畜おじさん、仕事を辞めて辻ヒーラーになる。  作者: 七渕ハチ
第一章『妖精おじさんがあらわれた。ただし、その姿は見えない』
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第3話 調合屋と調教屋

 見つけたプレイヤーへ回復魔法をかけ続け、合間にイッカクガエルを倒しているといつの間にかクエストを達成していた。


 村に戻って報告後、次は王都への手紙を渡される。地図が自動的に開いて目的地のマークがついた。森から続く荒野を抜けた先が王都らしい。


 それにしても広い地図だ。あれだけ彷徨った森が随分小さく見える。拡大してみると池や花の咲く場所が細かく書き込まれていた。


 村のほうも噴水があって武器屋に防具屋などがある。


「お、調合屋だ」


 気になっていたところを発見したので早速行ってみた。


「ようこそ冒険者さん! 調合に興味がおありで?」


 若干テンションの高いNPCに愛想笑いを返しながら調合の説明を受ける。思った通り各種薬品を作れるそうで、基本レシピを覚えて派生のレシピは自分で見つけていくとのこと。


 一番簡単な基本レシピをもらえたので確認する。



【レシピ:ヒールポーション】

『素材1』イッカクガエルの角

『素材2』水

『素材3』空瓶



 イッカクガエルの角ならある。水と空瓶は調合屋に売っているし、近くで完結できるようになっているのか。


「イッカクガエルの角と水を別素材にすることで、ポーションの種類や効果が変わるから試してみてね!」


 NPCから追加の説明がきた。それが派生レシピになるんだな。納得して水と空瓶を買い、近くに並ぶ調合台で作ってみる。


「アイテムをここにセットして……」


 作成ボタンを押すと小気味のいい音がした。



≪ヒールポーションを一個作成しました≫



 特に難しい操作もなくアイテム欄にヒールポーションが現れる。



【ヒールポーション】

『種類』回復アイテム

『効果』自分の体力を小回復する

    他プレイヤーへ使うことはできない

『説明』赤い色をした液体

    どろりとしていて連続で飲むには適さない



 回復アイテムは自分にだけ使えるようだ。魔法以外にも回復支援をできればと考えていたが、そう上手くはいかなかった。


 イッカクガエルの角は白色なのに赤色の液体になるのは不思議だ。水との反応でどうにかなるのだろうか。いや、ゲームに対して現実的な見方をするのはよくないな。


 もしくは赤い色がヒントになっていて、水の代わりにモンスターの血を使えたりする可能性はある。年甲斐もなく楽しくなってきた。


 一度調合は置いて、他に面白そうなものがないか地図を眺める。鍛冶や木工なども興味を引かれるが、調教屋と書かれた場所に目がとまった。


 健全なゲームであることを思えば犬や馬を飼えるのかもしれない。期待して向かうとカウボーイハットをかぶったNPCがいた。


「いい面構えをしている。冒険者よ、調教師を目指してみないか?」


 馴れ馴れしい態度によく分からない頷きをして会話を進めると、テイムというスキルを教えてもらった。


「モンスターに使うことで仲間にすることができる。弱らせたり罠を使うことで成功確率を上げられるのを忘れるなよ。それと、全てのモンスターを仲間にできるわけじゃない。色々試して調教師ライフを楽しんでくれ」


 身を守る手段を考えていなかったから、モンスターを仲間にして任せることにしよう。自分が回復役に回れば戦わなくても済みそうだ。


 周りを見るとイッカクガエルを足元に連れているプレイヤーがちらほらいる。おそらくテイムをしているに違いない。


 再度森に戻り、試してみることにした。

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