カノジョ(仮)34
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
宇宙空間には、敵の人型兵器の他にも『敵』が存在していた・・・
巨大宇宙ステーション・ペッサリーリング内。
天井を見なければ地球と変わらない環境が売りのジ・ロン家所有のドーナツ型の宇宙の【駅】。重力も地球と同じ1Gである。
「きのうの夜はゴメンなさい」
腹黒ヒロインのミナミちゃんが、
「シンデレラのまねして舞踏会に行っちゃって」
やさしいナナミ君は、
「いいよ。条件のいい男性に乗り換えていくのが女性の本性らしいから。ボクも12歳の最年少副長と踊ったりしたから」
「人型兵器のエースパイロットはロリコンの人が多いって話だから、てっきりあたし・・・」
「このサングラス似合う?」
「なんでいきなりサングラスかけたの?」
「顔ばれしちゃまずいでしょ」
「逆に、ばればれかも」
この宇宙ステーションの時間は地球の24時間に合わせて設定されている。現在AM7時8分。
「艦の朝食おいしくないから外食しましょう」
腕を組んだミナミちゃんはGカップの胸をナナミの腕に押し付けた。
NOとは言えないナナミ少尉は、
「たしか港の近くに、モブモブバーガーがあったような」
「敵の人型兵器みたいな名前のお店ね」
午後に出港予定の宇宙巡洋艦アレックスコード。
普通のカップルのように買い物までしてきた人型兵器のパイロット・ナナミと雑用係をやらされているミナミちゃん。
艦の出入り口に立っている警備兵が、
「身分証明書と外出許可書・・・持ち物見せて・・・アルコールや違法な薬物は無いようだな」
「あったり前でしょ」
長い脚でジーンズも似合うミナミが言った。
宇宙ステーション内は一年中春の気候に設定されていた。
春物の上着の下は長袖のTシャツのミナミの胸元の異変に気付いたのは夜のパートナーでもあるナナミだった。
「ミナミちゃん、オッパイ4つ!あっ・・・カップ麺入れてる。カップ麺は持ち込み禁止なんだよ。艦の重量制御装置が万一止まったりしたら」
(おわり)