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社畜おじさん、仕事を辞めて辻ヒーラーになる。  作者: 七渕ハチ
第一章『妖精おじさんがあらわれた。ただし、その姿は見えない』

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第15話 回復効果+1%

 マナポーションを一つずつ作っていく。簡単に試した結果、まとめてやっても熟練度の上がり方は同じだった。慣れてない身からすると完全に罠だ。


 素材をセットして作成ボタン、素材をセットして作成ボタンを繰り返す。この単純作業は個人的に好みな部類だが苦手な人もいるはず。モンスターとの戦いへ積極的に挑みたくなる気持ちは分かった。


 周りにいるプレイヤーも黙々と調合台に向き合う。誰もしゃべらず静かなので奇妙な空間になっていた。


 いつの間にか素材を使い切り立ち上がる。ゲームだというのも忘れて自然と腰を押さえてしまった。


 回数で言えば百を超えるが意外と早く終わったように感じる。このまま回復魔法の旅へ出るのもいいが、マーケットでマナポーションがいくらで売れるか気になった。


 メニューから開いてマナポーションで検索。素材ほどではないにしろずらっと出てきたリストを確認するが、表示されているのはあくまで出品中のもの。購入履歴のタブで取引済みの一覧を見てみる。


 値段の幅はあるなか、計算してみると素材代を上回っているのがほとんどだった。つまり、マーケットを利用すれば無限調合が可能ということ。


 ゲームのサービスが開始したばかりで需要と供給のバランスが偏っているのは想像できる。ただ、利益は微々たるもので稼ぎ放題には程遠い。時間効率だとモンスターと戦う方が稼げそうだった。


 マーケットは眺めるだけでも楽しく、ふと気になる表示を見つける。マナポーションの中に+マークが付いたものが存在した。



【マナポーション+1】

『種類』回復アイテム

『効果』自分の精神力を小回復する

    回復効果+1%

    他プレイヤーへ使うことはできない

『説明』青い色をした液体

    どろりとしていて連続で飲むには適さない



 調べると通常品と違い回復効果+1%が追加されている。そこで、素材を別のものにすると種類や効果が変わると始まりの村で言われたのを思い出した。


 すでに色々と試行錯誤するプレイヤーがいるようだ。取引の値段も若干高くなっており、自分も挑戦したい欲求が湧いてきた。


 まずは作ったマナポーションを出品してみる。個数は百個まとめてで最安値よりも若干高値に設定し、販売開始ボタンを押した。


 買う方は気軽にできたが売る側になると緊張感を覚える。大した労力ではなかったが売れ残ると少し落ち込みそうだ。



≪マーケットの売買が成立しました≫



「えっ……?」


 いきなりのシステムメッセージに驚いてしまう。さすがに早すぎでエラーが起きたのではと疑った。


 マーケットを開くと自分の出品画面に唯一あるマナポーションへ、売買済みのマークが光る。横のボタンを押したところチャリンと音が鳴り、アイテム欄の端にあるお金のカウントが増えた。


 本当に誰かが買ってくれたのか。こんな短時間で売れるのは予想外だ。需要があるうちに試すのは正解かもしれない。


 新たな資金でマナポーションの素材を探す。やはり、水の代わりに血を使うのが分かりやすい。検索バーに血と入力すると大量の出品が出ていた。


 とりあえず安い順位にソート。イノシシの血とヘビの血を購入してみる。イノシシの肝臓も追加購入後にマーケットを閉じて手前の広間で空瓶を補充し、大きな炉の横で調合台と向き合った。


 セットするのはイノシシの肝臓とイノシシの血、空瓶だ。作成ボタンを押すと小気味のいい音が鳴る。アイテム欄に現れたのはマナポーション+1だった。


 思い通りの結果に心の中でガッツポーズをする。上手くいくと自分に自信を持てた。


 次はイノシシの血よりも高かったヘビの血を水の代わりにセットする。お願いしますと作成ボタンを押したが、不穏な音が鳴った。アイテム欄では素材の数が減ったうえに追加のマナポーションもなかった。


 どうやら調合を失敗してしまったらしい。血という同じカテゴリーなので素材を間違えたとは考えにくく、あるとすれば熟練度不足だ。


 しばらく成功したマナポーション+1を作りつつ、熟練度を上げていくことにした。




 ◇




【DAO】総合スレPart112


241 名前:名無しの古代人

    イベントの準備は進んでるかブラザー


242 名前:名無しの古代人

    イベントスレでやれと言いたいが熱い話題だしな

    スキルの熟練度上げを頑張ってるわ


243 名前:名無しの古代人

    こんなところを見ずにゲームをやれ


244 名前:名無しの古代人

    さすがに明日ってなると諦めがつく

    本番で頑張るだけだ


245 名前:名無しの古代人

    対プレイヤーを考えると

    手持ちのスキル回しが大事か


246 名前:名無しの古代人

    そもそも覚えてるスキルが限られてな


247 名前:名無しの古代人

    それより精神力だ

    近接職だと上がりづらくて困る


248 名前:名無しの古代人

    魔法を使え


249 名前:名無しの古代人

    浮気すると熟練度の上がりで置いてかれそう

    色々手を出すと楽しくなっちゃうんだよ


250 名前:名無しの古代人

    そして器用貧乏へ


251 名前:名無しの古代人

    分かってるやつはマナポーションを買いこんでるから


252 名前:名無しの古代人

    近接職も結構使うんだよな

    持久力と精神力を合わせて使ったり


253 名前:名無しの古代人

    ポーションの種類ごとにクールタイムは別だし

    連戦だと休憩時間がなくて使いがち


254 名前:名無しの古代人

    マーケットを眺めてるけど値段はばらついてるか


255 名前:名無しの古代人

    高くても買われてない?


256 名前:名無しの古代人

    NPCから買うよりは安い


257 名前:名無しの古代人

    近接職と魔法職の双方に必要とされるのがまた


258 名前:名無しの古代人

    自分で調合しろ


259 名前:名無しの古代人

    眠くなるし


260 名前:名無しの古代人

    わりと修行僧だよな


261 名前:名無しの古代人

    +が付いてると買いたくなっちゃう


262 名前:名無しの古代人

    回復効果+1%とか微々たる差だが


263 名前:名無しの古代人

    その1%でスキルを使えなくて泣くがいい

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